頭は「本の読み方」で磨かれる
- 著者:茂木 健一郎
- 出版社:三笠書房
- 発売日:2015/6/24
いつの時代も、本を読むことが人の成長につながってきた。
しかし、今はインターネット上に膨大な情報があふれ、テクノロジーの進歩により高度な人工知能が台頭する時代だ。
この現代において、本を読む意味とはいったい何だろう?
脳科学者である茂木健一郎氏は、現代においても本を読むことは重要だという。
それはいったいなぜだろうか。茂木先生の『頭は本の読み方で磨かれる』を読み解いていこう。
世界一のコンピュータが人間に勝てないもの

本書の中で、とても興味深かった話題をピックアップしよう。
現在、めざましい進化を遂げているコンピュータの能力は、すでに計算能力や記憶力において人間に圧勝している。
コンピュータと棋士とが勝負をする将棋の「電王戦」も行われているが、チェスやクイズの領域では、すでにコンピュータの勝ちが決まっているという事実がある。
しかし、世界一のコンピュータでも人間に勝てないものがあるという。
それは、「雑談力」だ。
雑談をする力というのは、人間の持つ圧倒的な知性なのだと著者は説明する。
実際に、本書には「ミツク(Mitsuku)」という名前のプログラムが、人間と会話をした内容が載っているが、雑談の体を成していないことがわかる。
本は「人間だけの知性」を育てる

現在のコンピュータでは、まだまだ人間の知性に追いつくことができない。
そんな「人間だけの知性」を鍛えてくれるのは、読書なのだと著者はいう。
本をたくさん読むことは、下記の2つにおいて有効だと説明されている。
・共感能力が上がる
・雑談力があがる
本を読むことで、現実にはありえない状況や、さまざまな人物の気持ちを想像するトレーニングになる。それは共感能力を高めることに役立つ。
また、「その人と話していて楽しいかどうか」ということには、感覚としか言いようのない微妙な要素が決めていて、今のコンピュータにとっては難しい。
読書は自分の言葉を鍛えるものだから、その「微妙な感覚」を作るために役立つというのだ。
本は脳が育つための最良の肥やし

著者は、「本は脳が育つための最良の肥やし」だという。
映画や映像、音楽などさまざまある中で、本がもっとも情報の濃度が高い。
いちばん脳が鍛えられるのは、本を読んでいるときではないかと著者は述べている。
脳に膨大に入ってくる情報を、最後に「要するにこういうこと」という形でまとめあげるのは「言語」だ。
つまり、言語は脳の情報表現の中で、きわめて圧縮されたものなのだという。
また、著者がなにより読書をおすすめする理由のひとつとして、「どんなに時代が流れても、われわれ人間は絶対に言語を使い続けるから」というものがある。
言葉は本で磨かなければ光らない。
現代に生きる私たちがなぜ本を読むべきなのか、理解させてくれる1冊だ。
頭は「本の読み方」で磨かれる
- 著者:茂木 健一郎
- 出版社:三笠書房
- 発売日:2015/6/24
モデルプロフィール

- 名前:渕上舞
- 生年月日:1997/5/25
- 出身地:熊本県
- 職業:青山学院女子短期大学
- 受賞歴:Oasis Campus Collection 2016 fainalist / Campus Collection 2016 東京 Miss fainalist
- 趣味:筋トレ
- Twitter:@0525_9
- Instagram:@ma_i0525
(カメラマン:伊藤広将)
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