忘れていた何か、手に入らなかったもの。心が澄みわたる「青春小説」5選

青春を、何度でも。
「青春小説」をきっかけに、
日々に忙殺される間に忘れてしまった「あの夏」に思いを馳せてみませんか。

すいかの匂い/江國 香織

小学校の時のこと、思い出せますか?空調のきかない教室、すこしずつ顕著に現れるスクールカースト、教室にむせかえるシーブリーズの匂い、クラスで浮いているあの子の寂しそうな顔。随分前の出来事なのに、忘れられないあの人の言葉————バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音。 毎日の忙しさに追われ、慌ただしい毎日の中に消えていってしまったものたち。あの頃は感じることが出来たモノ、コト。この夏、「すいかの匂い」を読んで、思い出してみませんか。

あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある『すいかの匂い』

2017.07.10

八月の博物館/瀬名 秀明

終業式の帰りに寄り道した洋館に足を踏み入れ、時空を移動出来る博物館に足を踏み入れるトオル。ヒットを一作飛ばしたはいいものの、なかなか次の良い小説が書けず悩む小説家。エジプトを愛する19世紀の考古学者。本書は、この3人の物語りが交錯し、思わぬところで線を結ぶエンターテイメントだ。懐かしい夏の匂いが感じられ、スケールの大きい壮大な作品だ。

夏の冒険を待ちわびていたあの頃『八月の博物館』

2017.07.11

思い出のマーニー/ジョーン・G. ロビンソン

SNSで楽しそうな友達。返ってこないLINE。うまくいかない恋。家族の不和。仕事がうまくいっている同期と何もうまくいかない自分。「なんだか自分だけが置いてきぼりをくらっている感じがする。誰も気に留めてくれない気がする。寂しいな。」と感じてしまう瞬間。そんな時に本書を手にして頂きたい。

この世には、目に見えない魔法の輪がある『思い出のマーニー』

2017.07.12

少年たちの終わらない夏/鷺沢 萠

「少年たちの終わらない夏」は、10代を終えようとしている少年たちの夏を4部構成で描いている。どの少年もちょっぴり不良気味だ。高校を留年はするし、お酒を飲んだり、タバコを吸ったり、クラブに行って女の子を捕まえる。女の子に追いかけられて嫌がってみたり、とっかえひっかえしてみたりする。そんな若さ故のキラリとした少年達の群れに、どこか羨ましく感じてしまうのが本書の見所だ。そんな少年達も、いつまでも「子ども」ではいられない。みんな、少しずつ「オトナ」になる準備を始める。いつまでたっても子どものまま遊んでいられないのだ。

10代最後の季節、「群れでいること」の輝き。『少年たちの終わらない夏』

2017.07.13

TUGUMI/吉本ばなな

小説「TUGUMI」は東京の大学に通う「まりあ」が、故郷の海辺の町に住むいとこの「つぐみ」との夏の思い出を描いた物語である。のどかな海辺の町と、つぐみの美しさがふわっと頭の中を駆け巡る読みやすい文章と、クスっと笑えるつぐみの徹底された性格の悪さが見所だ。

明日に絶対なんてない。「死にいちばん近い少女」と過ごしたあの夏『TUGUMI』

2017.07.14

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