「自分の記憶」を解き明かす、ミステリーの新機軸『あなたのいない記憶』

あなたのいない記憶

  • 著者:辻堂 ゆめ
  • 出版社:宝島社
  • 発売日:2016/10/22

 

「自分の記憶が他の誰かに書き換えられる」――こんなことが現実に起きる現象だと言われたら、あなたは信じられますか?

本当は起こっていない噓の出来事に関して、実際に体験したかのように鮮明に“記憶”してしまっていることを「虚偽記憶」と呼びます。

SF小説の世界の話ではありません。現実に心理学の分野で取り上げられる現象なのです。

自分の大切な思い出が、他人によって、それも愛する人によって書き換えられた噓の記憶だと知ったら、あなたはその人にどんな想いを抱くでしょうか? そして、偽られた出来事の真実を、あなたは知りたいと思うでしょうか?

今回ご紹介したい本、『あなたのいない記憶』(著:辻堂ゆめ)は、そんな「虚偽記憶」の謎をめぐるミステリー小説です。

食い違う「憧れの人」の記憶

miho_haraguti1_1

 

大学進学のために高知から上京した優希は、新入生勧誘の人波の中で友人・淳之介と小学生以来の再会をする。旧交を温める二人は共通の知り合い「タケシ」の思い出を語りはじめるが、互いの話すタケシについての記憶はなぜか大きく食い違う。

「絵本作家でチェスの名人」である優希にとってのタケシと、「バレーボールの日本代表」である淳之介にとってのタケシ。あまりに噛み合わないタケシの正体を確かめるため、同じく共通の知り合いで、タケシの幼馴染の京香に連絡を取る二人。しかし、京香が語ったタケシもまた、優希と淳之介のどちらの記憶ともまったく異なるものだった……。

自分たちの記憶障害まで疑い始めた二人は京香を連れて、心理カウンセラーの晴川あかりのもとを訪れる。そこで晴川に提示されたのが、「虚偽記憶」の疑いだった。

晴川は次のように説明を続ける。
「あまりに荒唐無稽な虚偽記憶っていうのは、誰かが明確な意図を持って植えつけない限りはめったに起きるものではないの」

では、誰が、何のために?

「タケシ君に関する記憶を操作することで、いったい誰が得をするのか。」

巧妙に仕掛けられたのは「優しい嘘」。やがて解き明かされる真実に、あなたはきっと胸を打たれるでしょう。

「虚偽記憶」という新しいトリックが生み出す感動のストーリーに挑んだ辻堂ゆめさんの、ミステリーの新機軸たる最新作。

作家の有栖川有栖さんや、書評家の方々、さらには大学のミステリー研究会といったミステリー読みのプロからも絶賛の声が上がっています。

この謎の末に、誰が幸せになれるのか。ぜひ注目して、ご一読ください。

(寄稿記事 : 宝島社)

あなたのいない記憶

  • 著者:辻堂 ゆめ
  • 出版社:宝島社
  • 発売日:2016/10/22

モデルプロフィール

miho_haraguti_profilm
  • 名前:原口未帆
  • 生年月日:1994/5/12
  • 出身地:三重県
  • 職業:首都大学東京
  • 受賞歴:首都大学東京ミスコンテスト2016ファイナリスト、ミスサークルコンテスト2017 グランプリ
  • 趣味/一言:バイク︎
  • 最近の悩み:忙しくて友達とあまり遊べていないこと
  • Twitter:@mihoharaguchi

(カメラマン:伊藤広将)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします