現代医療が取り入れた瞑想『マインドフルネス最前線』

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マインドフルネス最前線

  • 著者:香山リカ
  • 出版社:サンガ
  • 発売日:2015/10/24

 

マインドフルネス。
それはヴィパッサナー瞑想を主流とする精神医療のひとつです。
うつ病やストレスからくる精神異常に脳科学や医学の力では、なかなか対処しきれない
心の病。今、アメリカの精神医療において瞑想を用いた治療、マインドフルネスが注目されている。

トップクラスのビジネスマンを魅了し、精神医療が注目するマインドフルネスとは一体
何か?
仏教から派生したヴィパッサナー瞑想にルーツがあるとされるマインドフルネスが今、
グーグルやフェイスブックをはじめとしたIT企業の研修で取り入れられつつある。

この本では精神科医の香山リカが4人の専門家、永井均(哲学者)、アルボムッレ・スマナサーラ(初期仏教長老)、永沢哲(宗教人類学者)、熊野宏昭(心療内科医)と対談していき、医療におけるマインドフルネスについて考察していきます。トップアスリートやスティーブ・ジョブズが実践していた禅や瞑想を一度は体感してみて下さい。
きっと心が軽くなるはず。

スポーツ選手の覚醒 ゾーンに入る

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マズローの心理学的な見地では、人間には「至高体験」という領域があるとされています。
それは、意識が完全に覚醒しつつ、自分が自分のしている行為に完全に没頭している状態を言います。スポーツ選手が試合の際に、一気に集中力を研ぎ澄ましてゾーンに入るという言い方をしますね。それが「至高体験」です。

その「至高体験」を体感するための訓練が座禅であり、瞑想なのです。
座禅は心を無にすることで意識を遠のかせ、自己を超越していく。
瞑想は心の中でひとつのことを繰り返し念じることで、自己を
覚醒させていきます。

禅や瞑想を極めた武道家として宮本武蔵が有名です。宮本武蔵は
日ごろから禅の訓練を行い、集中力を飛躍的に構え、剣と身体が
一心一体となっていました。
前から来る敵に注意を向けつつ、後ろの敵にも気づくことができる。
極限まで精神を研ぎ澄ませられなければなりません。

この異常なまでの集中力の向上がアメリカのシリコンバレーで注目されている部分でもあります。グーグルなどのハードワークを必要とされる職場では、集中力の持続が不可欠なのです。

医療におけるマインドフルネス

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前述したように医学の分野でもマインドフルネスは大変注目されています。
とくに「周りの目が気になる」「友人関係がうまくいかない」等、現代の人間社会での精神的な心の病に禅や瞑想が注目されているのです。

仕事に疲れた現代人には、心の置き場所が必要です…それが禅であり瞑想なのではないでしょうか?
私も京都の寺にこもっていた時には、休職中の方や度重なる不幸で鬱状態になられた方とたくさん出会いました。その方々と毎日のように座禅をするなかで、気づいたことがあります。それは自分の身体の状態のことです。

瞑想することは自分の身体に気付くことでもあります。日頃、あたりまえのようにしている呼吸に意識を向けることで、自分の体の状態と向き合い、意識を研ぎ澄ませていく。
呼吸ひとつ取っても、身体の内側に注意を向けることで周囲の雑音を取り除き、
自分と向き合えることができます。
一歩立ち止まって、自分の呼吸音と向き合うのは心地いいものです。

ねつ造されている世界

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人間の感覚で享受されたものは、自分の意識に関係なくねつ造が入っていると言われています。外から聞こえる音ひとつ取っても、この音はカラスの声に違いない、など
過去の体験や経験値、教育、環境などの影響で自分の中でねつ造が入ってきてしまうのです。
その「音」をただの「音」として捉える。ありのままの姿を捉える訓練が瞑想であり、
マインドフルネスです。バッターボックスに入り、集中力が研ぎ澄まされているイチロー選手は、白いボールの軌道を思考することなく、言葉以前の領域で白いボールそのものを見ているのです。

「ボールがある」と頭のなかで言葉にする前に、「ボールそのものを認識」できている。
物事のそのものを認識できることがマインドフルな状態です。
精神医学の領域においてマインドフルネスが注目されているのは、このねつ造を取り除いて、本来の自分を捉えなおす部分ではないかと筆者は考えています。

マインドフルネスは、悟りといった宗教的な境地を意味するのでは決してありません。

脳や身体のこと、さらに自分の周囲で起きているすべてのこと一つ一つに目を向けさせることによって、その人がいる世界をぐっと広げ、本来の力を十分に発揮できるようにする
方法。それがマインドフルネスです。

その人を変えるのではなく、自分を解放して本来の姿を取り戻す。社会の枠組みにおいて、ねつ造が入った自分の思考をいったんリセットする訓練なのです。

あらゆる偏見やストレスでゆがんでしまった精神、ねつ造された自分の世界をいったん
見つめ直す時間を我々は必要としているのではないでしょうか?

参考文献
「ブッダの瞑想法 ヴィパッサナー瞑想の理論と実践」地橋秀雄
瞑想の仕方など詳しく書かれた良書。初心者にはわかりやすい。

今日のポイント

  • 瞑想を通じて、自分の呼吸音に目を向ける。自分の体に意識が研ぎ澄まされることで、集中力が飛躍的にアップする。
  •  日頃、あたりまえに行っていることに目を向ける。呼吸ひとつとっても注意を向けるだけで、心のありようが変わってくる。
  •  自分がみる世界は偏見とねつ造であふれている。飛んでくるボールも、ボールそのものの姿を認識できるトップアスリートたちを見習う。

マインドフルネス最前線

  • 著者:香山リカ
  • 出版社:サンガ
  • 発売日:2015/10/24

 

モデルプロフィール

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名前:副島加奈子
生年月日:1994/08/31
出身地:広島県
職業:法政大学
趣味:海外旅行
Twitter:@jam43520831

(カメラマン・横須賀馨介)

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