仕組みを作るってどういうこと? 『無印良品は、仕組みが9割』

無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい

  • 著者:松井 忠三
  • 出版社:角川書店
  • 発売日:2013/7/10

売れる仕組みを作り上げた1冊のマニュアル

無印良品と言えば、統一されたブランドイメージと見やすい店内のディスプレイが印象的だ。異なる店舗の無印良品へ行っても、そのイメージは崩れることなく店舗のディスプレイや商品から無印商品らしさを感じるのは私だけではないだろう。

そんな無印良品も今から15年前の2001年には赤字38億円の企業だったそうだ。このままではいけない。普通の会社なら即座にコスト削減やリストラに走るべき一大事である。そこで無印良品は何をしたのか? なんと2000ページもある超膨大なマニュアル作りを始めたのだ。

マニュアルを作る意味

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マニュアルと聞くとネガティブなイメージを持っている人も多いだろう。しかし無印良品は、マニュアル通りに動く無機質な社員を育てたいわけではない。むしろ「マニュアルを作れる人になるところが無印良品の目指すところ」なのだ。2000ページもあるマニュアルは、MUJIGRAM(ムジグラム)と呼ばれ、そこには”どのように行動するかだけでなく、何を実現させるかという仕事の軸”まで記されている。

つまりこの2000ページにはあらゆる仕事の仕組みがびっしりと詰まっているのだ。どうしてこんなにも徹底したマニュアルを作ろうと思ったのか?2001年当時の社長だった本書の筆者である松井さんはこう述べている。

すべての店が及第点の80点から90点の店になったほうがチームとしては強いはずです。

それまでは各店のセンス、または店長の力量により左右されていた良し悪しのレベルを一定に引き上げ、企業の財産として育てていくためのマニュアル。このマニュアルこそが、どの店も見劣りしない無印良品ブランドを確立させた肝となった。

仕組みを作ると実行力が生まれる

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MUJIGRAMには接客から商品開発、または売り場作りに至るまで、誰でも簡単に実行することができるように分かりやすいマニュアルにまとめられている。例えば、店舗の売り場に飾られている洋服のディスプレイ。季節感や流行をおさえながらも、見映えのするカラーやシルエットを意識しなければならないセンスのいる仕事だ。

実は洋服のディスプレイさえもMUJIGRAMには事細かに掲載されている。ディスプレイで使うカラーの選び方や見映えのするシルエットが写真付でわかりやすくまとめられているのだ。このような会社全体から見るとほんの細部のことまでも、シンプルに標準化することで誰でも同じようにできる仕組みを作っている。誰でもできるというのが、行動に移すことのできる実行のしやすさに繋がる。松井さんは”誰もが実行できる素力を整えなければ、その先の発展もない”と考える。

さらにMUJIGRAMの凄いところは現場での声を大切にするために、「顧客視点」と「改善提案」という二つの柱を設けているところにある。売り場でのお客様の声やクレームをパソコンの端末から入力できる仕組みを導入し、会議にかけてはマニュアルに反映させていく。こうして質の高い標準化された業務が作られていくのだ。

血が通ったマニュアルにするためには

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マニュアルが完成したことに満足して、ちゃんと運用されていなければ何の意味も持たない。せっかく時間を費やして作った仕組みが水の泡となってしまう。社員全員が正しくマニュアルを運用できる仕組みを作ることもまた、大切なことである。

そのためには、

リーダーが徹底して活用しないと生きたマニュアルにはならない

と松井さんは言う。組織にマニュアルを根付かせるにはリーダーのマニュアル活用が必要不可欠なのだ。その組織でマニュアルがしっかりと稼働率し始めると、また次の新しい問題点が見えてくる。そこを改善していく方法を見いだしてマニュアルを新しく更新していくことで、社員一人一人に根付いた意味のマニュアルになっていく。マニュアルは現場で使われて初めて効果を発揮するものであるようだ。

仕事をシンプルにするためのマニュアル

松井さんは”利益を出し続けるための原動力としてのマニュアル”が大切だと話す。マニュアルは仕事をシンプルにして効率よく利益を出すことに多いに貢献してくれる。現に無印良品が確固たるブランドとしてぶれない芯を持ち続けている背景にはこのMUJIGRAMの力が大きいのではないだろうか。
仕事をシンプルにするには仕組みを作ることが欠かせない。そのひと手間が、人のやる気を変える。その大切に気付かされる1冊です。

無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい

  • 著者:松井 忠三
  • 出版社:角川書店
  • 発売日:2013/7/10

今日のポイント

  1. 仕事を効率よくシンプルにするには仕組みを作ることが欠かせない
  2. マニュアルは作ったところからがスタートライン
  3. 自分の仕事のマニュアルを考えてみよう

モデルプロフィール

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  • 名前:牧野友美
  • 生年月日:9/5
  • 出身地:千葉県
  • 職業:大学院生
  • 受賞歴:with スターメンバー
  • 趣味・一言:ピアノ演奏もしてます♡
  • 最近の悩み:読書が好きで読みたい本は即購入するのでベッド周りが本で山積みに。最近時間が無くそれぞれ1日3ページ程しか進んでいません。。。あと貧血。
  • Twitter:@tomochii__
  • Blog:http://ameblo.jp/tomochiitotino/

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

そらい なおみ

言葉、コラージュ、写真等の作家活動を通じて大切な何かを伝えられたらと思っています。 2015年東京銀座にて個展開催、2016年ロンドンでの企画展参加。ライターとしても精力的に活動中。 幼い頃から「本」を通じて大切な感情を学んできました。その分「本」を通じて「本」に恩返しが出来るといいなぁと思っています。