こんばんは!
編集長の森井です!
突然ですが、秘本って知っていますか?
(知らない……)
ではひやしコタツは?
???
部活、文化祭、劇団をやって。そしてかき氷などの屋台を差し置いて、長岡花火大会で本を売った書店を知っていますか?
そう、この一つ一つにつっこみどころのありそうなことは全て池袋にある「天狼院書店」が実際にやった試みなんです!
天狼院書店は、本を売るだけでなく、その先の「リーディングライフを提供する」をスローガンに、2013年にオープン。その後、数々の業界破りの挑戦をし続けてきました。様々な書店が増えてきた中、その中でも異彩を放っている本屋さんです。
詳しくはこちら→「天狼院書店は何がしたいのか。」(店主の三浦さんがほぼ日で糸井さんと対談してます)

その天狼院書店で一昨日、2016年6月23日にQさまでおなじみ、フリーアナウンサーの天明麻衣子さんが一日店長を務め、イベントを行いました。
そして大変恐縮ながら私、森井が対談相手(もちろん99%聞き役ですが笑)を務めさせていただきました!
参考になる話ばかりだったので、その中から特に印象に残った話をイベントレポートとして紹介いたします!
天明 麻衣子 (てんめい・まいこ)
ホリプロ所属。フリーアナウンサー。1989年、横浜市出身。東京大学文学部に在学中、NHK「テストの花道」に出演。卒業後、NHK仙台放送局にキャスターとして2年間勤務する。その後、JPモルガンへ転職。弁護士の夫と結婚し、スペインで1年弱を過ごす。帰国後、フリーアナウンサーとして活動を開始。2015年8月、テレビ朝日「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」の「学力女王No.1決定戦」で初出場にして初優勝を飾り、その後も定期的に出演

店員さん:本日は、フリーアナウンサーの天明麻衣子さんに一日店長としてお越しいただきました!拍手でお迎えください!
お客さん:おおおお!(ぱちぱちぱち)
店員さん:そして本日司会を務めます本to美女 編集長の森井さんです!
お客さん:???
(圧倒的アウェイな空気感)
森井:本日司会をつつつめさせていただきます森井と申します。よよよろよろしくお願いします。。。
天明さんの話を聞きにきたのに、隣にいるやつは誰なんだ空気感にやられ、噛み噛みで始まった天明麻衣子さんの一日店長イベント。
ここで圧倒的アウェイな状況でも成果を出す秘訣を聞き出すこと決意する。笑
天明さんの大学時代、NHK仙台キャスター、JPモルガン、スペインでの専業主婦、そしてフリーアナウンサーとしての今の流れでお話を伺いました。
◆東大→NHK→JPモルガン→Qさま学力王へ。それでも挫折の日々。

森井:早速ですが、この本の帯大丈夫ですか?笑
「親も友達も信じるな」
「結果の出ない努力はムダ」
「他人と比べないと意味がない」

天明:すごい煽ってますよね。父親にこの帯をみられたことが一番恥ずかしかったです。
一同(笑)
美人で東大、NHK、JPモルガン、そしてフリーアナウンサーとなり、Qさまでの高飛車発言。
天明さんのプロフィールを見たとき、率直に思ったことが「なんて世の中から反感買いそうな人なんだ」でした。気が強そうで、挫折したことないんだろうなぁ、そんな風にも思っていました。
しかし、話を聞いていくうちにどんどん印象が変わります。

「どんどん部活で結果出す友達、起業して有名になる知人、キラキラした読者モデル。私、学生時代、自分よりはるかに優秀な人たちの集まりの中で焦っていたんです」
そう、淡々と話し始めた天明さん。そんな時、大学3年生の春に転機が訪れます。
高校生に向けて勉強の仕方を教える「テストの花道」という番組にたまたま知人の紹介で出演することになります。
始めは全然コメントが使われなかったですが、試行錯誤の結果、何度も収録に呼んでもらえるようになったと言います。

