自分の見かたで世界は変わる『置かれた場所で咲きなさい』

 「こんなはずじゃなかった」と思ったこと。あなたは、今日まで生きてきて何回あっただろうか。

受験に失敗し不本意な進学をしたこと。目標を持ち、仕事をしていても会社に馴染めない自分。結婚し幸せになれると思ったが、理想とは違う現実。人生は嬉しいことも嫌なこともある。山あり谷ありだ。しかし、人は谷の中で、もがき苦しんでいるとき、自分も周りも見えなくなる。ツライ気持ちは、脳を、身体をすべて支配する。

今回紹介する本は、渡辺和子著「置かれた場所で咲きなさい」というエッセイ集。著者はシスターであり、岡山市にあるノートルダム清心学園の理事長だった。聖書の教えなどを交え、生き方や人生の在り方を説いたこの本は、悩める人々の心の支えになった。160万部のベストセラーである。

ツライ、悲しい、死にたい。そう思っている人々に寄り添う一冊だ。

置かれた場所で咲きなさい

  • 著者:渡辺 和子
  • 出版社:幻冬社
  • 発売日:2012/4/25

 

どんなところに置かれても、花を咲かせる心を持ち続けよう

30歳間際で修道院に入ることを決意した著者は、修練のため渡米し学位をとって、ノートルダム清心女学園の学長に任命される。36歳のときの思いがけない出来事だった。東京育ちの彼女は岡山という土地にも、経験少ない自分の年齢での学長という立場に、精神的に疲労していった。自信も喪失した。

そんな中、一人の宣教師が彼女に短い英文の詩を渡した。それは、「置かれた場所に咲きなさい」という言葉だった。

 私は変わりました。そうだ。置かれた場所に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり、不幸せになったりしては、私は環境の奴隷しかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することが出来ました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした。

この言葉は彼女の人生の見つめ方を変えた。境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる。心の持ちようで今の環境は変わるかもしれない。

人生にポッカリ開いた穴から見えてくるもの


 
著者は、50歳のときに「うつ病」になった。自分の人生に開いたたくさんの穴の中で「一番つらかった」。自信喪失し、自殺まで考えた。入院し、投薬をした二年間は苦しい期間だった。

しかし、この「うつ病」という人生の穴は、著者にそれまで見えなかった多くのものを見せてくれた。それは他人のやさしさと傲慢さ。他人の「弱さ」が分かるようになった。そうしたら、自分も自然と優しくなったという。

自分の中にポッカリと開いた穴を無理やり塞ごうとしないで、そこから世界を覗いてみてみる。きっとこれまで見えてこなかったものが見えてくるはずだ。

「ていねい」に生きること

人間はいつ死ぬか分からない。もしも明日、交通事故に巻き込まれるかもしれないし、もしも10年後には災害か病気によって、この世にはいないかもしれない。

だからこそ、今を「ていねい」に生きることは素晴らしい人生を歩む中でとても大切なことなのである。

これは「モテない」と思い込んでいた女子たちに朗報かもしれない。「ひとのいのちも、ものも、両手でいただきなさい」。この言葉が、著者に「ていねい」に生きることのヒントを与えた。両手でいただくのは、必ずしも有難いことばかりではない。突き返したい気持ちになる嫌なものが差し出されるのが人生だ。これらを、ただ受け止めずに両手でいただくという心になれるだろうかと、この言葉は著者に問いかけさせた。

 この本に書かれている文、一行一行は心も身体も疲れているあなたを優しく受け止めて、一度、立ち止まらせてくれる。

 「生きたくない」と心が悲鳴をあげたとき、この本を是非読んでほしい。自分の視点がかわり、「ていねい」に人生を歩もうと思わせてくれる一冊だ。

「ていねいに生きる」とは、自分に与えられた試練さえも、両手でいただくこと

置かれた場所で咲きなさい

  • 著者:渡辺 和子
  • 出版社:幻冬社
  • 発売日:2012/4/25

モデルプロフィール

  • 名前:千石菜摘
  • 生年月日:1996/8/24
  • 出身地:青森県
  • 職業:フリーター
  • 趣味・一言:ダンス、散歩、詩、読書/お芝居が好きです!
  • 最近の悩み:チョコレートが辞められません。
  • Twitter:@sougosuzukis
(カメラマン:村井優一郎)

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