明日に絶対なんてない。「死にいちばん近い少女」と過ごしたあの夏『TUGUMI』

TUGUMI

  • 著者:吉本ばなな
  • 出版社:中央公論社
  • 発売日:1992/3/1

   小説「TUGUMI」は東京の大学に通う「まりあ」が、故郷の海辺の町に住むいとこの「つぐみ」との夏の思い出を描いた物語である。のどかな海辺の町と、つぐみの美しさがふわっと頭の中を駆け巡る読みやすい文章と、クスっと笑えるつぐみの徹底された性格の悪さが見所だ。

死にいちばん近い少女、つぐみ

つぐみは、地元で一番の美人で、生まれた時から医者に短命宣言をされてしまうぐらい体が弱い少女だ。その結果周囲に甘やかされて育ち、意地悪で粗野で口が悪く、わがままで甘ったれでずる賢い子になってしまった。部屋のカーテンは破くし、飼い犬の餌を蹴りとばす。彼女を愛する心優しい家族に「おまえら、あたしが今夜ぽっくりいっちまってみろ!あと味が悪いぞー」とか平気で言ってしまう少女である。

病弱で華奢な体、白い肌に細い髪、おはじきのような大きな瞳に長いまつげ。今にも死んでしまいそうな容姿に宿る強烈な魂を持つつぐみ。しかし彼女はどんなに体がだるくても弱音ひとつ言わない。そして、曲がっていながらも正しくあろうとしていた。そんな彼女に周囲の人は惹きこまれていた。

 

言葉にしないと伝わらない

一度会って話しただけで本当の自分が出せる相手っているものだ。そういう相手は大抵、雰囲気が似ていたり、ファッションセンスが似ていたり、生活態度が似ていたり…それ以外でも何か深い繋がりを感じる相手っていないだろうか。

つぐみと恭一の恋は、本当に突然始まった。恭一は、町に新しく出来るホテルオーナーの息子で、この夏この町にやってきた。つぐみと同じぐらいの青年だ。二人が恋人になるまでに交わした言葉はほんのわずかだ。なんなら出会って3度目でつぐみは恭一に「おまえを好きになった。」と告げてしまう。つぐみは本当に素直に何でも言葉にしてしまうのだ。思ったことは言葉にしないと相手に伝わらない。死を常に感じているからこそ、すぐ言葉に出来るのかもしれない。しかし私達の明日なんてつぐみと同様、誰も保証していないのだ。

こんな悩みを解決

ウジウジして前に進めない…とか、自分らしくいられないな…と悩んだ時是非この「TUGUMI」を読んで頂きたい。病弱ながらもとことん性悪なつぐみにクスっと笑ってしまうと同時に、小さいことでウジウジしている自分がなんだかバカらしくなってしまうのだ。つぐみのように、もっともっと、人の目を気にせず開き直ってみてもいいのではないだろうか。そして、そんな自分もまるごと愛してくれる人を大事にしたいものだ。

TUGUMI

  • 著者:吉本ばなな
  • 出版社:中央公論社
  • 発売日:1992/3/1

モデルプロフィール

  • 名前:ミライ
  • 生年月日:1994/12/22
  • 出身地:沖縄県
  • 職業:バイト
  • 一言:自分探しにはまってます!
  • 最近の悩み:お酒が弱い
  • カメラマン:村井優一郎
  • Twitter:@mirai_menu/Instagram:_mi_ra_1222

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WRITERこの記事を書いた人

yukako

大学生。出身は熊本県。熊本県民はくまモンをそれほど愛してないです。名前を漢字にすると、祐花子。お母さんが、お花が好きな優しい子になってほしかったみたい。将来は、カルチャーが持つ感動を世の中に伝えたい。趣味は読書(ただし小説とマンガ)。論理性も身につけるべきって思うけど、自分らしく感性で生きたいとか思っちゃう頑固。大学も、パンフレットのデザインで決めてしまった。エニアグラムタイプ4。