講義さながらの臨場感で経済勉強!『カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 日本経済編』

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こんな人におすすめ!

  • とにかく分かりやすい入門書を探している人
  • 経済のニュースをちゃんと理解したい人

どうして経済って、こんなに固いんだろう。もう、全てが固い。
日経新聞の文体も、キャスターの語り口も、数字の羅列も。
経済界隈で唯一柔らかいのは評論家の森永卓郎氏ぐらいではないだろうか。

突然のディス(?)はさておき、そんなお固い経済に飽き飽きしている。でも、しっかりとわかりやすく勉強したい!といった読者にぴったりだ。
著者はカリスマ受験講師として知られる細野真宏氏。数学関連の著書も多いので、ご存知の方もいるのではないだろうか。
(個人的には『細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!』が好きだ)

本書には、塾を一番前で受けているかのような”講義の臨場感”が存在する。嫌というほど分かりやすく教えてくれるので、これ一冊読み終えた頃には経済のしくみを概観的に理解できることだろう。

円安?円高? どっちがどっち

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ページを表紙、目次とめくっていくと1章目「円高と円安と日本の景気について」と書いてある。
大体、経済の入門書を選ぶ際どのレベルから話はスタートするのかを見極めるといい。自分の理解度と足並みを揃えながら読み進められるからだ。

本書は「円高」、「円安」の概念から教えてくれる。さらに細かい配慮があり、この1章は小学生や中学生向けに執筆したので読み飛ばしてもらっても構わないと記されている。
336pと結構なボリュームがあるが、受験参考書のようにビジュアル的に理解ができるのが特徴だ。

1ドル=1円…A
1ドル=100円…B

どちらが円高だろう?と、問いを投げかけるところから講義は始まる。
ちなみに答えは「Aが円高」である。なんだ簡単じゃんって思う方は読み飛ばすといい。
もう、このレベルから優しく解説してくれる。

一見、Bの方が100円って書いてあるんだから、こっちが円高だろうと思ってしまうのは無理もない。
これは、「1ドルに対して円の価値が上がる」から「円高」と覚えれば簡単だと著者は言う。

Aは1ドルを買うのに1円でいい。
しかし、Bは1ドルを買うのに100円も用意しなくてはならない。Aよりも99円も多く円を払わなければならない状況にある。

つまり、1円ぽっきりで1ドルを買えるAは、「円をあまり払わなくても買える」。これは言ってしまえば、「1ドルに対して円の価値は上がった」からだ。
想像してほしいのだが、1円を差し出せば1ドルが買える状況だ。極端だが、この場合の円は最強の通貨となっている。とんでもない「円高」である。

為替レートの理解は経済を学ぶのに必須のくせに、高校では「政治経済」を勉強しないと詳しく分からない。学校によっては歴史科目と選択のところもある。
何事も基礎からとはよく言ったもので、「基礎の基礎」ほどしっかり理解することが経済のイマを掴むのに効いてくるのだ。

終章はゼロ金利からの量的緩和

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1章が「円高&円安」の基礎から教えてくれるとしたら、本書の終着である6章は「ゼロ金利政策と量的緩和」の説明だ。

ここで目次を見てみよう。
1章「円高と円安と日本の景気について」
2章「日銀の仕事について」
3章「バブル経済について~マネー経済への導入~」
4章「バブル崩壊後の日本の景気対策について~景気対策の効果とその問題点~」
5章「借金大国 日本の現状について」
6章「政府の財政政策と日銀の金融政策の現状について~国債の大量発行の問題点とは?~」

章が進むごとに、より具体的なケースを学んでいく構成になっている。
字面だけ見ると、さっきまで「円高&円安」と言っていたのに、6章のレベルが跳ね上がっているように感じる。

しかし、安心してほしい。
逆に、6章まで順に読んでいけば必ず理解できるように設計されており、読了後には赤字国債がもたらす問題を説明できるはずだ。
本を選ぶ際は、始まりのレベルと終わりのレベルを把握することが大切だ。逆に目次だけでピンと来たら、別の本を読んだほうが無難だろう。

留意点が一つだけある。本書の発売が2003年のため最新の経済事情は範囲外だ。マイナス金利政策やアベノミクスを基礎から理解されたい方は『中原圭介の経済はこう動く2017年版』が適書だ。本書は、とにかく分かりやすい経済入門書としての価値がある。基礎理論は不滅なので、入門から学ぶ方は出版年度を気にしないで手にとってみて欲しい。きっと、その徹底的な解説から手放せなくなるはずだ。

モデルプロフィール

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  • 名前:小野夏帆
  • 生年月日:1995/8/4
  • 出身地:大分県
  • 職業:埼玉大学
  • 受賞歴:ミス埼大2016ファイナリスト
  • 趣味:ライブやフェスに行くこと
  • 最近の悩み:背が大きすぎてつり革に頭をぶつける
  • Twitter:@Miss_sai_1601
  • Instagram:@natsuho_ono

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。