私たちはどうして小説を読むの? 美人臨床心理士から聞く「小説は心のバロメーター」/女子限定 読書会レポート

ざっくりまとめると…

  • 小説を読むと、価値観が広がる=共感性が高まる
  • 小説は「心のバロメーターになる」
  • <後半>女子限定 読書会潜入レポート

こちらは12/8(木)に開催されたみんなの読書会×本to美女コラボ「自分磨きのための読書会」(女子限定)内のトーク記事です。

湯川:鮫島さんは普段、どんな本を読まれていますか?

鮫島:私は最近だと西加奈子、江國香織かな。小説がやっぱり好きですね。

湯川:どんな基準で読む小説を選んでいるのでしょう。

鮫島:好きな作家さんから辿っていく選び方が多いかもしれません。あと、衝動的に本屋さんで買っちゃったり(笑)。

湯川:それは、あるあるですよね。
では、早速なんですが核心的な質問をさせて下さい。そもそも、私たちはどうして小説を読むのでしょうか。

鮫島:ほんとに難しい質問だと思います。私は、深く考えないで「読みたいから読む!」って体の欲求に従っていますね。現実逃避もあるのかもしれません。
学ぶ、というより、娯楽のために読んでいます。理由がなくても別にいいじゃないって思ってしまいます。

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鮫島 啓(Samejima Kei) 立教大学現代心理学部心理学科卒業、東京大学大学院教育学研究科 臨床心理学コース修了後、臨床心理士資格を取得。人間の心と体の繋がりに強い関心を持ち、日々の臨床に携わっている。敬愛する作家は西加奈子、江國香織。

湯川:私は逆で、動機がないと本が読めないタイプなんです。「この悩みがあるからこの本を読もう」みたいな。ですからどちらかというと、実用書とか、自己啓発本を読みがちなんです。小説を読むことって、一見目的がないように思えてしまうのですが、心理学的にどんなメリットがあるのでしょうか。

鮫島:新しい価値観に触れることで、世界観が広がることは挙げられます。
1冊読めば、作家や登場人物の感性に触れられますよね。例えば、私は小さい頃サン=テグジュペリの『星の王子さま』を読んでも意味がわかりませんでした。でも、10年後に読み返してみたら、じんわりと心にきました。それって、それまでにいろんな本を読んで価値観が広がったから共感できるようになったと思うんです。

湯川:なるほど。価値感が広がれば、いろいろなものに寛容になれるから、心も穏やかになっていきますよね。「いつ、どんな時」に読むかも重要な要素だと思うのですが、鮫島さんは、いつ、どんなシーンで小説を読むのですか。

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湯川うらら(Urara Yukawa) 「本to美女」編集部、企画チーフ。日本インタビュー協会認定イ ンタビュアー。 慶応義塾大学法学部政治学科、同塾のメディア・ コミュニケーション研究所研究員。 フリーライター、カメラマン 。キャトグラファーとして猫を愛でる生活を送る。

鮫島:私は隙間時間に読んでいます。例えば、電車の中で読むのとか!
混んでいる電車の中でも、本を広げれば、私のパーソナルスペースができます。

湯川:え、すごいですね。
電車で本を読む時は、雑音が聞こえたり、周りの世界は見えているのですか。

鮫島:見えていないですね。完全に没入しています(笑)。

湯川:それは、ある意味才能なのでは(笑)。

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鮫島:そういう時間が好きなんです。もちろん皆さんは、私のような読み方をする必要はなくて、自分自身が、「好きな読書の時間」を見つけていくことが大切なんです。カフェでもいいですし、休日でも、仕事の合間の昼休みでも、寝る前のベッドの中でもいいんです。
ONとOFFの時間を作ってみることをオススメします。

さらに、ちょっと心理学っぽいことを言うと、小説は「心のバロメーター」にもなると思います。

小説は心のバロメーター

湯川:「心のバロメーター」とは?

