「秋の夜長に感じてしまう、そこはかとない寂しさを埋める本」特集

今回のテーマは、「秋の夜長に感じてしまうそこはかとない寂しさを埋める本」として、私が面白かったなあと思った本を取り上げていきます。今回取り上げる本たちは、パッと思いついた7冊であり、よくよく思い返してみるとたくさんの本たちを楽しみながら読んだ記憶が蘇ってきました。今回取り上げることはできませんでしたが、まだまだある素晴らしい本たちは、また別の機会に紹介したいと思います。

『四畳半神話体系』/森見登美彦

今何ページを読んでるなあ、次のページをめくる頃合いだなあ、なんて頭のどこかで考えながら読む本もありますが、四畳半神話体系はまさに作品世界に没頭して読むタイプの本です。京都の街を舞台に繰り広げられる愛すべき阿呆大学生活を追体験するうちに、きっと寂しさを感じることはなくなっていると思います。秋の夜長をにやにやしながら過ごしてもらえれば幸いです。

愚鈍な知性の極みがもたらす非生産的エンターテインメント『四畳半神話体系』

2016.10.24

『スフィア』/マイクル クライトン

球体というものは他の構造物に比べて、人間にとって何か特別なものであるらしい。古来から信仰の対象となったり、ある種の理想を体現したものというイメージを付与されたりと人々の好奇心を刺激する何がしかの要素があるのでしょう。
そんな「球体モノ」の中でもお勧めが「スフィア」です。タイトルもど直球、一目見た瞬間に球体が登場することが分かるという作者のネーミングセンスも気に入っているポイントの一つです。

得体の知れない球体『スフィア』が呼び起こす恐怖と好奇心の鬩ぎ合い

2016.10.25

『星を継ぐもの』/ジェイムズ・P・ホーガン

「星を継ぐもの」は比較的おとなしい印象を表紙からは受けます。宇宙飛行士が二人で何かの施設内を粛々と探索している様子が描かれ、果たしてどのようなストーリーが展開されるのか、パッと見ただけではわかりません。物語を読み進めていくと、このシーンがいかにワクワクするものかが分かると思いますが、それは是非自分で確かめてみてほしいと思います。

Are We Alone? 私たちはひとりぼっちなのか?答えを探す『星を継ぐもの』

2016.10.26

『クロスファイア』/宮部みゆき

本作の主人公、青木淳子は念力放火能力、通称パイロキネシスを持っています。燃えろ、と念じるだけで対象が発火するという世にも奇妙で恐ろしい能力です。男子中学生であれば喜びそうな能力ですが、彼女はこの力に悩まされ続けてきました。能力の暴走を防ぐために、ある一定の期間ごとに能力を解放しないといけないのです。無力感に咽び泣くのも人間ならば、力ゆえに慟哭するのも人間です。あなたは彼女にどのような自分を重ね合わせますか。 

力を持ってしまったがゆえの葛藤『クロスファイア』

2016.10.27

『プールの底に眠る』/白河 三兎

「僕」が高校生最後の夏休みに裏山で出会った可憐な少女は、命を絶とうとしていました。その場に居合わせてしまった「僕」は何も見なかったことにしようとしますがそうはいかず、結局彼女に向きあうことになります。これから死のうとする彼女に「僕」はなんとなく、眠れぬ夜に考えるイルカの物語を聞かせました。
せつなく、優しく、露わになった心をそっと包む、この物語はあなたにそんな思いをくれるかもしれません。 

せつなく、優しく、露わになった心をそっと包む『プールの底に眠る』

2016.10.28

『バーティミアス』/ジョナサン・ストラウド

物語に集中するあまり、気付いたら日が昇っていた、という経験を人生で初めてしたのが本書「バーティミアス」です。ナサニエルとバーティミアスの関係性が面白い。へっぽこ魔術師のナサニエルが必死で成長していく様に自分を重ねながら、なんだかんだ頼れるバーティミアスのような存在がいてくれたらなあと羨みながら、次々と起こる事件と現れる強敵との戦いに引き込まれていきました
変わり映えのしない日々に疲れた時は、妖霊と少年の織り成す物語にどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。 

老獪な悪魔と生意気な少年魔術師『バーティミアス』

2016.10.29

 『一九八四年』/ジョージ・オーウェル

本書1984年は誰もが情報の発信者となりえない時代の中で書かれた作品です。1949年にイギリスで発行された本書は、第二次世界大戦を終え東西冷戦へと突入した頃の世界情勢への不安や懸念といった感情が反映されているのではないかと推測される箇所が多々あります。全体主義の薄気味悪さをひしひしと感じられる物語の序盤はその代表例といってもいいでしょう。

SF史に燦然と輝く金字塔 『一九八四年』

2016.10.30

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