君の名は
- 著者:新海誠
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2016/6/18
糸守町、三葉、瀧くん、そしてティアマト彗星……。
あの感動を、もう一度小説で。
興行収入111億円を突破(2016年9月26日付け)、歴代20位まで人気を押し広げている映画『君の名は。』
新海誠が世に送る第7作目となる本映画に先駆け、小説版がひっそりと先に発売していたのをご存じだろうか。今回は、『君の名は。』ロケ地の新宿で、美女と共に小説版の読むべきポイントをまとめてみた。
極力、ネタバレは控えているので安心して読んで欲しい。
映画を見た人は、もう一度三葉と瀧くんに会いに行こう。
小説版ってどゆこと?

実はこの小説版、映画よりも1ヶ月ほど先に発売されている。
「どっちが原作?」と問われると難しいところ。
先に長編アニメーションでの構想が先にあって、後にノベライズの話が上がってきたのだ。(それでも、書店ではこちらが原作!とPRされているが……)
新海誠自身「この小説を書こうとは、本当は思っていなかった。」と語っている。
『君の名は。』は長編アニメーションこそ一番相応しいと思っていたようだが、「書きたい」と気持ちが徐々にスライドしていったようだ。巻末で新海誠が語っている。
その理由は、どこかに瀧や三葉のような少年少女がいるような気がしたからだ。この物語はもちろんファンタジーだけれど、でもどこかに、彼らと似たような経験、似たような想いを抱える人がいると思うのだ。大切な人や場所を失い、それでももがくのだと心に決めた人。未だ出逢えぬなにかに、いつか絶対に出逢うはずだと信じて手を伸ばし続けている人。そしてそういう想いは、映画の華やかさとは別の切実さで語られる必要があると感じているから、僕はこの本を書いたのだと思う。
ふむ。まとめると、「三葉や瀧くんっぽい人が世の中にいるから、映画の華やかさを抜いて、切実に彼らの想いを語る必要がある」と言っているようだ。
では、この「映画の華やかさを抜いた切実」とは? 次章で小説版だから楽しめるポイントを整理する。
視点は三葉と瀧くんの二人称

ここが最大のポイントだろう。
映画では3人称視点、俗に神様視点で話が進んでいくが、小説版では全ての描写が三葉と瀧くんが見たまんまで描かれる。
つまり、瀧くんが三葉になっているときは瀧くん視点。
三葉が瀧くんになっているときは三葉視点になっている。
……ない。
見覚えのないTシャツはお腹まですとんとまっすぐに落ちていて、ない。
おっぱいが、ない。
そして、やけに見通しの良い下半身のその真ん中に、なにかがある。
<中略>
……これ、なに……?
朝起きて、瀧くんになっていた三葉の様子なども、すべて丁寧に書かれている。
瀧くんの視点で語られるパートもあり、
奥寺先輩(バイト先の綺麗な人)を前にあたふたするシーンなんかは
……あの奥寺先輩とデート? しかも俺なにげに初デートじゃねぇか。アイドルみたいな女優みたいなミス日本みたいな奥寺先輩と初デートなんて、ハードルめちゃくちゃ高すぎなんですけど。今からでも頼むから交代してくれよ三葉のアホ!
言ってることはそこらのキモオタと変わらないのである。
しかも、あんなイケメンな瀧くんは初デートだったらしい。小説版でしか味わえない描写がたくさんあるのだ。
映画の演出や音楽がそこにない分、1.5m先の非日常を描いている点がいい。
読んでから見るか、見てから読むか。

このコピーは、KADOKAWAがよく使うのだが、
小説を読んでから映画を見るか、映画を見てから小説を読むか。
永遠の命題である。
ちなみにライターの筆者は小説を読んでから劇中に行ったのだが、正直読んでから見る方が断然おすすめだ。
なんといっても、「俺、読んでいるんだぜ」といった全能感とも呼ぶべき優越を持って劇中に行くのに、新海誠の鮮やかな色彩にやられ、RADWINPSの「スパークル」にやられ、結局「うわ~ん『君の名は。』最高だっだぁ。よがっだぁ~」と感動し、期待を超える破壊力を体験できるからだ。
すでに映画を見た方は、より時系列を理解したり、三葉や瀧くんしか知りえないセカンドストーリーに足を突っ込んでみても面白い。まだまだ、ブームは終わってないのだから。
君の名は
- 著者:新海誠
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2016/6/18
モデルプロフィール

- 名前:矢端名結
- 生年月日:1993/11/12
- 出身地:群馬県
- 職業:学生
- 趣味:映画鑑賞
- 一言:はじめまして。今日も一日頑張りましょう!
- 最近の悩み:梅雨の時季なのでよく傘を無くしてしまうこと。
- Twitter:@shortcut_yabata
(カメラマン:伊藤広将)
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