例えば、「ノートには、黒と赤しか使いません!」みたいに、TV番組という限られた時間の中でより正確に、わかりやすく、誰でもわかる努力の仕方を伝えます。
「こういうコメントなら伝わるんだなぁと、逆算して考えるようになったんです。そして戦略を練って、収録に臨むと頻繁に呼ばれるようになりました」
戦略と聞くといかにも東大生と思うかもしれないが、どれだけ相手のことを気遣えるかという想像力とも言える。
「アナウンサーってお仕事、素敵だなぁ」
「テストの花道」の出演をきっかけに、マスコミの世界に興味を持ち始めます。
しかし、時はすでに遅し。アナウンサー試験は一般企業の面接よりだいぶ早く、大学3年生の夏のセミナーには内定が出てしまうこともあるのです。
それでも諦めずなんとか大学4年生の冬まで就職活動を続け、そこでNHK仙台のキャスター職に就くことになります。ただ入社したはいいものも、ここでも挫折が待ち受けていました。
◆ダメアナウンサーとしてのレッテル

僕の周りにも何人かアナウンサーになった友達がいますが、みんな小学生の頃から憧れでずっとなりたくてとか、大学に入ってすぐアナウンサースクールに通って原稿読みを練習していた人ばかりでした。
そんな中、大学3年にいきなりアナウンサーになりたいと思い、なれてしまうのもすごいのですが、やはり周りとの原稿読みの差は歴然だったといいます。
「町(まち)と町(ちょう)のミスだけでもクレームの電話がかかってきて怖かった」
「ミスをしないようにすることだけで精一杯だった 」
天明さんがそこで考えたのが、弱みを伸ばすのではなく、自分の強みに時間を投資するという戦略でした。
「苦手を埋めようとするのは優秀な人こそやりがちで、そんなの学生までで十分」
「だから私は、原稿読みは、失敗しない程度に頑張ろう」
「NHKはお堅いけど、その分そこでアドリブを考えて笑わせようとした」
他のキャスターと比べ、経験が浅かった天明さんは、このまま苦手な原稿読みを続けていても自分の価値を発揮することができない。そこで必要以上の努力はしないと割り切ることによって、自分の得意なインタビューや生放送での対応力を伸ばすことができ、周りから評価されていきます。
本の帯で、「結果の出ない努力はムダ」「他人と比較しないと意味がない」などとかなり煽っているなぁと思っていたが、「他人と比べることによって初めて自分の強みを新しく発見ができる」とかなり的を得たこと言っていることに気づきました。
その後、天明さんが次のキャリアに選んだのはなんと投資銀行でした。
◆外資系投資銀行、初の顔採用!?

「投資銀行、初の顔採用と言われてました、ははは」
「フリーで東京でやってく自信はなかったですし、世間知らずにもなりたくなかったので、第二新卒で仕事をして、その後、お金をたくさん稼いだ方がいいじゃないですか。短絡的なんですけど(笑)」
と自分の経歴を冗談交じりで話してくれましたが、ここでも意外な事実が発覚します。
あの天明さん、なんと転職サイトに登録していたらしいのです!笑
「リクナビネクストとか登録してました」
「大学で経済を勉強していたわけではないので、最初は『こんなんじゃ転職できません』と転職サイトの人に言われていて」
「大きな会社の方がいろんな枠があるんですよね。おもしろ枠があって私はそこで」
と気取らずに話し、笑いを誘っていました。
◆エリートコースを歩んできた中、突然の専業主婦へ
そこで知り合った人と結婚し、旦那さんのスペイン留学に1年間付いていくことになります。

森井:僕のイメージ、天明さんは旦那さんについていかない。勝手に行ってきなさいよって。
一同(笑)
天明:投資銀行では、仕事を始めたその日から夜中の1時2時にタクシーで帰る生活で。女性が少なく、結婚してる人もいない。いつ首を切られてもおかしくない。
ここでも、挫折を感じましたね。私はここでは生きていけないと。結婚することになって、相手が留学することに。辞める理由には、いい理由じゃないかなと(笑)
森井:なるほど。でも今までばりばりのキャリアを歩んできていきなり、専業主婦ってもどかしくなかったんですか?
天明:もどかしいですよね。旦那は肩書きが得られるけど、私は何もない。ずっと不安ではありました。ただこうなったら今をもう楽しむしかないと思うようになりました。
森井:そんな留学生活から日本に帰ってきて、なぜまたアナウンサーになろうとしたんですか?
天明:それが、旦那にアナウンサーになったら?と言われたんですよ。君ならいけると思うって。今思えば、「うちの嫁、女子アナだから」そう言いたかっただけなんじゃないかなほんとは
森井:(笑)
◆Qさまも本の出版も、自分から営業して手に入れたチャンス

