受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法
- 著者:池谷 裕二
- 出版社:新潮社
- 発売日:2011/11/28
今週は、「学歴エリートが勧める受験直前に読んで欲しい本」というテーマで紹介していきたいと思います。
週の前半では勉強や受験の具体的なテクニックを、後半ではそもそもどうして受験するんだっけ?といったもう少し踏み込んだ内容まで書いていきます。
初日の昨日は脳科学者である茂木健一郎氏の著書を紹介しましたが、今日はこちらも脳科学について研究している池谷裕二氏の著書『受験脳の作り方』を紹介します。
「脳科学で考える効率的学習法」という副題からも想像出来る通り、本書には随所に受験に役立つ知識やテクニックが盛り込まれています。
ここではそれらの一端について触れたいと思います。
脳の仕組みはコンピュータと似ている?

本書でスポットが当てられている「脳」は人間誰しも持っているものですが、それがどんなものなのか理解できるている人はあまりいないのではないでしょうか?
実際に本書でも「医学研究会でも脳は最後の砦になって」いたとあるように、まだその全てが解読されているわけではありません。
それでも脳に対する理解を助けるために、本書ではコンピュータにたとえて説明しています。
「記憶」を例にとってみると、コンピュータではハードディスクの磁気であったりDVDの微細な凹凸といった物理的な痕跡がその正体に当たるわけですが、脳も何かを記憶する際には同じように痕跡を残すのだそうです。
他にも脳内を流れる信号は0か1かのデジタル信号である事も書かれており、得体の知れなかった脳に対して多少なり理解を深めることができます。
記憶の鍵はズバリ復習

本書では勉強の効率を上げる様々な方法に触れていますが、その中でも強調されているのが復習の重要性です。
そのことを示す実験が紹介されています。
なんの意味もないひらがな3字の羅列を10個見て覚え、時間が置いていくつ覚えているかをテストしてみると、4時間後には5個、24時間後には3個、48時間後には2個・・・と徐々に減っていきます。
この減少のカーブは「忘却曲線」と呼ばれ、個人差はありません。
そこで今度は、一度覚えた単語を全て忘れてしまった頃にもう一度覚えなおし、同じようにテストしてみます。
すると1回目の時と比べて定着が良く、4時間後でも6個から7個くらいは覚えているそうです。
記憶はいずれ消えてしまうものですが、繰り返すことで忘れるスピードを遅くすることができるのです。
これには科学的な根拠も示されていて、神経細胞を一度だけでなく繰り返し刺激することで、神経細胞同士の結びつきを強くするLTPという現象が起こるためなのだそうです。
「繰り返せば覚えられる」。
そんなのわかってるよ!という方もいるかもしれませんが、しっかりした根拠が示されるだけで今まで以上にやる気になりませんか?
本書にはコラムも充実していて、「ライオン法」だったり「モーツァルト効果」といった気になって思わず試したくなる手法も数多く載っています。
脳科学というと難しい印象がありますが内容はキャッチーで読みやすく、そういった方にもおすすめの一冊です。
こんな人におすすめ

- 自信を持って勉強法を決められない
- 記憶力を伸ばしたい
- 新しい勉強法を取り入れたい
受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法
- 著者:池谷 裕二
- 出版社:新潮社
- 発売日:2011/11/28
モデルプロフィール

- 名前:関井 早弥
- 生年月日:1993/07/04
- 出身地:神奈川県
- 職業:学生
- 趣味:おいしいもの食べることが好き
- 最近の悩み:やりたいことが多すぎて時間とお金が足りないこと!
(カメラマン:伊藤広将)
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