アイデアの道具、あります。『考具 考えるための道具、持っていますか?』

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エイプリルフールまでに企画力を鍛えるぞ強化期間3冊目。これまで

発見する力
『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』
たくらむ力
『たくらむ技術』

と、学んできました。アイデアの大切さは分かりましたが、問題は「どうやって」おもしろい企画を思いつくか……。やり方を教えてくれよ、話が進まないよって感じですよね。

安心して下さい。今回、ご紹介する本は「HOW」論に特化したより良いアイデアが生まれるためのツール本、その名も加藤昌治『考具 考えるための道具、持っていますか?』

広告代理店で長らく企画屋をやってきた著者が送る「考具」とはどのようなものなのか。まず、企画ってそもそもなんですか?ってところから教えてくれます。

Point1.わがままでいいんだよ。

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アイデアマンたるもの、わがままであれ。

著者は、デザイナー:川崎和男さんの言葉「デザインはわがまま→思いやり」を引用し、自分自身の欲求に耳を傾けることが大切だと語ります。

今、目の前にある課題に対して、あなた自身はどうしたいのか?

この問いかけが、すべてのアイデア・企画の出発点です。

考えるのに制約がどうだ、会議だ、周りがどうだと柵が多すぎる気がしませんか?
そうじゃない。まず、あなた自身はどうしたいのか。この思いなくしてGOODアイデアは生まれません。わがままになってください。素直に、こうしたらおもしろい! という心を殺さないで欲しい。

そして、次に思いやり。
自由奔放なアイデアを、形としてまとめます。このアイデアはクライアントの課題はきちんと解決できるか、誰かを幸せにできるか、環境・制約にも対応できるかブラッシュアップしていく作業です。

わがまま→思いやりが、企画の基本です。

Point2.~情報収集編~

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これから実践的な考具をいくつか紹介していきますが、これをまず念頭に入れてください。

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」

有名なベストセラー『アイデアのつくり方』(ジェームス・ウェブ・ヤング著)で提示されたアイデアの定義です。どんなアイデアも何かを参考に生まれていますし、ゼロから作るのはもはや神の所業。完璧な悪役、ダースベイダーだって伊達政宗の兜を参考にしたと言われています。

つまり、新しいアイデアを生み出すコツは
×ゼロから湧いてくるひらめき
○既存と既存の組み合わせ

と、いうことが大前提です。では、既存と既存を組み合わせるために、どれだけ情報を集められるか。良質なアイデアは、良質な情報からしか生まれない。
ここからは、特にご紹介したい考具をピックアップしてお届けします。

考具①カラーバス
英語でcolor bath。色を浴びる、という意です。方法は至ってシンプル。朝起きたら、今日のラッキーカラーを決める。僕は黒が好きなので、とりあえず黒にしてみましょうか。あとは一日、黒に注意してモノを見る。ただこれだけです。そのまま会社に行ってください。

すると、「黒」ってだけで体が不思議と反応します。僕もやってみたのですが、普段絶対気が付かないだろうな~って発見がたくさんありました。例えば黒のベンツ。

黒、しかもベンツってことでヤバさMAXですが、ナンバープレートに目がいきました。8の数字が多い気がします。おそらく、黒ベンツ族は縁起を大切にする風習があるのでしょう。(あと、ゾロ目か数字1つのみが多かったです)

これに気がついた瞬間、社会から消されそうな恐怖に駆られましたが、プラスの発見がありました。黒と白のベンツは多いけど、原色カラーが意外と少ないんだなぁってこと。調べたら緑のベンツはちょっとレアらしいです。

次に、夜の圧倒的黒さ。これ、改めて考えるとすごいです。白昼堂々と外を歩いていたのに、夜になると真っ黒。外に出たいとさえ思いません。黒の力を思い知りました。

ん? ベンツ理論でいくと黒の夜より、原色の夜があったらレア度が高いんじゃないか。あ、オーロラか! オーロラの希少性をベンツ理論で説明できるかも! なんてアイデアが浮かびました。くだらないですね。

