落ちこぼれ経済学部の反撃 『たった1つの図でわかる! 図解経済学入門』

たった1つの図でわかる! 図解経済学入門

  • 著者:高橋洋一
  • 出版社:あさ出版
  • 発売日:2016/8/4

こんな人におすすめ!

  • 経済学部なのに経済が分からない
  • 需要と供給がよく分からない

正直に言うと、私は経済学部出身なのに一ミリも経済学を理解していない。
だれかが冗談で「映画監督は経済学部出身が多いんだよ。理由? 経済学がつまらなくて映画を撮っちゃうからだ」と話していたが、なるほどと思う。私も逃げたクチだ。

経済学は眠たくなる。
いや、正確に言うと経済学自体は面白いのだが、説明する教授の話が赤ん坊のおもり声にしか聞こえないのだ。これは私の周りだけかもしれないが、経済学部の人間ほど経済学に興味がなく、みな映画なりビジネスなり企業なり、外へと出かけていく。
そんな反社会的なおちこぼれ経済学部にこそ、読んで欲しい反撃書だ。
(ということは、もちろん経済学をかじったことのない人にもおすすめだ)。

経済学って、使える学問なのか

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究極の問いだ。
なんせ、この問いにYESと答えられなければ読者は一斉に「戻る」ボタンを押し、タブを閉じてしまうからだ。安心してほしい。本書を読む限り、「使える学問」だ。
経済学は密接に実社会と関係している。眠たい教授の話を聞くと、何やらケインズやマルクスとかいった学者が円卓の奥で机上の空論を永遠に話している貴族の学問と勘違いしそうだが、そうではない。私たちの生活を豊かにしてくれる、むしろ庶民の学問なのだ。

よく新聞で「マイナス金利」とか「量的緩和政策」とか、「公的資金を投入」だとか旬な経済用語を見ては、なるほどよくわからんけど覚えとこう、とワードだけ覚えて分かった気になってしまうのはビジネスマンの悪い癖だ。本書で根本から経済を理解してみよう。

値段ってどうやって決まるの?

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私たちはドケチな主婦でもない限り、値札に付けられた価格で商品を買う。
仮に半径100km以内に一つしかスーパーがないとしよう。住民はそこのスーパーでしか食材が買えないから、店の言い値で買うしかなくなる。しかし、これは健全と言えるのだろうか。否。独占状態にあり、競合がいないため、言い値で商品が売れてしまう状況だ。

じゃあ、商品の値段はどう決まるのが健全なのか。
そこで、あのグラフである。

 

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でた! 「需要と供給図」!
私はこの図を「睡魔の図」と読んでいる。見ただけで、何人の学生の眠気を誘ったか計り知れない。ギネスは早くこの図に「ベスト・スリーピング賞」を与えるべきである。

しかし、著者の高橋洋一氏は「経済はほぼ、上記の図で説明できる」と書いている。
もちろん、例外もあるだろうが原理としては間違っていない。

さて、スーパーの話に戻ってみよう。
半径100kmに一店舗しかなかったら、そのお店しか選択肢がないが、もう一店舗存在していたらどうだろう。選択肢が増え、私たちは比較をすることができる。
ここが重要で、「私たちは価格を選択する」ことができるのだ。

上の図での説明は本書の高橋氏の解説が抜群に分かりやすいため割愛するが、
初歩的な話、値段は「均衡点」と呼ばれる需要と供給曲線が交わる点で決定される。
ここからが興味深い話だが、なぜ需要曲線は「右肩下がり」なのだろう。
考えてみると、実はそんなに難しい話ではない。

需要曲線のスタートを見てみる。
価格(P)が高いほど数量(Q)が低い。これはどういうことかというと、価格が高い状態で買ってもいいよと人の数が少なく、結果として売れる量が少ない状態なのだ。

反対に供給曲線を見てみよう。
価格(P)が低いほど数量(Q)が低い。これは、企業の声を代弁すると「うわ~、こんな安い価格じゃあんまり売りたくないな~」と、当たり前の心理が働くからだ。

結果として、お互いの妥協点で価格が決定する。
八百屋の主人と主婦が交渉しているシーンをイメージして欲しい。
「うちはもっと高く売りたいんだよね」
「今月、旦那の稼ぎが少ないのよ。もっとまけて。じゃないと他の店で買うわよ」
「え~分かりましたよ~。それじゃあ、その値段で」
といったように、商品の価格は本当に決まる。
高い!と感じれば、他の店で買えばいい話だ。

ちょっと前までであったら、電力会社は選べず、相手の言い値で払っていた。
しかし、電力自由化により私たちは電気の料金すら選べるようになったのだ。そういった意味で、価格を選択できるということは非常に重要であり、競合の理念も初めて生まれる。
著者は別の章で「再販制度」の不健全さにも恐れずメスを入れている。

本書は、価格がどうやって決まるのか。そもそも、需要と供給とは何かといった基礎の基礎から始まり、「国の政策ってなんだ」「日本銀行の役割」、はたまた「児童待機問題」「失業問題」といったテーマまでも、上の需要と供給曲線で分かりやすく説明している。
経済学部でありながら、経済を説明できない!って人にこそ読んで欲しい一冊だ。

たった1つの図でわかる! 図解経済学入門

  • 著者:高橋洋一
  • 出版社:あさ出版
  • 発売日:2016/8/4

モデルプロフィール

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  • 名前:水谷花那子
  • 生年月日:1993/9/29
  • 出身地:大阪府
  • 職業:慶應義塾大学
  • 受賞歴:週刊ゴルフダイジェストビューティークイーン2016
  • 趣味・一言:クラシックバレエ・スペイン語・ゴルフ
  • 最近の悩み:学生生活が終わること
  • Instagram:@kanakomizutani
  • LINEスタンプ:https://store.line.me/stickershop/product/1324362

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。