カラフルな車窓からの風景が眺めたい『いのちの車窓から』

2017年、テレビで彼を見ることがない1週間などなかったのではないだろうか。そう、星野源さんのことだ。俳優に音楽家、そして作家とあらゆる才能を開花させ、それぞれのステージで眩いほどに輝いている。

今、ここにそんな彼が書いた1冊のエッセイがある。『いのちの車窓から」。躍進を止めない彼のエネルギー源や、今考えていること。そして、これからのこと。最後まで読み終える頃には笑顔の裏に貼られた言葉を垣間見てしまった、感慨深い気持ちになった。
「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に例えるなら、この車窓は存外面白い」
星野源さんの車窓には、どんな気色が映っているのだろうか。

いのちの車窓から

  • 著者:星野源
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日:2017/3/30

人見知りを辞めたとき

本書は雑誌「ダ・ウ”ィンチ」で著者が連載している「いのちの車窓から」短編エッセイを1冊にまとめたものだ。移ろう景色の中で感じたことや大切にしてきたことが読みやすくまとまっている。
そういえば、著者が昔は人見知りだった、という話をラジオで聞いたことがあった。このエッセイにも同じタイトルの項目があり、パラパラと捲ってみる。「人に嫌われたくないという思いが強すぎて、コミュニケーションを放棄していた」。人見知りだったころの自分を恥ずかしいと振り返り、数年前からは心の扉の鍵は開けておくようにしたそうだ。

「そもそも、どんな人間も一人であり、だからこそ人は手を取り、コミュニケーションを交わすのだ」

この一文に、私は著者の人柄を感じずにはいられなかった。

「恋」の歌詞が生まれた瞬間


本書では、作曲をしている過程やライブの様子、作詞をしているときの風景など、普段の製作風景も綴られている。その中でも目が留まったのは『逃げるは恥だか役に立つ」の主題歌ともなった「恋」を作詞しているときのエピソードだ。

 

8月の終わり、仕事までの時間に見慣れた景色の中を散歩していた。空は青く、街の騒音が遠くなる住宅街では、どこから途もなくご飯の香りが漂う。そこには、当たり前の日常があった。

「ふと誰かの手を握りたくなった。キスをしたり、抱きしめたり、肌を重ねたくなった。こういうときに恋が生まれるのだなと思った。」

もうすぐ、仕事が始まる。この風景の中で完成したのが、2017年カラオケリクエストランキングでも1位を獲得した「恋」だ。ありふれた風景の中から、紡ぎ出された言葉。そこには等身大のストーリーがあり、だからこそ多くの共感を呼ぶのだろう。

眺めたい景色がある


20代はずっと一人ぼっちだと思っていた。人見知りで、シングルが9枚も出せている自分を想像することもなかった。そんな著者が、今や時代の顔と賞されている。それは、彼自身が自分と向き合い、自分で進むべき方向へと舵を取ってきたらからなんだ、と実感せずにはいられなかった。
「現実は一つだけれど、どの窓から世界を見るのかで命の行き先は変わっていくのだろう。」
ぜひ、著者の言葉で綴られた車窓から見える景色を、眺めてみてもらいたい。

いのちの車窓から

  • 著者:星野源
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日:2017/3/30

モデルプロフィール

  • 名前:辻井 沙英
  • 生年月日:1998/09/05
  • 出身地:大阪府
  • 職業:慶應義塾大学
  • 受賞歴: ミスオブサークル2018出場中、Fresh Campus Contestセミファイナリスト
  • 趣味/一言:キティちゃんと抹茶が大好きです♡
  • 最近の悩み:サンリオピューロランドに行けてないこと
  • Twitter:@saennukirarinpa

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WRITERこの記事を書いた人

そらい なおみ

言葉、コラージュ、写真等の作家活動を通じて大切な何かを伝えられたらと思っています。 2015年東京銀座にて個展開催、2016年ロンドンでの企画展参加。ライターとしても精力的に活動中。 幼い頃から「本」を通じて大切な感情を学んできました。その分「本」を通じて「本」に恩返しが出来るといいなぁと思っています。