子供のご褒美なににする?『学力の経済学』

統計学や経済学というものが昨今、話題になっていますね。ベストセラーの『統計学は最強の学問である』(ダイヤモンド社)や『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』(中経出版)などが有名になっています。私たちが生活していくうえで、こういった数字を扱うことが重要になってきていると言えるでしょう。

実は、このことは教育にも言えることなのです。
例えば、人を伸ばすためにご褒美を与えることはいいことなのでしょうか?

よく「テストで100点をとったらあれを買ってほしい」「コンクールで賞をとったらあれをしてほしい」。そんなことを言ったり、言われたりしたことはあるでしょう。設定したご褒美のためにやる気を出す、という人は少なくないです。

しかし、物で釣って、本当に意味があるのか? その疑問について、慶應義塾大学の准教授である中室牧子氏が著書である『「学力」の経済学』で教育経済学をもとに答えてくれています。
今回はその一部をご紹介しましょう。

◆ご褒美は与えてよいもの

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親は子供に勉強をさせようとあの手この手と手を尽くすものです。ちゃんと勉強しておくことが将来のため、と言いますがこれは事実なのです。

経済学の中には教育の収益率という概念があり、つまりは教育を受けることによって、その子どもの将来収入が高くなっていくということが明らかになっています。
このような結果が出ているにも関わらず、子どもが勉強しないには理由があります。

実は、人間には目先のことが大きく見えてしまい、遠い将来のことが小さく見えてしまう習性があるのです。たとえば、今日5000円をあげるか来月5500円をあげるかどちらがいい? と聞かれると、多くの人は今日欲しいと答えるそうです。

目先の利益や満足をつい優先してしまうのが人間ということなのです。しかし、これは逆を返せば目の前にご褒美があれば勉強することの優先度があがるということです。
つまり、ご褒美で釣って勉強させることは将来のための手段の一つ、ということなのです。

◆正しいご褒美のあげ方

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ご褒美はあげてよいものですが、あげ方にもコツがいります。
例えば、テストの点数があがったらご褒美をあげることと、本を読んだらご褒美をあげること。どちらがより学力があがるか知っていますか?

ハーバード大学の研究では後者の方がより学力が上がるそうです。
『インプット=本を読む』という行動にご褒美が与えられた場合、子どもにとってなにをすればご褒美がもらえるかは明確です。本を読みさえすればいいんですね。

しかし、『点数があがる=アウトプット』はなにをすればいいか具体的な方法がわかりません。ドリルをすればいいのでしょうか? それとも、漢字の書き取りをすればいいのでしょうか?
やることがはっきりしていることのほうが学力により反映されやすいということなのですね。

つまりアウトプットよりもインプットに対してご褒美をあげることが大切になっていきます。

ちなみに、子どもが大きくなってきたらご褒美にお金をあげることもアリです。小さいうちはお金よりもモノの方に子どもは興味を持ちますが、中高生以上にはお金をご褒美にすることでやる気が出るという実験結果が出ています。

これは、勉強だけではなくお金を渡すことによって貯蓄や家計簿の付け方を学ぶ、金融教育になるというわけです。

ご褒美1つで様々なことを子どもに学ばせられるので、ご褒美をあげるときにはなにを学んでほしいのか、ということを気にかけながらあげるといいですね。

◆テレビ・ゲームはやめるべき?

「テレビをみたりゲームをしたりしないで勉強しなさい」という言葉は多くの親がいう言葉です。勉強が子どもの将来に影響するのは前述した通りですので、この言葉は正しいですね。
しかし、実はテレビやゲームをやめさせても学習時間はほとんど変化がないのです。それらを制限しても子どもが自動的に机に向かって勉強することはありません。

では子どもたちはなにをしているのか、というとスマホでゲームをしたり、インターネットで動画を見たりと、結局は遊んでしまうのです。テレビやゲームを取り上げても、遊びの手段を制限するだけで、「遊びたい」という子どもの気持ちは変わらないのです。

だからといって、無制限に子どもを遊ばせていいわけではありませんよね。
1日1時間程度の遊びならば、遊ぶことを全くしていない子どもたちとほとんど変わりがありません。それに対して、2時間以上になると子どもの発達や学習時間に影響があるということが明らかになっています。

テレビやゲームから完全に離されてしまうと子どもだってストレスが溜まってしまいます。
「テレビ・ゲームは1日1時間」
このように制限を設けてあげることが大切なのです。

経済学という切り口で教育や育児についてを語ってくれている本書。悩んでいるお母さんや教育に関心のある学生さんにとっては新しい視点をくれるものとなりますよ。

あなたの悩みを解決する3ヶ条

  1. ご褒美はあげてもいいもの
  2. ご褒美をあげるときはインプットする作業をしたらあげる
  3. 勉強するときと遊ぶ時のメリハリをつけないと

「学力」の経済学

  • 著者:中室牧子
  • 出版日:2015/6/18
  • 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

モデルプロフィール

Inaba_profile
  • 名前:稲葉利奈
  • 生年月日:1995/04/05
  • 出身地:千葉県
  • 職業: 中央大学
  •  受賞歴:ミスオブサークル2015 準グランプリ
  • 趣味:寝ること
  • Twitter:@ri_45

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WRITERこの記事を書いた人

土田 遥香

物心ついたときから家に少年ジャンプがある環境で育ち、見事オタクになる。一日一冊はマンガを読まないと生きていけない体になってしまった。オススメ本・マンガは「魔王(伊坂幸太郎)」「X(CLAMP)」。好きなことは実家で飼いだした犬とのビデオ通話と全国各地の美味しいもの食べ歩き。インドアもアウトドアも任せてください。