身長192センチ、巨漢インテリ東大生、大熊将八がいま学生で日本一可愛がられている理由

就活アイドル「キチョハナカンシャ」とのコラボで華やかにお届けしてきた今週の就活特集。最後を飾るのは、新たなインタビュー企画「U25探訪記」。

「師匠語り」とは打って変わって、インタビューをするのは、25歳以下の期待のルーキー。

若者の情熱は、どんな冒険書より熱い。
自分を形作った”ジブン本”から学んだこと。そこから、どう行動したのか。今をときめく時代の寵児たちにスポットを当て、「情熱の正体」を聞き出すU25探訪記! 現代のコロンブス達は何を思っているのか。

「”ジブン本”を通じて、次世代の若者の価値観を探る」ことがコンセプトのこの企画。
記念すべき1人目の新星は、現役東大生の大熊将八氏だ。

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成功の秘訣は、好かれる人になること。人から応援されると、成功に近づくパワーが生まれる。人は必ず人に支えられ、導かれて生きている。大きな夢は自分ひとりの力では叶わない。自分の夢が実現するかどうかは、自分を応援してくれる味方の数で決まる。

私は、インタビューを経て、大熊将八氏のファンになった。話を聞けば聞くほど「大熊氏を全力で応援したい」という思いがこみ上げた。

東京大学在学中、クラウドファンディングで約100万円の出資を受けアメリカでの取材留学を経験。「NewsPicks」での連載後に書籍化された初著書『進め!!東大ブラック企業探偵団』は、東大・京大の生協で現在ベストセラー、僅か二週間で増版決定と大好調。次々メディアで取り上げられ、日本中から注目を受ける大熊氏は、まさに「今、日本一応援される大学生」ではないだろうか。

なぜ人々は大熊将八を応援したくなるのだろう。自分のファンを増やし、周りから応援される人間になるにはどうすれば良いのだろうか。

大熊将八には、図らずも「応援したい!」と周りの人々に思わせてしまう、圧倒的な強みが2つある。1つ目に、大熊氏はエネルギッシュである。思わず「そこまでするのか?!」と言いたくなるほどに。

第一の強み「『そこまでやるか』と思わせるエネルギー量」

◆「一番愛されているやつ」が一番強い

大熊:最近は、「自分の夢を成し遂げるには、色々な人に助けてもらうことが一番大切だな」と実感する日々です。『進め!!東大ブラック企業探偵団』の作家活動の中で、様々なバックグラウンドの何百人もの人が関わってくれています。

沢山の友達が「大熊の本を売上一位にするためにCM作ったろか!」「著書のホームページをつくろう!」「イベントの動員頑張るよ!」と協力してくれて……一人じゃ絶対ここまでくるのは無理だっただろうなぁと思っています。

こう思えるようになったのは、実は大学後半になってからなんです。きっかけは、学生日本一にもなった「競技ダンス」との出会いでした。

僕、元々はめちゃくちゃ下手だったんですよ。4年生の半ばまで予選落ちばかりで、周りからも「望みはない」と言われていました。それは「自分のやり方で勝つんだ」と、才能が無いくせに自分のやり方を過信していたからです。

競技ダンスは、複数人の審査員にジャッジされるスポーツであり、、自分一人の練習では上手くならないんです。競技ダンスで勝つ秘訣は、 「上手い人に好かれて、客観的に良いアドバイスを貰うこと」です。勝っているダンサーに「孤高」の人はいません。

社交ダンスは「社交的であり、一番愛されているやつが一番強い。孤高のダンサーはだめ」。

「皆から愛される人が一番上手い」とギリギリのところで気が付き、上手な先輩やOBに「やる気はあります、日本一になりたいです、でもスキルはないので教えて下さい」と稽古を頼み、素直な気持ちで練習に臨むとみるみる上達していきました。

そこでやっと自分一人の才能はちっぽけな力でも、みんなに応援されれば、自分の限界は遥かに超えられると気付くことができました。

取材留学のためにしたクラウドファンディングはまさにそうでした。支援者を集めたFacebookページで日々の活動を報告してたんですが、「ここに行くならここも行ってみれば」、「こういうこと聞いてきなよ」とアドバイスをもらえて、人脈も知識も経験もない状態で一人では絶対にできなかった取材をすることができました。

◆言うことはとことんデカく、ただし虚栄心は拭い去れ!