カラーバスの面白さは、一見全く関係のないモノ・コトが「同じ色」ってだけで一括りにされてしまうところ。自分の関心の枠を超え、普段全く見ないものにも注意が向けられます。

考具②臨時新聞記者
情報は足を使って集めるものだと、新聞記者たちは言います。今のスマホデジタル時代にはちょっと古いですかね? いいえ。

著者は、目前の課題を突破するために、コンパクトかつスピーディーに情報が欲しいときの考具だと語ります。あなた自身が臨時の「新聞記者」になって、課題解決のヒントを求めて現場に
行くことで開ける。取材こそ、生きた情報だと。

こちらの考具も、試してみました。
スーツの知識が欲しかったとき、それも特上の。とある記事を書く際に、どうしても情報が必要だったのです。そこで、スーツ売り場である「現場」に取材しに行きました。

それも、スーツの中でも超高級とされている「dunhill」へ……。

もちろん、お客として来店します。が、お金は交通費ぐらいしか持ち合わせていません。
「今度、ボーナスが入ったらdunhillを考えていまして~」

なんて言いますが、一着たりとも買えません。オーダーで30万円からでした泣泣泣。
それでも、店員さんとお話しながら生地の質・産地の特徴・日本人に似合うシルエット・dunhillはどんな人が買うのか・今後はどういうラインナップを展開していくのかと色々教えて頂きました。(新宿のdunhillさん、その節は本当に……)

結論、行ってよかったと思っています。
この臨時新聞記者、かなり使えます。例えば販促案を任されれば売り場に行く、生産工程改善なら工場へ行くなど、あらゆるシーンで使えると実感しました。就活のOB訪問なんて、まさにこれじゃないでしょうか。

Point3.~アイデア展開編~

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次に、集めた情報を元に、今度はアイデアを展開していく作業です。有名どころのブレーンストーミングみたいな手法でしょうか。ここでは、プロの広告マンたちが使っている手法をご紹介します。どんどんアイデアを広げていきましょう!

考具③アイデアスケッチ(手書き)
アイデアの素を広げていくには、スピードとフレキシビリティが必要です。
この手法はPCではなく、手書きで紙にアイデアをスケッチしていくものです。基本的に、1枚に1アイデア。それも、文章にする必要はありません。わか~りやすく一言でタイトルを。
例えば……

格付けレストラン
出されるメニューは良いor悪いのランダム。良い料理を見抜けばお代はタダ

渋谷幽霊フェス
最近の幽霊は死んでもおしゃれな格好をしているはず

Kindle for 愛読書
紙で買った本で気に入ったら電子版でも安価で買える

などなど、実現度は一旦無視してバンバン数を打っていってください。考具~情報収集編~が活きてくるはずです。頭のアイデアを紙に書いてしまえば、客観的に見れる上に、そのアイデアに囚われず次を考えることができます。アイデア展開において、固執はご法度です。

考具④連想ゲーム
誰しも一度はやったことがあるのではないでしょうか。あの連想ゲームです。
通常は複数でやるゲームですが、これが意外とぽんぽんアイデアが湧いてきます。
やり方は簡単で、課題を決めて連想ゲームを始めるだけ。今回は、新入社員向けの研修内容を決めてみましょう。

「連想ゲーム:新入社員研修」

入社日は春だな→春といえばお花見→ブルーシートの確保大変っすよね→同じシートに座った人は仲良くなる→チーム制にして企画コンペでもやらせようか(ここメモ)→コンペってゴルフっぽい→スポーツ苦手な人もいる→文武両道(ここメモ)→武士の時代→ファッションが古い

使えそうな単語がいくつか出てきましたね。チーム制の文武両道合宿なんてどうでしょうか?
なんかどこかで聞いたことあるような……と、思って調べたら電通の伝統的な研修らしいですね! 鬼のペーパーテストと、富士山ランニングが恒例らしいです。まさに文武両道。

連想ゲームの良いところは、頭の中に仕舞い込まれた言葉を引き出すことにあります。無意識に思っているけど、外には出てこないような言葉。それらを引っ張ってくるのに、とても役に立ちます。

