原始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。
今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のやうな青白い顔の月である
この言葉が、婦人解放運動の宣言として、平塚らいてうが発行した文芸雑誌「青踏」に掲載されてから、100年以上が経った。
近年、女性の社会進出は進み、生き方も多様化してきている。歴史とともに、女性は自由な身へと変化していったのだ。現代は、「女性の在り方」に正解はない。さまざまなタイプの生き方が存在している。しかし、今でも、女性たちは自分の生き方に悩んだり苦しんだりする。「こじらせ女子」の登場が例だ。
今回は、そんな正解なき「女性の生き方」にまつわる本5冊をピックアップした。一人の女性たちの考えやその当時の時代背景に思いを馳せ、「生き方」に悩んだときは是非読んでほしい。
女子をこじらせて
昨年11月に他界した作家、雨宮まみの自伝的エッセイ。「こじらせ女子」という言葉の産みの親でもある彼女は、「女」であることをこじらせ、「私」をこじらせて…といった「元祖こじらせ女子」だった。そんな彼女が赤裸々に自分の人生を綴ったこのエッセイは、全国のこじらせている女子のバイブル的存在だ。
蒼い時
昭和の大スター、山口百恵が21歳のときに執筆した自叙伝。複雑だった生い立ちから、恋や性、結婚観までを赤裸々に語った一冊。詩的で巧みな文章で書かれた文章には、彼女の芯の強さを感じることが出来る。彼女の考えや生き方に感嘆させられる本だ。
二十歳の原点
1969年に自殺をした二十歳の女子大生の日記。学生運動が盛んな時代、彼女はアイデンティティの模索や失恋に悩んだ。ときには酒に頼りながら、気持ちを吐き出すように日記を書いた。60年代のニオイと当時の若者の考え方を感じられる一冊。
文化系女子という生き方~ポスト恋愛時代宣言~
運動することよりも、家にこもって本を読んだり映画を観たりすることの方が好き。そんな「文化系女子」が最近増えている。この本は、文化系と肉食系の「バイリンガル」の著者がハイブリットな知識で、世の中に溢れる「文化系女子」の生き方について言及し、ときには喝を入れる。改めて「文化」との向き合い方も再認識できる本だ。
置かれた場所で咲きなさい
生きていると「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうこともあるだろう。受験、就活、病気など、人生にはさまざまな分岐点がある。心が弱ってしまう時期もある。生きたくない、と思うときもある。この本はシスターの著者が聖書の教えやマザーテレサの名言から、悩める人々の支えとなる言葉を送ってくれる。読み終わった後、心が軽くなったと感じる一冊だ。
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