森井:3年もブランク空いてお仕事あるもんなんですか?
天明:やっぱり自分で取にいかないとないですね。例えば、Qさまだって実は自分から出たいですって言ったんです。
森井:へぇー!
天明:ちなみにこの本も企画書を自分で書いた出版社を何社も回ったんです。編集会議で落とされたこともあって。
森井:そうなんですね!オファーがきたとばかり思っていました。
天明:去年末にあった大学の忘年会で、本書きたい!って編集者をやっている同期に話したら、気付いたら「圧倒的な勝ち組」とこんな仕上がりに。男ウケを諦めましたね。写真集ではなく、こんな本出しちゃって。
一同(笑)
天明:Qさまは、私の所属しているホリプロの企画だったので。それに目をつけたんですよ。
東大VS京大みたいな私が出れるような良いタイミングを待って、自分から言いにいったおかげでやっと去年の8月に出れました。
森井:先月優勝してましたよね!
天明:今週の月曜日も優勝しましたよ。さては見てないですね。
森井:……。す、すみません!
一同(笑)

天明:Qさまでも勝つために戦略がありまして。普通の人は出演者のライバル達が強いときに頑張ろうとするけど、そんなすごい相手がいたらまず私では勝てない。緩そうなときに頑張った方が勝てるし、目立てるんです。ある意味逆算した、出口戦略ですかね。
森井:ここでも自分の勝てるところをしっかりと見極めた上で、行動しているんですね。
天明:東大から大企業にいったわけでもなく、最初からキー局のアナウンサーとしてちやほやされていたわけではなかった私が人生をサバイバルするためには、自分の強みを活かした他の人とは違うオリジナルなキャリアを築くしかなかったんです。
◆私、光明皇后に憧れているんです!

森井:今日お話を聞いていて、天明さんはかなりの努力家だと思うのですが、何かに向かって努力するためには目標が必要だと思うんですよ。今まで様々な難関な試練を乗り越えてきた天明さんオリジナルの何かいい目標の立て方ってあるんですか?
天明:うーん、そうですね。憧れの人を見つければいいと思います。それもオススメしているのは、「漫画の偉人伝」を読むことです。
森井:なるほど。誰か憧れている偉人っていますか?
天明:平安時代の光明皇后です!
森井:そこですか(笑) 坂本竜馬とかではなく。
天明:はい(笑)
皇族以外から初めて皇后についた人なんです。藤原不比等の娘なので、当時藤原氏の台頭を警戒する派閥からかなり疎んじられていたんですよ。でも光明皇后の人柄の力で、民衆の人気を得たんです。
逆境でも毅然とした姿を失わず、どんなときも感謝と優しさをもって周りに接していれば、少しずつ味方は増えていく。そして自分が人に助けてもらったら、それきりにせず、他の助けが必要な人に恩返しをしていく。
私も真似できたらな〜と!
◆最後に

天明さんは僕と話していて高飛車だとか気取っている姿は一切見せなかった。ここで書いていいかはわからないが、高飛車はあくまでキャラであり、プロデューサーやテレビの視聴者から求められていたからこその発言なのだ。
自分にしかできない強みに投資し、相手が求めていることを逆算して戦略を立てた結果なのだ。
テレビの世界という人気商売だからこそ、相手が求められていることを想像して動く。仮にそれが世の中の人からバッシングされるようなキャラだったとしても。
しかし、ここで勘違いしていけないのは、ヒール役でいるためにも普段からスタッフさんや演者の人には丁寧に丁寧に接しなければならないし、天明さんは実際に誰にでも礼儀正しく接していた。
真面目で怖いイメージの天明さんであったが、真面目な話だけではなく、終始笑顔でところどころで冗談や自虐を言い、笑いを誘う様はまさに話し手のプロフェッショナル。僕の手際の悪い司会にも丁寧に答えてくれ、非常にやりやすく、ただただ感心させられっぱなしであった。
周りの人達を誰よりも大切にしてるからこそ、世の中から嫌われるようなイメージだったとしてもまた一緒に仕事がしたいと思ってもらえるのだ。
(文・森井悠太)
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