「僕が何故応援してもらえているのか」……なんだろうなあ、難しいけど……一つあるとしたら「大きなことを言うけど、今自分に力がないことは潔く認める」っていうのがあるかなと。

例えば、先ほどの競技ダンスでいうと、僕はもともと下手だったので最初は準決勝くらい行ければいいかなくらいに思っていました。でもそう言ったら練習を見てくれる先輩は僕に対して「準決勝に行けるくらいの投資」しかしないわけじゃないですか。

そこで、4年生の後期の最後の大会前からは「優勝したい!」とハッキリ言うようになったんですよ。そうしたら先輩に「優勝したいんだったら、もうちょっと教えてあげよう」と指導してもらえたんです。

だから「やる気はあります!優勝したいです!でもスキルがないので教えて下さい!」という「並々ならぬ向上心」と「自分の実力がまだないのをわかった上での、素直さ」が応援されるには必要だと思います。

第二の強み「叱咤激励してくれる師匠の存在」

◆「まだ100点じゃないだろ。」「明日発売だけど、やめておくか?」

影響を受けた師匠は、僕の初著書『進め!!東大ブラック企業探偵団』の編集者でもある加藤晴之さんです。もうすぐ定年なんですけど、「The 仕事人」って感じの方で、さっきも明日発売なのに、「やっぱり出版するのはやめとくか?」とかなり怒られて(笑)

厳しいというか、当たり前ですけどプロフェッショナルな方で、「妥協は一切許しません」という人なんです。加藤さんは百田尚樹さんの担当編集者でもあり、ダブルミリオンセラーを叩き出した『海賊とよばれた男』を手がけられた方です。ありえない数字ですよね。数万部でヒットと言われる中、その数百倍をいってるわけなので。やっぱり、そこまで徹底的にやった結果なんだなとはっきり思いました。

さっきも「大熊くん頑張ったけどもうここで終わりかー?」と厳しく指導していただいたわけですけど。本って「作るの半分、売るのが半分」と言われているんですが、今やヒット作を生み出そうとしたらどうPRするかが非常に重要で、「売るのが7割」ぐらいになっているかもしれません。

「その作法がなっとらん!」とまさに現在お叱りを受けているわけです。すごいのは、例えば昨日夜中とかに資料を送ると、朝には30箇所くらいアドバイスが返ってきていて。

「もう埒があかない!」と電話もかかってきて。そこまで徹底的にできる人ってあまりいないと思います。僕も学生時代、水泳で国体に出たり競技ダンスで日本一になったりとそれなりに結果を出してきて、徹底的にやることは知っていたつもりなんですけど、それは学生レベルだったなと思い知らされました。

大熊氏の「『そこまでやるか』と思わせるエネルギー量」は、初めは落ちこぼれだった競技ダンスを最後まで徹底的に練習をした経験がはじまりだった。そして「叱咤激励してくれる師匠」が教えてくれたのも、最後まで気を抜くことなく徹底的に執筆に向き合う姿勢だった。大熊氏の「徹底的にやり抜く」という素直で、誠実で、ひたむきな姿勢が、多くの人を惹きつけ「応援したい」と思わせるのだ。

「楽しむことを諦めない!」〜大熊将八の「ジブン本」〜

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◆「ただ楽しいだけ」の小説が、大熊将八の価値観を形作った「ジブン本」?

高校2年生の時に、村上龍さんの『69 sixty nine 』に出会いました 。ほぼ村上龍さんの自伝的小説で、とにかく「楽しい物語」なんです。1969年だから『69 sixty nine 』。

1969年って、70年安保の全共闘世代で、村上龍さんはその時まだ高3でした。お祭騒ぎに乗っかって自分が目立ったら、自分が好きな女の子にアプローチできるんじゃないかと思ってバリケード封鎖したりして、見事その子と付き合えたりだとか、見知らぬ米兵と仲良くなったりだとか……。最後まで楽しい楽しい小説なんです。

◆現実社会では「楽しい」を貫き通せる人の方が、圧倒的に少ない

この小説は最後まで楽しいままなんです。でも、後書きがすごくて……。そこに書いてあったのは、「楽しく生きることって大変なんだ」ということでした。

物語の中で、主人公が学校を謹慎になり「このまま楽しいだけでいいのか」と、しんどくなるシーンがあったんですけど。村上龍さんは後書きで「楽しんで生きないのは罪なことだ」「楽しく生きるためにはエネルギーがいる。戦いである。私はその戦いを今も続けている」と言うんです。 「くよくよするのは諦めてしまえば誰でもにできることで、『俺はこんなに楽しんでいるぞ!』と見せ続けられる方が凄く価値があることだ」と。

実は僕、その直前まで引きこもっていたんです。挫折というか、メンヘラっぽくなってて。しかもそんな自分に甘えてたんですよ。むしろ「今時の悩める高校生らしくていいじゃん」って感じで。でも、この本を読んで、「楽しく生きる方が、難しくて、価値のあること」なんだなと気がつきました。その後もくよくよしそうになると、この本を思い出して頑張ってきました。

◆ジブン本『69 sixty nine 』が、「閉じていることはダサい」と教えてくれた

それまでの自分は、話すことは好きだったんですが全部内輪だったんです。高校の仲の良いクラスメイトとは喋れるけど、外に行くと緊張してしまうみたいな。でも、とにかく明るくどんどん外に出て行く主人公を見ていて、「閉じている」ことはダサいことだなと思いました。