Point4.~アイデア収束編~

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さあ、いよいよ最終段階です。企画は広げて、まとめる。
無限大に広がるアイデアを、一つの企画に仕上げていきましょう。
「わがまま→思いやり」、「思いやり」の部分ですね。

考具⑤5W1Hフォーマット
有象無象のアイデアを収束させる鉄板の考具です。

WHO 誰が
WHEN いつ
WHERE どこで
WHAT 何を
WHY なぜ
HOW どうやって

このフォーマットに合わせてアイデアを収束させていきます。
誰もが知っている形式ですが、企画収縮術にも使えます。著者はスーパーマーケット販促企画事例として、モックアップ展示を挙げています。

企画タイトル:「夢の商品企画コンテスト」お店で入賞作品のモックアップを展示表彰!

WHAT:”ウチのお店で売る”ことを前提とした「夢の新商品企画コンテスト」
HOW:応募用紙は一応「企画書」の形になっている。受賞作はモックアップを制作→店内展示
WHO:参加資格は小学生
WHY:話題性と社会貢献。お子さんとお母さんとの絆を作る。
WHEN:募集(夏休み頃)、商品展示(秋)
WHERE:モックアップの展示場所(スーパーの全店で)

有象無象の思いつきが立派な企画としてまとまっています。アイデアを企画として落とすための考具としては、非常に使いやすいです。

考具⑥ビジュアライズ
5W1Hが文字ベースだとしたら、ビジュアライズは名前の通り絵ベースです。
自分の中で確固たる企画の絵がイメージできてるか。企画者が「見えて」いないと他の関係者が迷惑します。まず、自分の中でイメージして、下手でも絵で書きましょう。それか、イメージに近い画像を使うのもアリです。上のスーパーマーケット販促企画だと

・結果発表は本店で直接やるか、ネット上で発表するか
・モックアップを展示するといっても、どう展示するのが効果的か
・展示の特設コーナーを作るのも面白い。形はこうで……

と、絵で伝えらることはたくさんあります。映画監督のように、撮りたい「絵」を完璧にイメージできる人間は企画屋として心強いです。

-考具まとめ-

一点だけ注意したいのは「最初からフォーマットありきで考えてしまう」こと。
5W1Hだと枠の中でしかアイデア派生しませんから、独創性より整合性が高い企画になってしまいます。何ごとも自分がやりたい! って思うこと、つまり「わがまま」が出発点。思い立ったら、あとは色んな考具が助けになってくれます。本書では、他にも沢山の考具が紹介されています。「まだまだ考具が欲しい!」って方は、是非おすすめですよ。

こんなお悩みを解決!

  1. 友達の結婚式に出席するんだけど、正直めんどくさい
    →婚活ラッシュ時の結婚式は大変ですよね。またかーって、あまり気乗りしない日もあります。もう、別なおもしろさを追求してはどうでしょう。結婚される友人の知人に話聞きまくって、恥ずかしエピソードの一つや二つを聞き出すとか。臨時新聞記者ですね!
  2. 友達がいない
    →ス、ストレートですね……。でも大丈夫! 一人連想ゲームで解決です。はい、壁と向き合って、さあ! 友達がいない→芸術家→友達がいない→天才→友達がいない→アーティスト→友達がいない。あれおかしいな、もう一度……。友達がいない→孤高→頭良さそう→数学者→黒板と向き合いひたすら対話→悟り→神→友だちがいない。おかしいですね。まあ、最終的には神なので、よしとしましょう。

考具

  • 著者:加藤昌治
  • 出版日:2003/4/4
  • 出版社:CCCメディアハウス

モデルプロフィール

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  • 名前:クロル舞
  • 生年月日:1994/02/19
  • 出身地:神奈川県
  • 職業:慶應義塾大学
  • 受賞歴:ミスワールドジャパンファイナリスト フレッシュキャンパスコンテストRumor fashion賞
  • 趣味:ダンス、ヨガ、料理
  • Twitter:@maik_02

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WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。