鮫島:読書が、心を計る一つの指標という考え方です。
例えば、疲れている度合いで、読む小説の内容が変わります。私は元気なときは、夏目漱石などの古典文学を読みたくなります。けれど、疲れているときは、心を癒すような現代文学を読みたくなります。本当に辛いとき……読む気力がなくなります。
そういう意味で、小説は「心のバロメーター」的な存在になると思うのです。

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自分はどんな状態のときに、どんな本を読みたくなるのかを知っておくといいかも。
そして、「本が読めない自分の体はSOSを出している」と気が付けば、ブレーキが効き、自分を客観的に捉えることができます。

湯川:それは、めちゃめちゃ新しい考え方ですね!
確かに、私も本当にしんどいときは、読む気力すらなくなります。

鮫島:私は、普段心理カウンセラーとして働いていているのですが、クライアントさんの中には、小説を読む心の余裕がないという方もいらっしゃいます。一方、今ここにいる私たちは、普段気軽に本を開けて、こうやって読書会まで来られる。それってある種、心の健康の証でもあると思うんです。

湯川:なるほど。皆さんも、「読書術を学びたい」「読書仲間を増やしたい」など何らかの目的を持って読書会に参加されていると思いますけれど、こうやって動けること自体が、とても幸せなことなんですね。せっかくのこの瞬間を、大切にしなければと思えてきました。

鮫島:そうですね。
とはいえ、誰だって疲れて読書どころではない!ってことはよくあるので、読みたくなったときに読んだらいいのかな、と私は思います。あと余談ですが、カウンセリングは誰でも気軽に受けられるものなので、よりよく生きるためのツールとしても是非使ってくださいね。

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(12/8(木)上野・ROOTE BOOKSにて)

人と一緒に、本を読むこと。〔女子限定 読書会へ潜入!〕

※ここからは、12/8(木)に開催された「みんなの読書会」×「本to美女」のコラボイベント「自分磨きのための読書会」のレポート記事になります。初めての方でも読書会の雰囲気を掴めます!!

人と一緒に本を読む意味ってなんだろうか。
読書会と聞くたび、私はいつも考える。その答えはあるのか。

鮫島さんと編集部・湯川のトークが終わり、いよいよメインの読書会へ。
おお、緊張してきた……。
今回参加されたのは総勢20名の女性だ。イベントタイトルが「自分磨きのための読書術」とあって、華やかな雰囲気が会場を包む。「これが女子会なのか…」と、見えないキラキラに圧倒された男性編集部員たち。華が集まると、より一層香るとはこのことかもしれない。
当日、男性陣(4名)は黒子のように身を隠し、女性のための読書会を盛り上げた。

まず、会場の雰囲気を見て欲しい。

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上野にあるブックカフェ「ROUTE BOOKS」。
雰囲気の良さが写真からでも伝わるだろうか。
下北沢にある「B&B」とはまた違ったお洒落な空間で、開放感のある印象を受けた。
公式HPにはこんな言葉が

「つくり手から直接お客さまに届けられる場所」として、こんなのがあったらいいな、こうだったらいいなをひとつずつ形にしたのが「ROUTE BOOKS」です。

店主の思いが、会場の随所からうかがえる。
良いお店の条件のヒントが隠れていそうだ。本も棚という概念はなく、置けるスペースにちょこんと転がっている感じ。

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(選書も、テーマごとに設定されていて見やすい。こちらは「植物」の本たち。)

お客さんの様子も見てみよう。
読書会に参加したことのない人でも、雰囲気を掴んで頂けたらと思う。
まずは、記事前半のトークを聞いているお客さんの真剣な表情から。

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話題は「昔は『星の王子さま』の深さを理解できなかった」のあたり。

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じっくり話を聞く人、メモを取る人と様々。楽しみ方は自由だ。

少しでも何かを得ようと話を聞いて下さっていた。
なおイベント後、鮫島さんから「緊張しましたけど、みなさんが真剣に話を聞いて下さって、本当に話しやすかったです。楽しかった読書会でした」とコメントを頂きました!

