後悔しない生き方『100万回生きたねこ』

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

  • 著者:佐野洋子
  • 出版社:講談社
  • 発売日:1977/10/19

 

初版が発売されてから40年近く経った今も、高い人気を誇っている『100万回生きたねこ』。
みなさんも一度は読んだことがあるのではないでしょうか?
この絵本が名作として版を重ねる理由は子どもだけでなく、大人も楽しめる絵本だから。
いや、大人になったからこそ意味がわかる絵本だからなのです。
小さい頃に読んだきりという人は、今回をきっかけに、ぜひもう一度『100万回生きたねこ』を開いてみてください。

愛されたって、孤独なねこ

2

<100万回も しなない ねこが いました。100万回もしんで、100万回も 生きたのです。りっぱな とらねこでした。100万人の人が、そのねこを かわいがり、100万人の人が、そのねこが しんだとき なきました。ねこは、 1回も なきませんでした。

ある時は、王さまに。
ある時はサーカス団に。
ある時は、おばあさんに。
ねこは飼い主が代わるたびに、さまざまな愛され方をして、さまざまな死に方で死んでいきました。それなのに、ねこはだれのことも好きにもならず、涙を流すこともしなかったのは、なぜでしょうか?
ねこを飼った人が、ねこに自分の愛を押し付けているだけで、ねこの気持ちを汲み取ろうとしなかったせいでしょうか?

好きではなかった、でも自慢な人生

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あるとき、ねこは だれの ねこでも ありませんでした。のらねこだったのです。ねこは はじめて 自分の ねこに なりました。ねこは自分が だいすきでした。なにしろ、りっぱな とらねこだったので、りっぱなのらねこに なりました。

ねこは100万回目でようやく誰のものでもなく、自分のものになりました。
誰にも指示されない、自由な人生を手に入れたのです。
そうしてはじめて、自分以外に興味を持ちました。

ある日、ねこは、白いねこの 前で、くるくると 3回 ちゅうがえりをして いいました。「おれ、サーカスの ねこだったことも あるんだぜ。」白いねこは,「そう。」と いったきりでした。「おれは、100万回も……。」と いいかけて、ねこは、「そばに いても いいかい。」と、白いねこに たずねました。

これまでの生活を嫌っていたのも関わらず、ねこは白いねこの興味を引くために、過去の人生で見てきたものや生きてきたことを自慢げに話してみせます。
しかし、白いねこはつれない素振り……。
過去にどれだけのことをしてきても、大切なのは今ということなのでしょうか?

失う側のつらさを知る

1

ねこは、白いねこと たくさんの 子ねこを、自分よりも すきなくらいでした。(中略)ねこは、白いねこと いっしょに、いつまでも 生きていたいと 思いました。

ある日、白いねこは、ねこのとなりで、しずかに うごかなく なっていました。ねこは、はじめて なきました。夜になって、朝になって、また夜になって、朝になって、ねこは100万回もなきました。朝になって、夜になって、ある日のお昼に、ねこはなきやみました。ねこは、白いねこの となりで、しずかに うごかなくなりました。ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした。

100万回生きてはじめて誰かを愛して涙を流したねこ。
そして、とうとう生き返ることはありませんでした。
天国で白いねこと仲良くやっているので、生き返る必要がなくなったのかもしれません。
ということは、何度も生き返ったのは満足した人生を送ることができなかったからなのでしょうか?
このねこは何度も生きることができましたが、私たちに与えられたチャンスはたった一度きりです。

改めて読むと考えさせられるポイントがいくつも見つかる『100万回生きたねこ』。
読んだ回数分だけ感想や疑問が出てくるところも魅力の一冊です。

しっかりと誰のものでもない自分の人生を生きて、大切なものをみつけなければいけませんね。

こんなお悩みを解決!

  1. 好きでもない人から好かれる。好意だから無下にもできない……。
    →お気持ちお察しします。
    好きでもない人から好かれたって正直、ありがた迷惑ですよね。
    でも、相手だって迷惑がられるのは不本意のはず! 思い切って本心を伝えるのがお互いのためかもしれません。もちろん、言葉選びは慎重に。
  2. やりたいことができていない。このままだと悔いが残りそう。
    →長い人生そんな時期もあります。今はやりたいことでなくても、誇りをもってやっていれば、おもしろさをみつけることができるかもしれません。みつけられなくても、続けることで自信がつながります。
    やりたいことをみつけるまでの準備期間だと思って頑張ってみてはいかがでしょう?
    ただし、一度きりの人生ですから耐えきれなくなったら離れるのもアリです。

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

  • 著者:佐野洋子
  • 出版社:講談社
  • 発売日:1977/10/19

モデルプロフィール

Hasegawa_profile
  • 名前:長谷川あかり
  • 出身地:群馬県
  • 職業:学生
  • 受賞歴:ミスお茶の水大学準グランプリ
  • 趣味:ダーツ
  • 最近の悩み:お酒と記憶力の関係について

(カメラマン・横須賀馨介)

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本to美女選書

WRITERこの記事を書いた人

石橋 愛加

5人兄弟の末っ子に生まれ、親兄弟にべたべたに甘やかされて育った生粋のゆとりGirl。「恋がしたい!」が口グセなくせにいつも女友だちとつるんでいるので、浮いた話はない。仕方なく少女マンガや恋愛小説で自家発電して、なんとか今日を生きている。好きなマンガは『シュガーズ』いつかあんな恋ができると信じている。