ジャギのようにしぶとく生きろ!『下流の生きざま』

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下流の生きざま

  • 著者:武論尊
  • 出版社:双葉社
  • 発売日:2013/7/17

“社会には、上流も下流もない。人間はすべからく平等である”と、心ある優しい方はいう。これは残酷な優しさだ。
思えばずっと耐えてきた。小さい頃からずっと我慢を強いられてきた。
妬み、嫉み、やっかみを“恥”という言葉で必死に押し隠し、カラ元気に生きてきた。見上げると、自分とは正反対の眩しい世界がそこにはあった。嘆いても呪っても変わらない現実だった。社会は平等でも公平でもない。歴然と存在する格差のなかで私たちは生きている。

著者・武論尊は漫画原作者である。数々のヒット作を生み出してきた。そのキャラクターたちには共通点がある。どの作品にも格差にもがく男たちの生きざまが描かれている。著者・武論尊はずっと“下流”で生きる男たちを描いてきた。

その男たちの魂の言葉を聞いてみよう。

男たちの名言 生きざま編

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著者・武論尊、最大のヒット作『北斗の拳』
この作品に「ジャギ」という男がいる。武論尊が生み出したキャラクターのなかでも一番好きかもしれないと言っていた。この男がいなければ本書は出ていなかっただろう。

ジャギは“兄より優れた弟など存在しない”という信条である悪漢。弟であり主人公のケンシロウが自分より優秀であるため悪逆非道の限りを尽くす。
そんな格差に苦しむ漢の魂の名言がある。

「おれの名をいってみろ!!」 

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出典 『北斗の拳』原作:武論尊 作画:原哲夫/集英社

「おれの名をいってみろ!!」に哀しみが込められている。

これは世の中に認められた男の叫びだろう。例えるなら暴走族とまったく一緒だ。マフラーを改造して、デカい音で街を走るのは「オレを見てくれ!」って言ってるものだ。本当は認めてもらいたいんだけど、認めてもらえない人間の自己アピールだ。

ジャギは弱くはなく無能でもなかった。だが、あまりにも他の兄弟が強すぎた。そのため、誰も彼を認めてくれない。しかも、本人がそのことを一番わかっている。ジャギはそのことがコンプレックスになって、強さに対する憧れと、自分がいま置かれている状態の哀しさから、このセリフを言った。

ジャギにしろ、暴走族にしろ、エネルギーの発露の方法をちょっと変えるだけで、いい働き手に絶対なる。ジャギは兄弟がとてつもなく凄くて屈折してしまったけれど、それでも「おれの名をいってみろ!!」と叫ぶ意地が残っている。兄弟とは力の差があるのはわかっている。それでも、ジャギはそこで人生を投げ捨てない。なんとか誰かに認めてもらおうとして、最後の意地で足掻いている。

男たちの名言 仕事編

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『北斗の拳』に著者の哲学がふんだんに盛り込まれている。「ファルコ」の名言にも込められた著者の“下流の生きざま”が垣間見える。

「魂は這ってでも前へ進む」

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出典 『北斗の拳』原作:武論尊 作画:原哲夫/集英社

どんな人でも、人間が持ってる魂までは潰せない。
サラリーマンや肉体労働をしている人ならわかっていただけると思うが、普通は上司を選べない。上司に恵まれている人もいるだろう、大概はそうじゃないはずだ。嫌な上司に、ヤセ我慢しながら振り絞るように「わかりました」と返事をしていると思う。嫌な上司にムカつきながらも従って。そういうときでも、魂までもくれていないだろう。それはやっぱり意地であり、絶対に曲げれないとこだ。

やはり、「いずれ見てろ!」という気持ちは大事である。著者は確信のない自信をずっと持ち続けていた。そのおかげか漫画原作者として成功したのだ。確信のない自信は一歩を踏み出す動機になりうるということだ。

著者は決して“下流”を卑下にはしない。むしろ可能性を持っているのだ。オレたちは失うものは何もない。当然だ。最初から何も持たされていないのだから。

ならば上るしかない!これは下流の特権なのだ。たとえ、それが一瞬の煌きでも・・・

下流の生きざま

  • 著者:武論尊
  • 出版社:双葉社
  • 発売日:2013/7/17

モデルプロフィール

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  • 名前:真奈
  • 生年月日:1994/1/16
  • 出身地:静岡県
  • 職業:タレント
  • 趣味・一言:愛してください♩
  • 最近の悩み:やせない
  • Twitter:@manatmnt
(カメラマン:伊藤広将)

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

タバオ

大学受験に失敗し、1年浪人するも不合格。コンビニ、土方、ヒーローショウ、環境調査隊、家電量販店のアルバイトを経験するが、やがてはニートにまで落ちる。だが、失うものがないからこそ、開き直れる! 高卒だっていいじゃない。ニートだったからって何なのさ! よく読むのは、歴史小説と漫画。好きな歴史小説『播磨灘物語』、漫画『NHKにようこそ!』。