代表的英国人『チャーチル・ファクター』

チャーチル・ファクター たった一人で歴史と世界を変える力

  • 著者:ボリス・ジョンソン (著), 小林恭子 (翻訳), 石塚雅彦 (翻訳)
  • 出版社:プレジデント社
  • 発売日:2016/3/30
たった1人で世界の歴史を変えた男。
ウィンストン・スペンサー・チャーチル。1940年代の戦時中にあったイギリスを強靭なリーダーシップで救った首相として有名である。
 
著者はロンドン市長を務め、現在も政治家のボリス・ジョンソン。彼はイギリス人は誰もがチャーチルの話を知っているが、チャーチルの本質は知らないと説く。さらに言えば、日本人でチャーチルの魅力を話せる人間は多くはいないだろう。
イギリスがEU離脱した今こそ読むべき一冊だと推薦する。
 

並外れた才能

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まず言っておかなければならないことがある。
チャーチルには並外れた才能があった。
 
言葉の才である。
 
事実、チャーチルは演説の名手であり、昨今まで政治家という政治家が彼のyoutubeを再生し、その肉声を参考にしている。
 
以下、有名なフレーズを引用する。
人類の対立の歴史において、かくも多くを、かくも多くの人間が、かくも少ない人間によって救われたことはなかった
と、英空軍のパイロットたちに捧げた言葉だ。
 
一見なんてことはないのだが、著者はこのフレーズを「非の打ち所がない」と評している。修辞学から見ると、典型的な下降型三重文肢構造(トリコロン)であると。
 
So much been owed by
(かくも多くを救われた)
 
So many to
(かくも多くの人間が)
 
So few.
(かくも少ない人間に)
 
どんどん単語が短くなっていき、聴衆の耳に残るリズムだ。チャーチルの演説には特徴がある。
それはかのキケロの演説のように、文語的であるということだ。
 
例えば、ヒトラーは胸の奥底に眠る怒りをエモーショナルに伝える印象を受けるが、チャーチルは一つ一つの言葉がまるで作家のように美しい。
 
それもそのはず。チャーチルは1953年にノーベル文学賞を受賞する程の文筆家だったからだ。
 
20世紀は戦争の時代と言うべき意見もあるが、各国の首相に着目すると、演説による「言葉の戦い」だったとも解釈できる。
何故なら、言葉によって国民は活気づけられ、言葉によって軍は進軍するからだ。その言葉の才が、チャーチルにはあった。
 

代表的英国人チャーチル

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著者はイギリスを象徴する4つのキーワードがあると言っている。イギリスに関係のある読者には失礼かもしれないが…。
 
ユーモア・大酒のみ・肥満・変わり者。
 
この4つである。
そして、チャーチルの山高帽の下にはこの4つの特徴が全て当てはまっていた。
まず、外見は分かりやすくデブだ。「ブルドッグ」というあだ名もついていたチャーチルだが、意外にもイギリスは世界第二位の肥満大国である。そこに、大酒のみ。酒を飲んで太るのだから、これは自然と言える。
 
そして、チャーチル最大の魅力の一つとも言えるユーモアが英国人らしい。
著者が抜粋したチャーチルのジョークの中から、私が気に入ったものを紹介する。
 
アメリカで講演旅行中に冷たいフライド・チキンを出されたときのことだ。「胸肉をいただけますか」とチャーチルは女性の接客係に言ったらしい。「チャーチル殿、アメリカではムネ肉、モモ肉とは言わず、白身の肉、赤身の肉という表現を使います」と彼女が答えた。翌日、その接客係の女性は主賓のチャーチルから見事なランの花を受け取った。花に添えられたカードにはこう書いてあった。「これをあなたの”白身の肉”の上につけていただければ光栄です」。 
 
これは本当の話だ。
チャーチルは負けず嫌いであり、ユーモアを常に大切にしていた。ユーモアと言えば、チャーチルはいつも帽子を被っている。
チャーチルに嫌いな帽子はない言われるほどの帽子持ちだったらしい。ときには、つばが鳥のように広い帽子も被っていたらしく、政治家仲間からは趣味が悪いと陰口を叩かれることもあったのだとか。
 
選挙の際、英国を代表する4つの
ユーモア・大酒のみ・肥満・変わり者を備えたチャーチルに英国人は大変共感しやすかったのかもしれない。
 
他にも、本書は500ページにわたってチャーチルの本質が書かれている。『チャーチル・ファクター』の真の目的は
「チャーチル・ファクター」つまりチャーチル的要素とはつまるところ、「一人の人間の存在が歴史を大きく変え得る」ことを意味する。
と書かれている。「英国のブルドッグ」に少しでも興味も持ったなら、EU離脱の背景を知りたいのなら、手にとってみるべき一冊であろう。

チャーチル・ファクター たった一人で歴史と世界を変える力

  • 著者:ボリス・ジョンソン (著), 小林恭子 (翻訳), 石塚雅彦 (翻訳)
  • 出版社:プレジデント社
  • 発売日:2016/3/30

モデルプロフィール

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  • 名前:山田涼子
  • 生年月日:1998/9/7
  • 出身地:千葉県
  • 職業:学生、モデル、カウンセラー
  • 趣味・一言:趣味は読書とカラオケです。悩み等ありましたらお気軽に! 
  • 最近の悩み:寝すぎてしまう
  • Twitter:@ShinriRiko

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。