嫉妬でチャンスを掴め『中卒の組立工、NYの億万長者になる。』 

中卒の組立工、NYの億万長者になる。

  • 著者:大根田 勝美
  • 出版社:角川書店
  • 発売日:2013/1/25

先週のテーマ「下流の生きざま」
前の堀之内九一郎の『どん底を生き抜く法』から、どん底からの這い上がりを見ていただける。堀之内は高卒で成功したが、本日は最終学歴の中卒からの這い上がりだ。

大根田勝美は最低学歴の中卒からオリンパス組立工へて億万長者となる。
このサクセスストーリーには、下流にいながらも真面目に奮闘し、成功するまでに学んだ様々な教訓が詰まっている。

底辺の醜い嫉妬

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太平洋戦争の戦火に巻き込まれ、大根田一家は長野県に疎開する。親戚や身寄りもなく、仕事もない田舎で、一軒家に5世帯がひしめく貧乏生活であった。一家は常に腹の虫が鳴り、同級生にはからかわれバカにされる中、なんとか食べるものを手に入れようと奮闘する。

そんな底辺の生活を抜け出たのは、姉の紹介によりオリンパスの組立工として採用されてからだ。まともに働き始めるが、胃を壊して2/3を切除する手術を受ける。ところがこれが手術不要の誤診であったことがわかり、著者は胃腸に関する資料を読み漁って勉強する。これが後々活きてくる。

工場で黙々と修理し続ける毎日。海外からの研修生にこれ見よがしに英語で雑談していた輩がいた。「輸出部」の大卒社員たちだ。
中卒である自分とは対照的であった。器械の組立方法などを通訳している時も、私を完全に馬鹿扱いしているのは手に取るようにわかった。格好も気に食わなかった。コンプレックスや、英語で楽しげに話しをしていたことへのジェラシーもあった。エリートの輸出部の連中に対する反発心は、日増しに大きくなっていった。

そんなある日、彼らの姿を見ているうちに一つの考えが自分の中に閃いた。「自分が英語を話せれば、輸出部のやつらも大きな顔はできなくなる。英語を使えるようになれば仕事自体が変わってくるんじゃないだろうか」
気づけば体が自然と動いていた。貯金5万円をはたき、英語学習のレコードを買い、毎朝1時間聴き、ノートに書き写して通勤中に暗記。寮の天井や壁に120もの慣用文を書いた紙で埋め尽くす。

24時間365日英語漬けの日々を過ごし、1年後会社の英会話教室でそれを披露し皆を圧巻させた。そこには人事部の目を意識した計算もあり、見事海外勤務の栄冠を勝ち取る。

こうして中卒の組立工出身としては、初めて別格だった米国駐在員の座を手に入れ、64年に渡米した。

チャンスの神様を見逃すな!

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自身が胃の病気を患ったおかげか、オリンパスのガストロカメラ(胃カメラ)の販売を行うことになる。当時はまだ、日本製品への偏見があった。初対面で医師に、強烈な印象を与えるにはどうすべきかを考え、自らの胃潰瘍の手術跡を見せ、「若い時にこの内視鏡があれば、僕の体はこうならなかった」と熱弁した。

当時のアメリカ人の営業は不親切なもので、著者の熱意の持った営業は顧客の支持を受け成功していく。
その結果、事業は軌道に乗り、部下を抱えるようになった。米国で5年目の春、東京にいる同年齢の大卒組は主任に昇格。好成績を残しているはずの自分には何もなく、「どんなに頑張っても、中卒入社というだけで報われないのか」と絶望し退社。

その後、医療機器メーカー町田製作所から声がけがあり会社を立ち上げる。このとき、人生を決める出会いが訪れる。身長190cmはある巨漢のルイス・ペル。彼はユダヤ人でウォール街で名をあげたトレーダーだった。
ここから、ルイスとの二人三脚が始まり、「カテーテル」技術などの医療分野での起業をサポート。

この事業が順調にいくと、大手企業に買収され、大金が転がりこむ仕組みになっている。
ルイスの人や商品の情報網。著者の資金収集力や会社を立ち上げる技量。二つの力が相乗効果となり、巨万の富を築く。
2006年には、著者が築いた資産は100億円以上。その後はビジネス界から退き、ニュージャージーに豪邸を建て悠々自適な生活を送った。

著者である大根田は後にこう語っている。

「チャンスの神様」はコンプレックスやジェラシーでも掴み取る事ができる。
チャンスの神様は、いつもすごいスピードで走り続け、時々、自分たちの方にも向かってくる。成功するには、このチャンスの神様をつかまえなきゃならない。ただし、この神様、前髪はフサフサなのに、頭の後はツルツルだから、来た時にはパッと反応し、すぐに捕まえないと、手遅れになってしまう。

私はこのチャンスをコンプレックスとジェラシーを原動力とした努力で掴んだ。自身の弱さと向き合えたとき、人は何倍もの力を発揮できる。

中卒の組立工、NYの億万長者になる。

  • 著者:大根田 勝美
  • 出版社:角川書店
  • 発売日:2013/1/25

モデルプロフィール

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  • 名前:池上桃音
  • 生年月日:1994/9/29
  • 出身地:東京都
  • 職業:慶應義塾大学法学部法律学科
  • 趣味・一言:歌をうたうこと、映画鑑賞、読書 
  • 最近の悩み:卒業までやりたい事がたくさんありすぎること
  • Insta:@moneikegami
(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

タバオ

大学受験に失敗し、1年浪人するも不合格。コンビニ、土方、ヒーローショウ、環境調査隊、家電量販店のアルバイトを経験するが、やがてはニートにまで落ちる。だが、失うものがないからこそ、開き直れる! 高卒だっていいじゃない。ニートだったからって何なのさ! よく読むのは、歴史小説と漫画。好きな歴史小説『播磨灘物語』、漫画『NHKにようこそ!』。