趣味と一緒に、人生を歩く。『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』

突然ですが、あなたには「本当にしたいこと」はありますか?この質問に即答できる人はそうそういないはず。きっとそれを探している真っ最中、なんて人が多いのではないでしょうか。

本書の著者、森下典子さんもかつては、そんな「本当にしたいこと」を探しているひとりでした。大学3年生の春、大学生のうちに何かを見つけたかったのに、あと1年で大学生活も終わってしまう。焦りを感じていたところ、母親から「やってみたら?」と提案されたのが、お茶。

 

お茶なんて古くさい日本の伝統のものだ、と考えていた筆者。それでも、仲良しの従姉妹が一緒に習いたいと言ったこと、焦り続けるより具体的に行動してみたほうがいいのかもしれないと考えたことから、お茶を始めることにしました。

それから25年。筆者は今でもお茶を続けています。息の長い趣味。一生をかけて、続けられるもの。そんな形で人生に寄り添う「お茶」の世界を覗いてみましょう。

日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-

  • 著者:森下典子
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2008/10/28

『形』が先。そこに『心』を入れる。


なにかを始めようとしたとき、あなたなら何から始めますか?どんなことにでも作法やルールはつきもの。それを一生懸命覚えることから始めるのが、一般的ではないでしょうか。その裏に隠された意味や理由を理解しながら、作法やルールを覚える。たとえそれがスポーツであれ、頭を動かすことは、何かを始めるときには欠かせないように思えます。

 

けれど、筆者が飛び込んだお茶の世界は、その限りではありませんでした。お点前の意味を聞いても、「とにかくこうするの」と言われる。お点前が覚えられず、メモを取ろうとすると止められる。そう、茶道の世界では、「見て感じる」ことが勉強で、「味わう」ことが大切だったのです。

お茶会に出かけて、本物を見る、触る。季節で変わるお点前や和菓子を、見て、味わう。そうして全てを五感の総動員で味わうお稽古を毎週毎週積み重ねていくうちに、筆者に訪れた変化が、「音」と「匂い」でした。それまで聞こえなかった音が、気づかなかった匂いが、筆者に届くようになっていたのです。私たちの想像する、何かを始めるときの手順とは反対かもしれませんが、筆者はお茶の世界を、確かに前進していたのです。

「やめるまで、やめないでいる」


就職活動が上手くいかない、仕事が忙しい。失恋をした、新しい恋をした。筆者がお茶を始めて10年経つまでに、人生にも様々な変化がありました。お稽古をサボった日も、お茶に支えられて乗り越えた日々もありました。

お茶を始めて13年目、そんな筆者は「お茶、やめる」と決心します。一緒にお稽古を受けている、素質をもった人と自分を比べて、苦笑したいような気持ちになったからです。

あなたにも、こんな経験はありませんか?好きで続けていたことなのに、ある時突然、何かが切れてしまう。続けてきたことを辞めるか、辞めないか。一番苦しいのは、辞めると決めてから、本当に辞めるまでのその間かもしれません。

筆者はそんな時に、お茶事というお稽古を経験します。そのお稽古の中で筆者はあることに気づき、お茶を「やめるまで、やめないでいる」ことに決めます。

お茶を徹して筆者が気づくひとつひとつのステップに、あなたはきっと羨ましさを覚えるはず。「やめるまで、やめないでいる」なんて、普段の生活で気づくことが出来るでしょうか。

「すぐにはわからないもの」を趣味にする

世の中に、「すぐわかるもの」と「すぐにはわからないもの」があるとしたら、お茶は間違いなく後者です。そんなお茶を趣味にすれば、一生付き合っていくことが出来る。一生「お勉強」ができる。本書を読み終わったときには、そんな趣味との付き合いかたが羨ましくなるはずです。

日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-

  • 著者:森下典子
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2008/10/28

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モデルプロフィール

 

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

杉山 智穂

『鬼平犯科帳』が好きな父親と『二十四の瞳』が好きな母親の間に産まれ、山に囲まれた田舎でのびのび育った女子大生。家族と和菓子と『ハリー・ポッター』が大好きで、来世くらいで魔法が使えたらいいなと思っている。笑う門には福来る、早起きは三文の徳、このふたつのことわざを信じて、にこにこ早起きをしている。