Are We Alone? 私たちはひとりぼっちなのか?答えを探す『星を継ぐもの』

星を継ぐもの

  • 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日:1980/5/23

 

1週間に一つの悩みを設定し、解決に役立つ7冊を紹介してきた本to美女でありますが、今週は「解決」なんて気張らずに気楽にやっていこうと考えています。

今週のテーマは、「秋の夜長に感じてしまうそこはかとない寂しさを埋める本」として、私が面白かったなあと思った本を取り上げていきます。今回取り上げる本たちは、パッと思いついた7冊であり、よくよく思い返してみるとたくさんの本たちを楽しみながら読んだ記憶が蘇ってきました。今回取り上げることのできなかった素晴らしい本たちは、また別の機会に紹介したいと思います。

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普段は自然科学系の本を紹介することが多い私ですが、今回は小説を紹介していきます。先に白状してしまいますが、小説の後ろについている解説文などは、ついさっきまで浸っていた物語の世界から白けた現実に引き戻されるような気がしてしまうので、全く読まないのが私のポリシーです。面白いから読んでみて、以上の言葉はいらないとも考えています。

自分だったら読まない文章を人様に読んでもらおうなんておこがましいとも思いましたが、もしも私がこのメディアで紹介することで、誰か一人でもその本を手に取ってくれることがあるならば、書いてみる価値はゼロではないかもしれないと思い直しました。

そういうわけで、これから書いていく文章の言いたいことはたった一つ。

「面白いから読んでみて」

私は物心ついた時から宇宙が大好きで、今でも心の真ん中は宇宙でいっぱいです。幼い頃から宇宙を舞台にした小説・映画・漫画などを楽しく読んできましたが、中でも今回紹介する「星を継ぐもの」は特別な一冊です。

宇宙を舞台にした小説は数多くあり、本の表紙のかっこよさも魅力の一つです。銀河の星々や重厚長大かつ奇抜な形をした宇宙船などを全面に押し出し、いかにも宇宙ものという雰囲気を出している本が書店にはたくさん並んでいます。「星を継ぐもの」はそうした本たちと並べてみると比較的おとなしい印象を表紙からは受けます。宇宙飛行士が二人で何かの施設内を粛々と探索している様子が描かれ、果たしてどのようなストーリーが展開されるのか、パッと見ただけではわかりません。物語を読み進めていくと、このシーンがいかにワクワクするものかが分かると思いますが、それは是非自分で確かめてみてほしいと思います。

秋の夜長という言葉がありますが、空気が徐々に澄んできて星々が輝きを増すこの季節は夜が長くてよかったな、と個人的には思います。月が綺麗だな、とふと空を見上げた時に、そっと輝く星たちとその間に横たわる暗闇のどこかに、こちらを見ている何者かはいるのだろうかと考えてしまう時があります。しかし宇宙広しといえども、地球以外に生命が誕生した・もしくは存在している証拠は未だ見つかっていません。私たちは一人なのか、人類が問い続けてきた答えを見つけることは私が生きている間に叶えられるのか、こうしたことをぐるぐる考え続けるうちに明けた夜もありました。忙しい日々に埋もれて、息つく暇もなく、空を見上げる心の余裕をなくす時が来るのだろうかと思うとどこか寂しい気もしています。

一つのことに集中することはとても大切ですが、自分の世界の狭さに疲れてしまった時に、果てしない宇宙を感じられる本書は表現しがたい開放感を与えてくれると信じています。

月面で発見された深紅の宇宙服をまとった死体から全ては始まる

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地球以外で人類が唯一その地を踏みしめた天体-月。かつての宇宙開発のフロンティアで見つかったのは、そこにあるはずのないものだった。深紅の宇宙服をまとった死体。その死体の主は放射性炭素年代測定によると5万年前に死んだものだと判明した。地球ではクロマニヨン人が台頭し始めるかどうかの時代に、月で活動していたこの宇宙飛行士は一体何者なのか。

時期を同じくして、木星の第3衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸と思しきものが発見される。

二つの謎は関連しているのだろうか。人類は初めて自分たち以外に遭遇する。

月からさらに先へ

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「星を継ぐもの」はシリーズものであり、「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」へと続いていきます。月から木星の衛星へ、宇宙を飛び回る物語に私は心躍らせながらのめり込んで行きました。

もしも「宇宙」という言葉に少しでもワクワクするのなら、きっと楽しい時間を過ごせると思います。いつしか見上げることを忘れた空のその先へ思いを馳せてみてはいかがですか。

星を継ぐもの

  • 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日:1980/5/23

モデルプロフィール

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  • 名前:高村幸恵
  • 生年月日:1995/12/21
  • 出身地:栃木県宇都宮市
  • 職業:首都大学東京
  • 受賞歴:ミス首都大ファイナリスト 2016
  • 趣味・一言:本を集めることが好きです!
  • 最近の悩み:時間が足りないことです
  • Twitter:@tba2016_ms_no2

(カメラマン:伊藤広将)

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