地味系眼鏡男子と派手系美少女。想いがすれ違う、じれったい恋物語。『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』

ちょっと前まではその人のことなんてまったく意識していなかったのに、ちょっとした出来事をきっかけに、なんだか気になってしまう……そんなふとした瞬間の恋の始まり、あなたは経験したことがありますか?

この作品『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』に登場する女の子・北岡恵麻は、美人で人気者、イケメンな彼氏もいるらしいと噂のあるくらいの存在。メイクはばっちり決めて、ピアスとネックレスも身につける、派手でギャルっぽさのある子です。

けれど彼女は内面までイケイケなギャルなわけでありません。女子同士の友達関係に悩んでいたり、幼馴染みのことを彼氏だと勘違いされて困惑していたり、親切にしてくれる男子には素直になれず冷たい態度をとってしまうような、ごくごく普通の女の子なのです。

そんな彼女が心をときめかせてしまうのは、クラスの中でも地味で目立たない、野暮ったい眼鏡をかけた男子。3年の理数系クラスで一緒になった彼とは、まったく接点はない……はずだった。

君に恋をするなんて、ありえないはずだった

  • 著者:筏田 かつら
  • 出版社:宝島社
  • 発売日: 2017/3/25

助けてほしいときに掛けられた優しい言葉。それがうれしくて……

舞台は千葉県の南総にある高校です。3年生の夏休み、学校の勉強合宿の夜に、眼鏡の彼……飯島靖貴が、足を怪我して動けないでいる恵麻のことを助けてくれます。その些細な出来事から二人の関係が動きだすのです。

寡黙で何を考えているかわからない靖貴。だけど彼は、サンダルが壊れた上に足にはマメだらけで動けずにいる恵麻へ、自分が履いていたスニーカーをためらいもなく貸してくれました。自分の外見だけを気に入って寄ってくる他の男子たちとは違う大きな優しさを感じ、恵麻の心は揺れます。

そして恵麻は、借りたスニーカーを夏休み中に飯島の家まで返しに行き、その帰りに駅まで二人で歩きながら「喋っていて意外に楽しいな」と感じていました。それから夏休みのあとは、恵麻も靖貴も同じ曜日に同じ駅(千葉駅)近くの予備校に通っていたことから、二人で一緒に帰るようになります。だけど学校では他のみんなの目があって話かけられない。靖貴も、そんな恵麻の態度に翻弄されつつも、いまいち真意が掴めないでいるのでした。

瑞々しく描き出す、恋する二人の想い

誰かと話しているとき、その人が心の中でどんなことを考えているのかは分かりません。けれどその相手が自分の気になっている人だったら、どんなことを考えているのか、自分をどんな風に思っているのかが、気になってしかたがなくなってしまうでしょう。

「俺は北岡みたいにかわいくないし」ってことは、自分のことを「かわいい」って思ってくれているのかな、とドキドキしたり、髪型を変えたことについて訊いてみて「いいんじゃないの。周りみんなそう言うだろ」と返されて落ち込んだり……。そういったやり取りをしながら、徐々に仲良くなっていく二人なのですが、それが近づきそうで近づかなくてやきもきしてしまいます。

自己評価が低い靖貴は、自分はきっとからかわれているだけだと思い込んでいるし、あまのじゃくな恵麻は靖貴に対して素直になれない。学校行事を通しながらもどかしい恋の距離が揺れ動いていくのですが、恵麻がふいに発した一言が波乱を呼んでしまうのです。

等身大。考えすぎて空回りしていく、高校生二人


この物語の魅力は、なんといっても靖貴と恵麻の二人に共感してしまうところです。「こんな言葉、自分も言ってしまっていたかも」「こんな風に思ったことある!」などなど、高校生のころの自分と重ねてしまうでしょう。

何度か「おれなんかどーせ」と思ってチャンスをふいにしてしまったこともあるかもしれない……! そんな甘酸っぱくも懐かしい思い出が胸に去来して、なんとも言えない……具体的に言えば枕を抱えてベッドでゴロゴロしてしまうような気恥ずかしい気持ちが襲いかかってきます。

本作は
『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』
『君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業』
と2巻構成となっております。

等身大で悩み、等身大で恋をする。そんな二人の高校生の行く末を、ぜひ見届けてください。

(寄稿:宝島社)

君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業

  • 著者:筏田 かつら
  • 出版社:宝島社
  • 発売日:2017/7/6

こんなお悩みを解決!


①この頃、「泣ける!」「感動!」ばかりで、「胸キュン」な作品に出会えていない。
 →誰かが死んだり、ちょっと不思議なことが起こったりはしません。普通の恋の様子なのに、なんだか胸が高鳴ってくる!

②高校生の頃の純粋な恋の感情を忘れかけている。
 →あの頃のことを思い出して、心が叫びだしたくなってしまうかも。ピュアな自分を取り戻せる!?

③恋がしたいと思えていない。
 →読み終わったときには、きっとまた恋がしたくなっています。

モデルプロフィール

  • 名前:小林真琴
  • 生年月日:1989/02/05
  • 出身地:秋田県
  • 職業:フリーモデル、ブロガー
  • 趣味:ソフトテニス、ライブ鑑賞、カラオケ、メイク
  • Twitter:@maccori_1
  • Instagram:maccori1
  • Blog:まっこりのにこにこぶろぐ

(カメラマン:伊藤広将)

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