面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由
- 著者:霜田 明寛
- 出版社:日経BP社
- 発売日:2015/9/17
人生は選抜の連続だ。
就職活動で希望の業界に入れなかった……
希望の職種につけなかった……
社会に出ても選抜は続いていく。
上司に好かれる人物はあっという間に出世し、上司とうまくコミュニケーションが取れず、「何を考えているのかわからない」と思われてしまう人物は、会社の隅っこに追いやられる。
いっそのこと諦めてしまえ。
人から言われたことだけをこなせばいい。
なるべく自分が傷つかない人生を送れるかもしれません。
しかし、本当にそれでいいのか?
自分の人生なのだから、自分の気持ちをしっかり相手に伝えたい。
少しでも自分の人生を思い通りにしたい。
この本は、そのように思い、悩んでいる人に向けてのものだ。
著者は、新卒で全国のテレビ局を受けるも内定をもらえなかった就活アドバイザー。マスコミ就活という多くの人が目指すアナウンサーになれなかったからこそ書ける、面接対策やコミュニケーション術が満載だ。
周囲から負け犬というレッテルを貼られてしまった人間こそ読んでほしい一冊。
自信のなさこそ、その人の個性

タイトルにもあるようにこの本は面接で落ちこぼれていた、とある女子大生の話がメインになる。
その子ははじめ、「自分に自信がないんです」と嘆いていたという。
履歴書を見るとびっくり。
その子は大学のミスコンで優勝し、モデルとしてランウェイを歩いたり、雑誌の表紙を飾ったりするほどの美貌の持ち主。
話を聞くと「自分に自信がなくて悩んでいる。ミスコンに出場したのも自分に自信をつけたかったから」だという。
著者は「自分自身を無理に変える必要はなく、これまでの人生をどうすれば伝えられるかを考えていきましょう」とアドバイスした。
そして、彼女は見事とあるテレビ局に内定をいただけたという。
その人自身の中身を変えなくとも、伝え方の工夫次第で、本当に肝心な時に自分の思いを伝えることができる。自分の本質をどうすれば相手に伝えられるかを考えていくことが大切だ。
そして、彼女の場合、自信のなさが個性だった。
自信のないことが彼女の原動力となって、ミスコンに出場したり、雑誌でモデルをやったりとしていることが伝わってくる。
自信のなさが彼女の個性でもあり、魅力なのだ。
弱点をさらす

「自分に自信がない」ということは、言葉を変えると「自分はまだまだだ」と認めていることだ。
「自信がない」ということは、よりもっと学んでいこうという姿勢につながっているし、より世界を広く見ていたりする。
また自分が自信のない部分、コンプレックス、弱点を初対面の人にさらけ出すことは打ち解けるきっかけにもなりうる。著者は身長が157センチだが、初対面の人にも自分の身長のことを話すようにしている。自分のマイナスポイントを正直に話すと「信頼できる人」と思われるのだ。
自分はダメな人間だ。自分に自信が持てない……と悩んでいる人こそ、
自分の弱点を人にさらけ出していった方がいいのだ。
その弱点は個性に変わる。
そして、著者は自分のコンプレックスや弱さを伝えるエピソードを作りためにも自分年鑑を作ることをオススメする。
自分の弱みやコンプレックスが形成されるのは大学や社会人になってからではなく、小学生や中学生の頃が圧倒的に多い。
著者は就活生にアドバイスするとき、小学校や中学校など、それぞれ挫折経験を書いてもらっている。
マスコミを目指すきっかけに
ここでとある女子学生が書いてもらった年表を紹介。
家系 祖父は建築士。両親はいずれもテレビ局勤務。

幼年期 ごく普通の郊外の街で育つ
小学校 五年生のときに弟がいじめられ、父親の決断で、家族で一年間海外でのキャンプ生活を送る。六年生のときに帰国。まったく勉強ができなくなっており、悔しく毎日勉強する。
中学校 地元中学に通う
高校 引っ越し屋でバイト。NY旅行。平日に京都一人旅。学校で「100人ドッジボール」「全校宝探し」などみんなで楽しめるイベントを企画。
大学 本屋でバイト。上海で2週間語学留学。中国で2500キロにおよぶバックパッカーの旅に出る。世界最古の麻婆豆腐を食べる。化粧品会社のインターンで取材やイベントの司会を経験。美味しいお店を紹介するブログを書き続けていたら、雑誌のコラムを書く仕事をもらえる。
普通だったら一人旅や留学経験のことを面接で話そうと考えるが、それではよくあることだ。著者は、それよりも彼女が外の世界に興味を持ったのが、小学校五年生の時に半強制的に海外に連れて行かれたことだということに注目した。
しかもそのきっかけが、弟がいじめられたという体験だ。
海外留学をしたという話だったら、ポジティブだけども深みのない印象だったかもしれない。
その根源には、辛くて、自分の価値観がひっくり返るような体験が隠されていたのだ。そこから話をすることで、自分という人間をもっと深く相手に伝えることができるようになってくる。
すごい星

著者は、テレビ局のアナウンサーこそ天職だと信じ、全国のテレビ局を受けて、結果は惨敗。どうしてもアナウンサーになりたく就職浪人するも二年連続で希望の仕事にはつけなかった。
同期の人間がアナウンサーとしてテレビに出ていく中、自分とマスコミ内定者との差は一体なんだろう。
面接を受けるたびに、自分には何かが欠けていると悩み苦しんだという。
著者は三年間の就職活動でできることはやり遂げた。
結果、テレビ局に入社はできなかったが、テレビ局に入るための就活については人一倍詳しくなった。その体験をもとにテレビの就活に関する本を出版。
多くの就活生から感謝の言葉を多くいただいている。
自分には何もない。
もともと、すごい素質を持って生まれた人間に勝てっこない。
世の中には、すごい素質を持った人間と何も持っていない人間がいることは事実だ。しかし、何も持っていないからこそ、すごい素質を持った人が集まるすごい星を目指す原動力が生まれる。
こんなお悩みを解決!
自分に自信がない
→自分の弱点を正直に人にさらけ出す。そうすれば信頼され、いいコミュニケーションが生まれる。
→自分年表を作る。自分の弱点が形成された小学校や中学校時代を考えていくと、魅力的に相手に自分の弱点を伝えるストーリーを作れるようになる。
面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由
- 著者:霜田 明寛
- 出版社:日経BP社
- 発売日:2015/9/17
モデルプロフィール

- 名前:水谷花那子
- 生年月日:1993/9/29
- 出身地:大阪府
- 職業:慶應義塾大学
- 受賞歴:週刊ゴルフダイジェストビューティークイーン2016
- 趣味:クラシックバレエ・スペイン語・ゴルフ
- 最近の悩み:学生生活が終わること
- Instagram:@kanakomizutani
- LINEスタンプ:https://store.line.me/stickershop/product/1324362
(カメラマン:伊藤広将)
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