本格派入門書の決定版『スタンフォードで一番人気の経済学入門 ミクロ編』

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編

  • 著者:ティモシー・テイラー
  • 出版社:かんき出版
  • 発売日:2013/2/21

 

こんな人におすすめ!

・本格的な経済入門書が欲しい人
・実力がつく経済書が読みたい人

「経済のはじめの一歩」と称し、4冊目はかなり本格的になっている。
本格的といっても、難しい本ではない。本書、『スタンフォードで一番人気の経済学入門 ミクロ編』は経済という大海へ「確かな一歩」を踏み出せる良書として、強く推薦する。本格派入門書といっていい。

経済を学ぶ意味

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経済学は特定の答えを提示するものではなく、答えを導きだすすための思考の枠組みを与えてくれるものなのです

そう、著者のティモシー・テイラー氏は語る。
そもそも、なぜ私たちは経済学を学ばねばならないのか。経済学なんて、それこそ「お上の仕事」だと言って、私達は日々の仕事に励むだけではいけないのか。この問いに答えられるのが本書の強みだ。

例えば、今日本では生活保護の不正受給が問題になっている。冷静に考えれば、違法なのだから今すぐ取締り、健全な経済活動を取り戻すべきだ。

しかし、マスメディアが「不正受給に裏側!! 受給者の苦悩と変わらない生活水準」といった特番を組んで放映したらどうなるだろうか。
あれほど強く叩いていた人間たちが手のひらを返す可能性は否定できない。もちろん、人には血が通っているし、何でも機械的に公正を遵守するのは難しいだろう。
こうやって感情に訴えられたとき、仮に経済学の知識を持っていたら極めて頼りがいのある判断を下せるのではと期待できないだろうか? 答えはYESだ。

このセーフティネットの在り方について、著者はこう説明している。

セーフティネットは必要ですが、そこに安住してもらっては困るのです。
(中略)
ハンモックのように、入りにくく抜け出しにくいネットではうまくいきません。必要なのは、空中ブランコで使うような安全ネットです。落下を広く受け止めてくれるけど、すぐ跳ね上がれるような弾力性のあるネットです。

詳しくは第15章「貧困と福祉」で触れられているが、失業者にお金を支給しすぎると労働意欲が薄れてしまう。逆に、何もセーフティネットが敷かれていない国では福祉が機能していないと言っていいだろう。

本書はミクロ経済学から経済を学ぼうといった入門書だが、構えなくていい。
上記のような貧困問題といった身近なケースを例にとって、経済の構造を分かりやすく教えてくれる。

また、監訳の池上彰氏はこんな人にこそぴったりな本だと書いている。
・これから大学の経済学部や経営学部、商学部などで経済学を学ぶことになるので、その前に経済学はどういうものか、概観しておきたい。
・大学で経済学を専門に学ぶわけではないが、世の中のしくみを知るため一般教養として経済を学んでおきたい

ただ、あまりに経済について不安を覚えるのであれば
理解の進行を手助けするために先に『池上彰のやさしい経済学1 しくみがわかる』を読んでから本書を読まれることをおすすめする。きっと、相乗的に学べるはずだ。

スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編

  • 著者:ティモシー・テイラー
  • 出版社:かんき出版
  • 発売日:2013/2/21

モデルプロフィール

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  • 名前:鮫島啓
  • 生年月日:1991/1/24
  • 出身地:東京都
  • 職業:臨床心理士
  • 受賞歴:ABC cooking 読書モデルニコモ3期生
  • 趣味:ピアノ、読書
  • 最近の悩み:自律神経が乱れがち
  • Twitter:@my_samelody
  • Instagram:k_samelody

(カメラマン:湯川うらら)

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WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。