作家の江國香織さんの、直木賞受賞作品で全12作品から成る短編集です。まず、何といっても印象的なのがタイトル。 『号泣する準備はできていた』 号泣するために準備をする人っているのでしょうか。タイトルだけ見ると意味不明です。…
日常の別れや孤独を切り取った、特別な一冊『号泣する準備はできていた』

作家の江國香織さんの、直木賞受賞作品で全12作品から成る短編集です。まず、何といっても印象的なのがタイトル。 『号泣する準備はできていた』 号泣するために準備をする人っているのでしょうか。タイトルだけ見ると意味不明です。…
友人・恋人・家族・同僚……。 あなたの周りにいる人たちとの関係性について問われた時、あなたはいくつ、その関係性について答えられるだろうか?きっと思っていたよりも多くの人間関係が浮かび上がってくるのではないだろうか。例えば…
大人になれば、いろんなことを知る。 いろんなことを知っているから、様々な可能性を頭の中で考え、こねくり回し、何をするにも臆病になる。 特に、人間関係においては、それが大きな弊害となる。 子供の頃は、一度でも一緒に遊んで…
子供にとって、現実と空想の世界に境界はない。自由に行き来する。そう、まるでぶらんこのように。 大人はどうだろう。きっと、空想の世界はちょっと遠くにある。 どうしてかって、空想が現実のものではないと知っているから。一線を引…
小野不由美氏は、私が子供時代に愛読していたホラー小説(「屍鬼」や「悪霊」シリーズなど)を書かれていました。個性的な登場人物がコメディのような会話を交わしているテンポの良さと、相反して身がすくむようなホラー描写に、飲み込ま…
このコーナーでは、『本to美女』編集部のライターがお勧めする本を紹介します。 最近はめっきり見なくなったが、私が幼かったころは学校が長い休みに入ると、決まってサーカスがやってきた。赤と白のテントの向こうには、見慣れない動…
すいかの匂い 著者:江國 香織 出版社:新潮社 発売日:2000/6/28 あの頃は感じることが出来たモノ、コト。 小学校の時のこと、思い出せますか? 空調のきかない教室、すこしずつ顕著に現れるスクールカースト、教室にむ…
1969年6月24日。京都でとある女子大生が鉄道自殺した。 彼女の名前は、高野悦子。まだ二十歳だった。 今回、紹介するのは「二十歳の原点」。彼女が二十歳を迎えた日から自ら命を絶つ二日前まで書き…
突然ですが、あなたには「本当にしたいこと」はありますか?この質問に即答できる人はそうそういないはず。きっとそれを探している真っ最中、なんて人が多いのではないでしょうか。 本書の著者、森下典子さんもかつては、そんな「本当に…