インド旅行記〈1〉北インド編
- 著者:中谷美紀
- 出版社:幻冬舎
- 発売日:2006/08
映画『嫌われ松子の一生』を撮り終えて間もない頃、女優の中谷美紀はインドに向かう。
他人の感情や価値観を媒介とし、取り込んでは吐き出すという女優という仕事に少しは慣れてはいるものの、今回ばかりは違った。
もう何もできない。何もしたくない。
女優という仕事柄、他人の感情や価値観と向き合ううちに、自身のアイデンティティ喪失の危機に陥ることがある。
しかも、今回は監督による怒号や激怒に毎日さらされ、肉体的精神的にも限界がきていた。
なぜ、中谷美紀はインドに向かったのか?
インドに行ったら人生観が変わると言われるが、本当にそうなのか?
「次に進む力と勇気を与えてくれた」という国で女優・中谷美紀が見たものとは?
インドを見るのに三ヶ月、インドを知るのに三年
一人の女性の流転の人生を演じたことを簡単に忘れるくらい強烈な場所に行かなければならないと思いつつ、他人に運命を定められていることにうんざりしていたもので、
まるで自ら運命を選び取ったかのような錯覚を抱いてインドを目指した。
いざ、現地に降り立ってみると、
縦横無尽に入り乱れる車やオートリキシャ、人、そして牛。路上で暮らす家族や物乞い。
ハエの群集とともに口にする食事。
想像を遥かに凌ぐハプニングと現実を目の前にして、たかが映画一本の撮影で疲れたなどとは言えないくらいの、無秩序で壮絶な現実が著者の目の前には広がっていた。
広大でありとあらゆる人種が混合するインドを全て回るのに三ヶ月はかかるという。
人々が生きる上で必要な拠り所を求める姿をガンジス河で目の前にし、
信じているものだけでは、どうにもならない現実が国全体に横たわっている。
インドに行ったら人生観が変わるとよく言われるが、少し大げさかもしれない。
しかし、人間臭さの残るインドの人々を見ていくうちに、人間本来の幸せとは何のか考えさせられてしまうのではないのか。
どうしようもない現実を目の前にして

インドに根深く浸透しているカースト制度。全てが身分で区別され、生まれた瞬間にその
子供の運命が決められてしまっている。名前でカーストがわかってしまうため、差別の意識は庶民の奥深くまで浸透している。どうにもならない現実を目の前にして人々はどう生きているのだろうか?
著者はインドを旅している間、自分の価値観で物事をジャッジして吐き出すように日記を書いていたという。数々の不満を抱え込み吐き出すように書いていく中で、自分の価値観が崩れていった。
日本とはかけ離れた異なる景色、多様な価値観を目にして、物事をただ一方からしか捉えていなかった自分を再発見できる。
カースト制度で身分が分断され、灼熱の大地に精一杯生きている人々を目の前にすると
命の尊厳などを嫌でも考えてしまう。
たかが映画一本で精神的に追い込まれてしまったことすらも忘れてしまうぐらい
毎日がハプニングの連続だったと筆者はいう。
インドにいる間、毎日多様な価値観を触れ、少しずつ自分の中の何かが変わっていったのかもしれない。
旅から戻る
インドの印象は、二度と行きたくないというものと、死ぬほど好きという二極に別れると言われるが、筆者はそのどちらでもないという。
インドは確かに面白し、いつか再び訪れてみたいと思うが、死ぬほど好きかと言われれば、そこまで好きでもない。
しかし、この国に逃げてきて多くのことを学ばせてもらったという。
毎日のように繰り返される日常の中、人間の尊厳や生命の尊さ、生きるということを
かの国では学べるのではないでしょうか。
こんなお悩みを解決
- 日本から逃げたい
→インドに行けば、毎日のようにハプニングが連続する日々が待っている。
自分を変えたい。自分の居場所を探している人がいたら一度はインドに行ってみては。
多様な価値観に触れていくうちに、自分の中の何かが変わってくるはず。 - 次に進む勇気が欲しい
→ありとあらゆるハプニングとトラブルが待っているインド旅行。
あなたがインドを旅して、日本に帰国をする際にはきっと今までの自分と違っているはず。過酷な現実に耐え抜いたあなたは日本に帰る頃には、今まで以上に強い自分になっている。
インド旅行記〈1〉北インド編
- 著者:中谷美紀
- 出版社:幻冬舎
- 発売日:2006/08
モデルプロフィール

- 名前:柳田菜月
- 生年月日:1996/03/19
- 出身地:茨城県
- 職業:学習院女子大学
- 出演歴:ミス和2014ファイナリスト
- 趣味/一言:ピアノ、ギター/夏を楽しみたい♩
- 最近の悩み:就活
- Twitter:@Natsuki_yanagida
- Instagram:@natsunon3190
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