2017年最も売れた図鑑と言えば一風変わったこの一冊「せつない動物図鑑」である。切ない図鑑?と聞くとイメージが沸きにくいかもしれないが、本をペラペラと捲るだけですぐにそのユニークさに目が留まる。大人になると、わざわざ図鑑を持ち出して調べる機会が減ってしまう。もう知らないことはない、そう決めつけてしまっているからだろうか。この一冊は、まだまだ知らない世界があると私たちにそっと差し出しているのかもしれない。
せつない動物図鑑
- 著者:ブルック・バーカー (著), 服部 京子 (翻訳)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売日:2017/7/20
動物にも切ない一面がある
本書は、ニューヨークやロサンゼルスで大ベストセラーとなったものを翻訳して出版したものである。前書きでは、著者であるブルック・バーカー氏がこの本を執筆するに至った経緯を述べている。「どんな生き物とも、お友だちになれますように」。そういって彼のおばあさんは彼が生まれた日に動物の赤ちゃんの本をプレゼントしてくれたそうだ。
その想いあってか動物が大好きな少年に育ったのだが、両親はペットを飼うことを許してはくれなかった。そこで、動物の本や図鑑を読みあさり気がついたことが、動物にも切ない一面があるということだったという。かっこよくてかわいいばかりではない。動物は「特別ではない」と伝えたかった。では、本書で紹介されている動物の切ない部分を少しだけ紹介しよう。
動物の意外な一面を垣間見ることができる
誰もが知っている動物の、あまり知られていないせつなさをイラストつきで分かりやすく紹介している。例えば「コウテイペンギン」はキリッとしたかっこいい姿が印象的な人も多いのではないだろうか。しかし、実は、コウテイペンギンは外観で家族を見極めることができない。大切な家族の外観が分からないという切なさを抱えているというのが著者の見解である。
お次は、ミツバチ。ミツバチと言えば、花の蜜を集める働きバチとして知られている。実は、ミツバチは500gのハチミツを作るために、時給換算すると2000万円分働かなくてはないけないそうだ。これはなんとも切ない現実。
最後に紹介したいのは、キツネである。ふわふわとしたかわいい外見が印象的だが、キツネは一生朝から晩まで一人ぼっちで生きる動物らしい。群れを成す動物が多い中、キツネは子供を育てるわずかな期間しか仲間と共に生活することはないそうだ。知らない情報を得ることで、不思議と動物に愛着が沸いてくる。
このようになかなか得ることができない知識を「切なさ」というユニークな視点でまとめている。読み始めるとついつい夢中になってしまうのは、私だけではないだろう。
「知る」というのは興味深い
本書では全部で112匹の動物たちの切なさが紹介されている。思わず嘘!と思うような本当の話に出会えるのではないだろうか。
本書を読み終わり感じたことは、知る、というのはとても楽しいということ。大人になるにつれて、新しいことを知る機会は少なくなっていく。
だからこそ、知らない世界に触れるのはとても興味深いことだ。大人になったからこそ楽しめる、動物図鑑。思わず話したくなるネタに出会えるはずだ。
せつない動物図鑑
- 著者:ブルック・バーカー (著), 服部 京子 (翻訳)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売日:2017/7/20
モデルプロフィール

- 名前:酒井瑛莉
- 生年月日:1993/12/07
- 出身地:東京都
- 職業:大東文化大学
- 出演歴:ミス大東2013ファイナリスト
- 趣味/一言:映画鑑賞、書道
- 最近の悩み:生き方
- Twitter:@eriolol7
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