消せない過去を受け止めて。祈りよ、届け。『イノセント』

イノセント

  • 著者:島本 理生
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2016/4/26

避けられない運命と過去との対面

 2016年もあっという間に半分が過ぎ去り、日に日に夏らしさが増す7月序盤。

本日ご紹介するのは島本理生さんの最新刊『イノセント』。

かすれた金色の表題が悲痛に輝いています。

 さあ、登場人物と共に過ごす、懺悔と祈りのお時間の始まりです。

 本日は本を読みながら、私が敬愛するHYDEさんのソロアルバム『FAITH』をぜひお聞きください。神への嘆き、願い、心の叫びが詰まった作品です。

 主人公の比紗也は、とても美しく若い女性美容師です。
来るもの拒まず、去る者追わずな性格から、いわゆる「ビッチ」とも思われてしまう彼女。

 比紗也はシングルマザー。
まだ幼い息子を愛し、子育てを生活の中心に据える彼女は、ただ、自分を愛することができないだけかもしれません。
自分のことを蔑ろにしがちな彼女だからこそ、庇護欲に駆られた男たちの目に留まってしまうのでしょうね。

 そんな比紗也の魅力に惹きつけられた男が2人。
イケイケな会社経営者の真田と、カトリックの神父である如月です。

運命のいたずらで、何の共通点もない3人が出会ってしまった。
出会わなければ何も変わらず平穏な日々を過ごせたのに…

 そんなことになった時、貴女だったら後悔しますか?
それとも、その出会いを好機と捉えることができるでしょうか?

 きっと答えは自分次第。その巡り合わせに幸せに感じられなければ、何も素直に受け止められません。

幸せは誰が決める?

 この本と、自分自身と向き合うためのキーワードは、神。

 神さまと聞くと胡散臭く思われる方、底知れぬパワーを感じられる方、様々いらっしゃいますよね。
ふとした拍子に、ただの友達が神さまに変身することだってあります。

 悪いことをすれば罰があたるし、良いことをすればそれが自分に返ってくる。
これが神さまの仕業だとしたら、神の監視システムから逃げることは相当至難の業でしょう。

 比紗也と真田と如月、この3人もそれぞれに過去を背負っています。
神に仕える身の如月ですら、まだ告白していない過去を抱えています。
そして3人とも、過去を清算しきれずに現在にまで引きずってしまっています。
自分は許されてはいけない…そう思うことで、自分自身を守ることができる。

…でも、本当にそうでしょうか? 

「なあ、神は本当に心から俺たちに信じ切ってもらいたいと思うか?」


如月は自分に潜むもう一人の自分にこう問います。
もちろん、神父である彼は「思うよ」と答えます。

 「だったら、なんであんなに俺たちを試す?」


全ての出会いが神によって仕組まれたものだったとしたら…
たった今も思い悩まされている過去の出来事も、神の仕業だったとしたら…

 信じるべき神に試練を与えられている私たち。そう考えると確かに、素直に神を信じるのは難しいかもしれませんね。
だからこそ、私たちは自分自身を信じなければならないのです。

神から与えられる試練を乗り越え、他人を信じられるようになるには、まず、他でもない自分自身に対して絶大な信頼を置けるようにならねばなりません。 

神が撒いた幸せの種を一生懸命に育てることができた時、初めて幸せを感じられるようになるのではないでしょうか。

 本当は、許されたい。誰かに想われていたい。

 真田が抱える過去は、他の2人とは少し異なります。彼の場合、軽すぎる振る舞いが積もり積もって、今に重くのしかかっています。
彼には信頼できる女友達、キリコという存在があります。
彼女の一言はピンポイントで実によく突き刺さります。 

「女は百歳になったって、自分が一番で特別だと思いたいの。」

比紗也が真田のことをイマイチ信頼できないのは、彼女の過去のせいでもあるし、信頼感を与えてあげられない真田のせいでもあります。

異性の心を理解するのは本当に難しいです。しかし、女であり男であることを除けば、そこにいるのは神のもとにあるただ2人の人間なのです。
お互いがお互いを必要とし、求めあう心さえ分かち合えれば、たとえ自分自身を愛すことが出来なくても、愛されることができます。

 分かち合うためには、自分からさらけ出すことも大事。

 「素直になることは、べつに負けることじゃないのにね」

 これもキリコの言葉です。キリコは自分自身の手で未来を切り開く女性。
きっと、素直になれたからできたことなのでしょう。

 神は「汝、隣人を愛せよ」と言いました。
でもあなたは、まずは自分自身と向き合い、自分自身を愛するところから、始めてみませんか? 

こんなお悩みを解決

*悩みが尽きない
→根本を探りましょう。自分自身と向き合いましょう。
*神になりたい
→誰にとっての神になりたいのですか?その人に喜ばれることをすれば簡単になれますよ。
*素直になれない
→ツンデレもほどほどに!

イノセント

  • 著者:島本 理生
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2016/4/26

モデルプロフィール

  • 名前:オウソンウン
  • 生年月日:1985/11/23
  • 出身地:ソウル
  • 職業:自営業ー通信販売
  • 趣味:本を読む、映画鑑賞
  • 最近の悩み:人間関係
  • Facebook:https://www.facebook.com/sungeunoh

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