「奪われる側」から抜け出すために『ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!』

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ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!

  • 著者:堀江 貴文
  • 出版社:小学館
  • 発売日:2016/9/3

堀江貴文が長年愛読している漫画がある。『闇金ウシジマくん』

主人公・丑嶋(ウジシマ)が経営する、闇金業者「カウカウファイナンス」を取り巻く債務者の内面を、リアルにかつ時にグロテスクに描いた作品である。

「世の中は奪い合いだ。奪(と)る奪られるかなら、俺は奪る方を選ぶ!」
ウジシマが第一話で自分に言い聞かせるように言った放った一言だ。ウジシマの一言には、闇金の経営者というカネ儲け的な一面だけではなく、人生のあらゆる場面で搾取する側になる、という強い意志が感じられる。

思考が浅かったり、ラクな判断ばかり続けたり、何でも他人任せにした結果、カネも仕事も、そして人生までも、何者かに吸い取られてしまい、破滅の道へと進んでいく。
誰だって「奪られる方」にはなりたくないはずだ。

本書では、『闇金ウシジマくん』の様々なシーンを題材に、世の中の人たちが、なぜいとも簡単に「奪われる方」に回ってしまうのかを解明し、「奪われる側」から抜け出すためのメソッドを説いたものだ。

転落しても人生には必ず好転チャンスがある

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裏切るヤツは裏切るし、裏切ったヤツが必ずしも報いを受けるとは限らない、と著者は言う。
ライブドア事件のような過去がありながらも、著者はなぜそのような考えでいられるのか。

一度は信用した相手でも、裏切るヤツは裏切る。なぜそう考えているのか。人間というものをシニカルにとらえているからではない。
私は、人は常に変わっていくものだと思っている。裏切るという行為は、人はいつも同じ状態にはいないということの証明だ。
逆説的な言い方になるが、裏切りを認めるというのは、人の可能性を信じているからなのかもしれない。

善人だろうと悪人だろうと、得ている情報、経済力の推移など、さまざまな環境によって、人は変わる。いい方にも、悪い方にも変われる可能性を秘めているのだ。

この世のたった一つの真理は、諸行無常だと著者は言う。
同じ状態のものが何年も何十年み続くことなどあり得ない。ビジネスや人間関係だってそうだ。それなのに、同じことを平然と当たり障りなく続けて満足している人が多すぎる。

自分自身の心だって、その真理の例外ではない。
裏切るヤツは、もともと裏切るような悪人だったというより、やむにやまれぬ何らかの状況の変化に、対応しただけなのだ。ウシジマにカネを借り、破滅していく人たちにも、転換点はあった。

厳しい状況に置かれていたが、心を入れ替え、この先の人生を劇的に好転させる可能性はゼロではなかった。
フィクションではあるけれど、人は必ず変われるという意味では、彼らも私たちも、チャンスを奪われることは絶対にないのだ。

“グリップ”されないための実践的メソッド

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カリスマ性のある権力者は、人を心を掴む力、”グリップ力”を持っている。
しかし、グリップされる相手が必ずしも善人であるとは限らない。では、他人や組織にグリップされないためにはどうすればいいのか。

本書で語られているメソッドは主に二つ。

一つ、複数のコミュニティに属すること。
複数のコミュニティに所属することで視野を広げ、一つの居場所に固執しないようにすることが、グリップされないために大事なことである。

二つ、過去を忘れ去ること。
過去に執着しているということは、その時点で何かにグリップされているということだ。いつまでも過去のことに気を取られていると、思考パターンが単純化して余計に過去に執着するという悪いスパイラルに陥ってしまう。「いま」この瞬間の自分をグリップするものは、何もないのだということを意識して、常に変われる自分も持っておくことが大切だ。

「人生は金じゃない」、この使い古された言葉をあえて著者・堀江貴文が、サブタイトルに採用したのは、世の中には、まだまだ「人生は金だ」という人が大多数を占めている現実に気づかせるためである。

ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!

  • 著者:堀江 貴文
  • 出版社:小学館
  • 発売日:2016/9/3

モデルプロフィール

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  • 名前:中山美織
  • 生年月日: 1993/12/13
  • 出身地:東京都
  • 職業:早稲田大学
  • 受賞歴:ミス理系2013特別賞
  • 趣味・一言:アニメ、映画鑑賞、一人旅 
  • 最近の悩み:実験に飽きた
  • Twitter:@miori_micharyo
  • Insta:@miori_micharyo
(カメラマン:伊藤広将)

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

タバオ

大学受験に失敗し、1年浪人するも不合格。コンビニ、土方、ヒーローショウ、環境調査隊、家電量販店のアルバイトを経験するが、やがてはニートにまで落ちる。だが、失うものがないからこそ、開き直れる! 高卒だっていいじゃない。ニートだったからって何なのさ! よく読むのは、歴史小説と漫画。好きな歴史小説『播磨灘物語』、漫画『NHKにようこそ!』。