キラキラ系、ゆるふわ系、こじらせ系、山ガール、肉食系など、挙げていったらキリがないほど、女性をカテゴライズする言葉が溢れる時代がかつてあっただろうか。こうしてカテゴライズされることによって、便利になることは多々あるだろう。しかし、逆にそれを窮屈に感じている人も少なくはないはず。
『無所属女子の外交術』は、そのタイトルからもわかるように、どのカテゴリーにも属さず、自分の意思で自由に、気楽に生きる無所属女子を提唱し、○○系女子が乱立する現代で、中立的に生きることを説いている。
無所属女子の外交術
- 著者:はあちゅう 監著
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2015/11/
「面」ではなく、「点」で成り立つ人間関係

付き合いを持つのは、趣味が合う「部分」だけでいいはず。付き合いたい相手がいる場合どうしても、その相手を全面的に受け入れなければいけない、という強迫観念にかられがちです。
けれど、もっとシンプルに、合わない部分では付き合わず、合う部分だけで付き合えばよいのではないでしょうか。「点」ではなく、「面」で付き合ってしまうと、どうしても相手に合わせて自分を曲げなければいけない場面が出てきます。けれど、人間関係は点と点とでも成り立つはず。
一緒にいる人の、普段は大好きなんだけど、ふとしたことで知った一面がどうしても好きになれないと思ったことはないだろうか。見ないふりをしていたけど、徐々に自分が辛くなってきて……。という展開。こういう時は、「面」ではなく、「点」で付き合えるように視点を変えてみると良いのかもしれない。その友人と一緒にいる時間を少し減らして、他のカテゴリーの友人と話す時間に回してみると、変な強迫観念から解放され、さらに新しい発見もあるかもしれない。
「そんなことすると、その友人と変な関係になってしまわないだろうか」と思うかもしれないが、それで壊れる関係ならその程度のものだったということ。でも大丈夫。変に執着しなければ、そのスペースにはきっと新しい人間関係が収まるはず。これこそ無所属女子の外交術と思って、恐れや執着を捨ててみよう。
世間体は幻想

子供の頃、何か欲しいものができた時、親を説得するために「クラスのみんなが持ってるから……」と言った記憶はありませんか?
クラスのみんな、と言っても実際は2、3人なのではないでしょうか。そんなあいまいな世間を気にしてしまって自分の生き方を狭めるのは、不利益が大きいはず。(中略)「世間」は、人生の転機にしばしば顔を出します。でも、じつは「世間」と思っているものこそが自分が恐れていることの鏡だったりします。
日本でいう「世間」とは、まるで他国でいう宗教上の神のように当たり前の如く信じられている概念のようだ。芸能人の謝罪会見の決まり文句「世間をお騒がせして申し訳ありません」に違和感を感じたことはないだろうか。この場合の世間には、テレビを見ている人全員がたぶん含まれるのだろうが、さして騒いだ覚えはないし、世間も1ヶ月もすれば忘れると言う人がほとんど。そんな自分の人生に関わらない人たちの総体であるような世間体を重視ししすぎると、結果的には自分の首を絞めることになってしまう。

この本を通して繰り返し提唱されているのは具体的な外交術というよりも、「個」として生きることについてだと感じた。集団や組織での振る舞いを重要視する社会で、「個」を忘れずに、でも頑なにならずに生きていくのは少しの覚悟がいるからだ。この本を読むと、自動的にその準備段階に自分の心を持っていける、そんな本だと思う。
無所属女子の外交術
- 著者:はあちゅう 監著
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2015/11/
モデルプロフィール

- 名前:高城樹衣
- 生年月日:1989年1月11日
- 出身地:福岡県
- 職業:看護師
- 受賞歴:日テレジェニック2009候補生・有吉ジェニック2009
- 趣味/一言:旅行・写真
- 最近の悩み:朝が起きれない
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