就活生なら知っておきたい「御社」のマーケティング『マーケティング入門』

現役経済学部生に「マーケティングってなんですか」と聞いてみた。


日常会話にもしばしば登場する「マーケティング」。この用語の意味を知っていますか。学生の日常会話にもしばしば登場する単語ですが、「マー明快に答えられる人は経済学部生でも少ないのが驚きでした。

今週のテーマは、「お金との付き合い方」。お金にとらわれない消費の仕方、正しい投資の方法、賢いお金の稼ぎ方など紹介してきました。これまでは消費者目線でしたが、今回は一歩進んで「ビジネス目線」。あなたがプレイヤーです。 

マネジメント・テキスト マーケティング入門

  • 著者:小川 孔輔
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 発売日:2009/7/10

マーケティングの概念


マーケティングとはなにか、マクロ・ミクロ両方の視点から解説しているのが本書『マーケティング入門』です。総ページ数は、約800ページ。著者が10年かけて書いたということで、見るからに分厚い本です。ですが、必ずしもこの本を始めのページから最後のページまで順々に読む必要はないと思います。自分のマーケティングへの理解度や興味に合わせて、索引を上手く使いながら読んでいけばいいと思います。読み進めるたびに、「ビジネスとお金」への理解が深まっていくと実感できるはず。

「マーケティングとは、広告宣伝活動である」、「販売促進活動である」、「市場調査である」、「営業活動である」……。どれも、それっぽいですよね。しかし、筆者はこれらの用語ではマーケティングは説明しきれないといいます。実は、マーケティングの概念は時代とともに変わってきました。その過程「マーケティング発達史」を知ることが、とても大切だと筆者は述べています。

就活にうってつけの「マーケティングバイブル」

マーケィングとは何かを知られるだけでは他の入門書と同じですが、この本では、日本においてマーケティングがどのように活用されているのかを知ることができます。

普通、海外企業例が多いものなのですが、サントリー、朝日放送、ユニクロ、タカラトミーなど、日本企業の例が数多く紹介されています。

例えば、第8章は、「製品開発のプロセス」。「アタック」、「クイックルワイパー」、「トイレクイックル」。この3商品を比較することで、製品開発のプロセスを紹介しています。

「アタック」「クイックルワイパー」をヒットさせた6つの視点

「アタック」は洗浄力の強いコンパクト洗剤として、「クイックルワイパー」はフローリング向きのモップとして、「トイレクイックル」トイレ用の使い捨て雑巾として、それぞれ花王定番人気の商品ですね。

これらの製品はそれぞれ開発の背景やプロセスが違います。3つの事例を、本書では、6つの視点から比較しています。①新製品のタイプ、②新製品開発体制、③新規技術、④社会的インパクト、⑤売上規模、⑥市場の競合です。

新製品として最も社会的インパクト(④)が強かったのが「アタック」です。わずかスプーン一杯でも家庭1日分の洗濯を可能にする強い洗浄力は、消費者へも他社へもインパクトが強く、マーケティング市場を塗り替えましたました。結果、洗剤市場で今も大きなシェアを維持しています。

市場の競合(⑥)視点で見ると、ほぼ独走を続けているのが、「クイックルワイパー」です。1980年代後半、畳からフローリングへ日本人の生活様式が変化したのに合わせて開発された商品です。それまでの主流は布がついたモップでしたが、毛先の交換や収納などの面で不便でした。安価な使い切りタイプの雑巾、軽量アルミのパイプ、角度を自在に変えられるヘッドを使うことで、不便さを取り除いた新しい商品が生まれたのです。

トイレ用使い捨て雑巾「トイレクイックル」は、新製品のタイプ(①)で見ると、3つの製品で唯一、既製品がなかった商品でした。アタックも、クイックルワイパーも、既製品をさらにバージョンアップさせる形での開発です。トイレクイックルは、機能紙と洗浄剤を組み合わせることで「トイレ用使い捨てシート」という新市場を作り出したのです。

このように実際に購入していた商品やサービスが、どのようなマーケティング理論のもとで成り立っているのか知ることができると面白いですよね。まだビジネスというもののイメージがつかない学生や、自分が働くイメージを深めたいと思っている就活生にもオススメです。就活にも使えるマーケティングのバイブル、手元に置いておきたいですね。

マネジメント・テキスト マーケティング入門

  • 著者:小川 孔輔
  • 出版社:日本経済新聞出版社
  • 発売日:2009/7/10

 

モデルプロフィール

  • 名前:海老原 紗衣
  • 生年月日:1997/7/30
  • 出身地:千葉県
  • 大学名:慶應義塾大学
  • 受賞歴:フレッシュキャンパスコンテスト出場中
  • 趣味/一言:料理・クラゲを見ること
  • 最近の悩み:一人暮らしを始めて寂しい
  • Twitter:@sae_ebihara

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本to美女選書

WRITERこの記事を書いた人

湯川 うらら

本to美女編集長 湯川うらら 麗らかな春の日に生まれました。「一瞬一瞬を全力で」がモットーの、本to美女編集長/インタビュアー/キャトグラファー。著者の半生から学び、登場人物の人生を味わい尽くす……「本」は、人類と共に時代を紡いできました。週1回はブックカフェに通い、気になる本を味見するのが楽しみ。実用書から漫画まで、守備範囲は幅広い。色々な人の話を聞いて、人生を豊かにしたい、誰かを幸せにしたい。 猫の島へ単独潜入するほど、生粋の猫好きで、SNSはネコ写真でいっぱい。一年中もふもふしていたい。