“ダブルワーク”で大きな自由を手に入れる-「人生100年時代」の変化に対応するために、あなたがすべき3つのこと-

「単線型の日本のキャリアパスでは、ライフステージに合った仕事の仕方を選択しにくい」

(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定)

私たちの生き方は、常に変化しています。平均寿命はのび100年生きることも珍しくない時代、もはや終身雇用は望めないでしょう。何度も転職するかもしれず、そのたびに違ったスキルが必要になるかもしれません。

そんな中、「ダブルワーク」という働き方も選ばれるようになってきました。ロート製薬やサイボウズなど、ダブルワークを許可する会社も徐々に増えてきています。

それではダブルワーカーの方は、実際どのように、複数の仕事を両立させているのでしょうか。

今回は、サンクチュアリ出版に所属する編集者であり、個人事業主としても活躍されている滝啓輔さんから、「ダブルワークの極意」を伺いました。

滝 啓輔 (たき・けいすけ)

サンクチュアリ出版編集部員 兼 個人事業主。1978年、東京生まれ。國學院大學文学部卒業後、編集プロダクションを経て、日本実業出版社に転職。『「続ける」習慣』『自由な働き方をつくる』などを担当。その後、コンサルティング系のベンチャーに転職、同時に個人事業主としても活動開始。現在は、サンクチュアリ出版の社員として、『世界一カンタンな人生の変え方』『気づかれずに主導権をにぎる技術』『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』などを担当。また、個人事業主として、『自分もクライアントも幸せになるカウンセラーのはじめ方』(同文舘出版)などの出版プロデュース、出版セミナー講師なども行なっている。

極意1: 時間とオファーの「優先順位」を決めよ


今は、サンクチュアリ出版で社員として働きながら、個人事業主、つまりフリーランスとしても仕事しています。フリーの仕事は、主に出版企画のプロデュースや、セミナー講師です。サンクチュアリ出版では、勤務時間が何時から何時まで、というようにはっきりと決まっているわけではありません。なので、まず、「今日は会社にいる時間でこの仕事する」と決めてしまう。そして、フリーランスとしての仕事は、その前後でやるようにしています。

例えば、会社員としての仕事を12:00から始める、としたら、フリーの仕事のアポはその前に終える、というように、時間を切り分けるようにしていますね。やはり、会社とは、契約をして正社員として働いていますから、会社の仕事の優先順位が上です。

これは、時間をどう使うかだけではないですね。もし、すごくいい条件でオファーをいただいたフリーの仕事があっても、明らかに本業のほうに影響が出そうなら受けないことにしています。

それに加えて、どちらも出版、編集にかかわる仕事である私の場合は、サンクチュアリ出版でできることは、サンクチュアリでやるのが前提です。

例えば、『気づかれずに主導権を握る技術』という本ですが、もともとはフリーの仕事として企画を相談されました。しかし、「これはもしかしたら、サンクチュアリの本として出せるんじゃないか」と思い、最終的には自社から出版することになりました。

このように、時間の使い方やオファーにきちんと優先順位をつけて進めていくことが、重要なことだと考えています。

極意2: 「武器」を磨き、「知られろ」

20代、30代のうちにやっておいたほうがいいこと

そもそも、働いてお金をもらえるというのは、基本、社会にとって何らかの価値を生めるからですよね。つまり、これで戦える、という「武器」を持っている。

もし最初からフリーになりたい、というのなら、学生時代に武器を作っておく必要があるのかなと思います。いざフリーになって、生活するお金を稼ぐために走りながら武器を作っていくことは、なかなか大変だと思うんです。

それよりも一度会社員になって、会社員としての自分の「武器」を見つけることから始めた方がいい、と私は思います。

そしてもう一つ、この人がこの武器を持った人である、ということが「知られている」ということも大切です。どんなに優れた武器を持っていても、仕事を発注する側に知られてなければ、受注できません。武器を持っていることをアピールすることも、やっていかないといけないですよね。それは、ブログに書いたり、昔の取引先に挨拶する、といった形の努力になるかもしれません。

実は、私がフリーでいただいた最初の仕事は、すごく遠いつながりからのお話でした。以前同業者の飲み会であった編集者の方がPR会社に転職して、その会社のつながりで、さらに別の人を紹介してくれて、といくつもの縁がつながって得た仕事だったんです。知られさえすれば、遠くからでも仕事がくる。だから、飲み会でもなんでも、知られる努力をすること。「これをやりたい」とか「これができます」と常に発信することも、大事になってくるということです。

