世界史を変えた50の動物
- 著者:エリック シャリーン
- 出版社:原書房
- 発売日:2012/9
今週のテーマ:生物を学んで「生きる」意味を知る。
生きることに苦しくなった時、ふと立ち止まって手に取ってほしい本特集
今週1週間は、生物の「環境・時間・多様性・食・命・進化・歴史」という7つの観点から、生物、生きることについてを学んでいきたいと思います。

生きる意味の直接的な答えは書いていないかもしれませんが、「生きる意味ってなんだっけ」とふと立ち止まって考えるきっかけとなるような、少しだけ元気が出るような本を紹介していきます。
本日紹介する一冊はこちら。
『世界史を変えた50の動物』
人間に影響を与えてきた50の生物の歴史がキレイなイラストとともに解説されている。
いくつか紹介しよう。
地上で最も貴重な家畜動物

以前、神保町でたまたま通りがかったところに一風変わった書店を見つけたことがあった。その書店はなんと猫本専門店。猫に関する本が2000冊以上置いてあるのだ。
またTVを付けると猫特集。ネット上でも猫の画像は数字を持っていると聞く。
そんな猫だが、ペットとして飼っていたことがわかる最古の資料は、紀元前7500年前のキプロス島の墓所だという。
他の動物と違い、猫はまったくと言っていいほど仕事をしない。しかし、これほどまでに現在人気である理由は、他の動物にまねできない心の交流をもたらすからだ。だから、ともに過ごす楽しみだけを目的に飼われる最初のペットとなったのかもしれない。
考古学者は、人間と猫の関係は農耕民が定住し共同体が発達するとともに近東で始まったと考えている。
猫はそれほどまでに人間と親密なので、世界中のほぼすべての文化で神話や宗教的なシンボルとなっているくらい特異な動物なのだ。
当時、食べ物に甘みを付けられる数少ない材料だった蜂蜜

次に紹介するのはミツハチだ。
一見どこにでもいそうで語るほどの生物ではなさそうだが、ミツバチと人間の関係には長い歴史がある。中世の時代、近東からヨーロッパに精製糖がもたらされるまで、食べ物に甘みをつけられる数少ない材料のひとつが蜂蜜だったのだ。
そのため先史時代から、狩猟採集民は野生の蜂の巣を横取りして蜂蜜を集めていたし、エジプト、中国、ギリシャ、クレタ島、イスラエル、ローマ帝国で生まれた古代文明には大規模にハチを飼う「養蜂」の手法も存在していた。
記録文書によると、養蜂が身文の高い専門職だったことがわかっている。

一方で、蜂蜜は医療分野での使い道もたくさんある。今まで多くの咳や風邪を治療薬に使われているし、殺菌性や抗菌性もあるため、傷口の感染を防ぐ軟膏としても使われていた。
現在も蜂蜜は料理に使われ、食材としても重宝されているが、ミツバチの最も重要な役割は市販用作物の花粉の媒介らしい。
最大の人工授粉は、カリフォルニアのアーモンド果樹園で毎年春に行われる。その時期はなんと約100万匹のミツバチがトラックで運ばれてくるのだ。
世界史を変えた動物たち

本書には他にも、西洋の医療で血を吸うヒルが役立ったことや、ダーウィンに「地球の消化管」と言わしめ、地上の生態系が機能している中心的役割を果たしているミミズのことまで、豊富なエピソードともに紹介されている。
普段何気なく接している生物でも人間に多大な影響を与えている。動物がいなければ、人間の歴史はもっと貧しいものになっていただろう。いかに人間の生活に動物が密接に関わっているかがわかる。一家に一冊ほしい一冊だ。
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今日のポイント
- ネコは他の動物にはまねできない心の交流をもたらす。だからともに過ごす楽しみだけを目的に飼われる最初のペットとなったのかもしれない
- ミツバチと人間の関係には長い歴史がある。生物の背景にまで目を向ける
世界史を変えた50の動物
- 著者:エリック シャリーン
- 出版社:原書房
- 発売日:2012/9
モデルプロフィール

- 名前:福田千明
- 生年月日:1987/10/6
- 出身地:山口県
- 職業:看護師・モデル
- 受賞歴:ミス湘南コンテスト2015グランプリ
- 趣味:お菓子作り・旅行
- 最近の悩み:看護師とモデルの両立
- Twitter:@chiaki_fukuda
- Blog:http://ameblo.jp/fukuda-chiaki/
カメラマン:横須賀馨介
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