小説の中で主人公は、見知らぬ米兵とも関わっていくんですけど、僕も「異教徒フェスティバル」という色んな高校で作る文化祭の実行委員にチャレンジしたり、ブログを書き始めたり、「外に対して訴えたい」という思いが生まれました。大学生に入ってからは著名人にインタビューをするなど、知らない人にもアタックしていくようになれたんです。

発売2週間で増刷決定!東大・京大ベストセラーの初著書『進め!!東大ブラック企業探偵団』

◆2016年02月23日、大熊氏は、初のノベライズ『進め!!東大ブラック企業探偵団』を出版した。東大・京大の生協でベストセラー!、発売2週間で増刷決定と大人気の本書は、近年、ニュースで話題のブラック企業はなぜ増えているのか、どうしたらブラック企業を見抜けるのかを小説を通して解き明かしていく経済フィクションだ。

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「このままでは、日本の企業はぜんぶブラック企業になるかもしれないわ」
「な、なんだってー!?」
「これを見れば一目瞭然」
東大ブラック企業探偵団の団長・東大法学部3年のハルキ、そして経済学部のマオ、農学部のカンタが隠れたブラック企業を摘発、眠れるホワイト企業を見つけ出す・・・・・・。
東大ブラック企業探偵団とは、実在する「Tゼミ」(瀧本哲史京大客員准教授が顧問)をモデルにした、東大本郷キャンパスに部室をおく「秘密結社」。「Tゼミ」は、公開情報に基づく企業分析と政策分析を通じ、過酷な現代社会を生き抜くための意思決定方法を学び実践するゼミ。東京と京都を拠点にさまざまな大学の学生が参加している。投資コンテスト「バークレイズ大学生アナリストカップ」では2年連続優勝に輝いた。
本書は、ニュース共有サイトNewsPicksで話題となった「Tゼミ」企業分析ノートのノベライズ。問題企業、業界を徹底分析して実態に迫る、ますます残酷な社会となる日本で、幸せに「働ける会社」「働けない会社」とは?……『未来工業』『キーエンス』『日本M&Aセンター』……ニッポンを救うホワイト企業はここだ!!

◆ブラック企業をセンセーショナルに語りたくなかった

執筆の中で「ブラック企業とは何か」を突き詰めることが一番大変でした。例えば、「激務=ブラック企業」なのでしょうか。知り合いの美容師に早朝から働き、家では深夜まで研究している働き詰めの人がいますが、彼本人は「一日中好きなことが出来て幸せだ」と言います。これはブラック労働とは呼べないですよね。

長時間労働やパワハラなどブラック企業の話題はセンセーショナルですが、「これを伝えることに意味はあるのか」と思うことがあって。「何なのか」、「なぜなのか」、「どうしたらいいのか」が無いんですよね。

誰もがまさか自分はブラック企業に入らないだろうと思うけど、明日はわが身かもしれない。そういう時どうやって見抜くのか、会社のどういう数字を見たらいいのか、どういう考え方をしたら今後将来性のある業界や企業が見えるのか。それを統計的なデータと綿密な取材で徹底的に具体化したのが『進め!!東大ブラック企業探偵団』です。

U25の悩んでいる方々へ

◆「動いてみなきゃ、エネルギーは生まれないんだ!」

引きこもっていた高校時代、一歩外に踏み出してから僕の全てが変わりました。今の若者は元気が無いとよく言われるし、僕も何もしなければそうなんですけど、動けばエネルギーが生まれるんです。そして、質量は一定では無くて、エネルギーが更に大きなエネルギーを呼ぶ。皆がそうなれば、暑苦しいけど絶対に面白い。

人生は冒険や旅で、本にしても人にしても、偶然の出会いの連続です。全ての出会いは伏線で、「あの時あの人と出会ったから今これがある」というように、後々繋がっていくものです。ありきたりな日々の繰り返しではなく冒険や旅をしているという感覚は、動くことで得られる。

そんな人生は、本当に楽しくて気持ちの良いものだということを、今回のインタビューで皆さんに知ってもらえたら嬉しいです。

(文・湯川うらら)

著者プロフィール

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大熊将八(おおくま しょうはち)1992年5月4日生まれ。東京大学経済学部在学。瀧本哲史 京都大学客員准教授を顧問とするインカレサークル「瀧本ゼミ」に立ち上げ期から関わり、公開情報に基づく企業分析術を学ぶ。その活動をもとにした小説「進め????東大ブラック企業探偵団」を講談社から上梓した。
特技は競技ダンスで、元学生日本一

進め!!東大ブラック企業探偵団

  • 著者:大熊将八
  • 出版日:2016/2/24
  • 出版社:講談社

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WRITERこの記事を書いた人

湯川 うらら

麗らかな春の日に生まれました。ひよっ子インタビュアー。中高大と放送部で全国準優勝経験あり。戦争体験の聴き取りや頑張る人たちの取材をしています。色々な人の話を聞いて、人生を豊かにしたい、誰かを幸せにしたい。 生粋の猫カフェユーザーで、SNSはネコ写真でいっぱい。一年中もふもふしていたい。