そして、武器を持つことと、知られることは、最初は会社に勤めたほうが身に付きやすいはず。一足飛びにフリーで、というのはなかなか難しいのが現状じゃないでしょうか。いきなり仕事を受注する、というのは想像より難しいことではないかなと。

 

極意3: 夢より、「今」に全力で取り組め


すでに働かれている方については、仕事のステージを上げるために、今の会社でしている仕事を大切にすることが重要だと思います。

お給料をもらいながら、仕事上の人間関係の機微も学べ、ビジネスを作ることができる。これをきちんとやることで、自分の可能性を広げていくことができると思うんですよね。

私の最初の就職先は、編集プロダクションでした。新卒間もない頃から、同業他社より多いペースで本を作っていたんです。そこでみっちり仕事の基礎を学んだからこそ、「編プロでこれだけやっているんだから見どころがあるんじゃないか」と評価されて、出版社に転職することになった。

編集の仕事というのは、超単純化すれば「締切までに本を作ること」です。でも、その中で、どこまでやりきるか。私自身も至らないときが多々あり、日々反省ですが、とにかく「今」の仕事に全力で取り組むこと。会社の仕事をきちんとしていくことは、フリーの仕事の土台にもなる。だから、会社員としてのアウトプットが、不十分だと思われてしまうのは結果としては良くないと思うんですよ。

~夢を持っている必要はない~

就活のとき、なんとなく行きたい企業を選ぶ人もいますが、一方で自分がどうなりたいのか考えて企業を選ばないといけない、と思っている人もいるようです。でも、未来の自分の姿をイメージするのって、けっこう難しい。ですから、よほどのブラック企業であったり、どうしても気が進まない仕事以外は、やってみた方がいいんじゃないかと思います。

自分が実際に体験したことから、なりたい姿というのをちょっとずつ描いていけばいい。なりたい姿を描けないから、と就職浪人するとしたら、個人的には時間がもったいないかなと思います。

私の父もじつは編集者でした。高校生のころ、同人誌に寄稿する文章に、彼が赤字を入れてくれたことがあったんです。だから、自分にとって身近な仕事が「編集者」だったんですよね。そんなこともあって、出版の世界で働きたいと早い段階で思っていました。でも、実は最初の夢は、書籍ではなくて雑誌を作ることでした。それが、最初の仕事で実用書などの書籍を編集することになり、そこからビジネス書を本格的に作りたい、と思うようになって転職して。そのうち、ビジネス書の編集者がビジネスを知らないのってどうなんだろう、と今度はベンチャー企業に入社して……。

こんなふうに、人生のステージが上がるたびに、新しい疑問や、理想が出てきます。実際に働きながら、自分自身のなりたい姿を更新し、やりたいことやりたくないことを煮詰めてくのも、すごく大事かなと思っていますね。

「編集」という言葉の定義を書き換えて、自由にする

「自由を手に入れるということは、そういう「できる自分」を作り上げることであり、自分の変化を積極的に推し進めること、といえると思う」

(森 博嗣著『自由をつくる 自在に生きる』)

これは、好きな本からの引用なんですが、いくつかの仕事に携わっているうちに、「働く中でどんどん自由な部分が増えていったら楽しいな」と思うようになったんです。

私にとっての自由は、「できること」が増えること。それを実現するための一つの手段として、ダブルワークがあると思うんです。

つまり、私が本当に大事だと思っているのは、会社員であるか、ダブルワークやフリーなのか、といった形式的な働き方ではなくて。大切なのは、より大きな自由を得ること。編集者ができることを広げて、編集という言葉を自由にするのが目的なんです。我ながら、急に大きなこと言ってますよね(笑)
編集というと、紙の本を作るという印象が強いと思うんですが、その本質は、カオスになっているものを整理するということ。その力を発揮できる場面というのはもっと多いはず。たとえば、お店のコンセプトを決めたり、商品のPRをしたり、組織の人事について考えるのも、一種の編集と言えるかもしれない。

それこそ、「人生を編集する」といった使い方をされるような言葉になっていったら、ますます面白いなぁと。

編集という能力を使い切ることが私にとっての自由で、編集という言葉が自由になれば、自分自身の仕事の可能性も広がる。

結局、私は編集という言葉の定義を書き換えたいんだと思うんですね。

そのために必要なら、今後、普通の会社員に戻ることも、もしかしたらフリーランス一本に絞ることもあるかもしれません。

働き方を選ぶことに限らない、より大きな自由に近づいていきたいと思っています。

 

気づかれずに主導権をにぎる技術

  • 著者:ロミオ・ロドリゲスJr.
  • 出版社:サンクチュアリ出版
  • 発売日:2017/2/27

(インタビュー:Onizuka・カメラマン:湯川うらら)

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