みんなで雰囲気を作っていくのも、読書会の醍醐味だろう。
ここからは、トークを終えたお二人もイベントに参加。

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おや、出演者の二人もすっかり仲良くなっちゃって。なんとこの読書会、ワインとローストビーフもふるまわれたのです。緊張も解け、すっかり談笑モードへ。

この女子特有の上品な談笑モードが、ワインの香りと共に会場に流れ始める。
そろそろ、読書会が始まるようだ。さあ皆さん、お気に入りの一冊を持ってご参加を。さて、本日はこの方程式の解だけを考えて欲しい。

D(読書会)×JK(女子会)(W(ワイン)+R(ローストビーフ))=?????

この化学反応は何を生成するのだろう。隠れて心が躍っていた男性陣たち。

大体のお客さんはお一人での参加だが、初めて会う人と仲良くできるのだろうか。
それも、本というツールを使って。次の写真を見て欲しい。まぁ、いくらなんでも会って数分の人とコミュニケーションなんて……

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できてるし。

恐るべし。度し難し。
男と女で分けるのはナンセンスな気もするが、男性の読書会でここまで和やかな笑顔になるには時間がかかる気がする。(筆者体感)

D(読書会)×JK(女子会)(W(ワイン)+R(ローストビーフ))=MT(みんなともだち)

はい、答えが出ました。仲良くなろうって、身構えると返って逆効果なのかもしれません。
とても大切なことを学んだ気がします。

以降はただ「読書会」って素晴らしいなって記事になるのでご留意を。

「私もその本読みたいと思っていたんですよ」
「推理小説いいですよね。最近読んだ本だと、何がおすすめですか」
「そんな本よくご存知ですね。勉強になりました」

各グループは本を中心に温かい交流がされていた。
そもそも読書会とは、本好きが集まって交流をするのだから仲良くならない方が珍しいのかもしれない。

もちろん真面目なトーンもある。
別のグループでは、おすすめの一冊をしっかり紹介しているシーンも。

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他のお客さんたちも心なしか、前のめりに。
読書会には自分の守備範囲外の本でも良書を見つけられるチャンスが広がっている。
あと、『生産性』と書かれた本にクスッときてしまった。この画はちょっと面白いけど、絶対に笑ってはいけない。

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休憩の合間には、立って交流も。食事をしながら初めて会う人と話す。なんでもないことだが、読書会って結構面白い。

以上で、女子限定 読書会の潜入レポートを終えるが、いかがだっただろうか。
(※企画は自分たちでしましたが、設定上 潜入レポートです。設定って大事なのです)

お洒落な会場と、本とワインと。
主役のお客さんたちが一体となった華やかさがこの読書会にはあった。
ストリートにいるB-BOYのようなファッションだったカメラマンだけ浮いていたのはさておき、やっぱり「読書会って面白いな」と素直に思えたイベントだったと実感できた。

まだ、読書会に参加したことがない人向けに楽しめる3つのポイントをまとめた。

  1.  否定はせず、価値観を認める
  2.  本だけでなく、交流を楽しむ
  3.  読書会は一番身近な交流イベントだと知る

特に③が大切ではないだろうか。
読書会って固いイメージがあるけど、今回参加してみたら意外と和やかなイメージだったし、何より皆さん良い人だった。読書会って、そう遠いイベントではないのかもしれない。最後に、今回コラボさせて頂いた「みんなの読書会」様とお店「ROUTE BOOKS」様のURLを下記に。

皆さんも好きな一冊を持ち寄って、是非読書会に足を運んではいかがだろう。
「みんなの読書会」は毎回、豪華ゲストを呼んで有意義な読書会をすると評判の会だ。お時間が空いたら、素敵な出会いに繋げてみては?

「みんなの読書会」
https://ja-jp.facebook.com/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E4%BC%9A-689515901094805/

「ROUTE BOOKS」
110−0015 東京都台東区東上野4−13−9 ROUTE89 BLDG.4F
TEL:03−5830ー2666 OPEN:12:00-19:00(水曜定休)
http://route-books.com/

 

(記事・小幡道啓/カメラマン・伊藤広将)

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。