ココロを分かってないと商売はできない『経済は感情で動く』

経済は感情で動く

  • 著者:マッテオ・モッテルリーニ
  • 出版社:紀伊國屋書店
  • 発売日:2008/4/17

こんな人におすすめ!

・行動経済学をかじってみたい
・ついついものを買ってしまう

経済は感情で動く。
なんと、興味がそそられるタイトルなのだろう。
これまで、経済には血が通っていない冷徹なイメージを持っていた。数字が立ち並ぶ世界が本当の経済ではなかったのだ。人間が経済的な選択をするとき「感情」が作用している当たり前に気が付けるかどうか。
本書は、近年の「行動経済学」ブームの皮切り本といっていい。

あなたはどっちを選ぶ?

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本書から、この質問を引用しよう。

あなたは次の二つのどちらかを選ぶようにと言われた。
A 賞金は低いがもらえる確率は高い(7000円が80%)。
B 賞金は比較的高いがもらえる確率は低い(7万円が10%)。

67%の人間がAを選ぶそうだ。あなたはどちらだっただろうか。

さて、今度は先のAとBに金額をつけてみるとしよう。
お金に換算した場合、どちらのほうを高く見積もりますか?

この質問には多くの人(71%)が、Bのほうを高く見積もった。
これが、「選考の逆転」と呼ばれる有名な現象だ。

「選考の逆転」preference reversal
標準的な経済学では、人の嗜好や好みは一定で変化しないととらえるが、「行動経済学」では状況や文脈で変化するものとみなす。(中略)行動ファイナンス理論では、「目先の利益に目がくらみ、将来の大きな利益に目がいかない」ことを「選考の時間的な逆転」といい、「時間的非合性」という。

つまり、期待値的にはBの方が高いとなんとなく分かるのに、勝率の高いAを選んでしまうのだ。このポイントが行動経済学が成立する所以でもある。
従来のホモ・エコノミクス(自分の利益を最大化するためだけに行動する考え方)を前提とした経済学の考え方では、とても説明できない矛盾が発生しているからだ。

利益が最大になる可能性は明らかにBなのに、67%の人間がAを選んでしまう。
より確実に、利益を得たいと考える”感情”が作用している証拠だ。

まだまだ面白い行動経済学

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あなたがある有名なスポーツ用品メーカーの経営を任されたとする。その会社は「インテリジェントな」走りを約束する革新的な靴の開発に、すでに10億円を投資している。その靴は、地面の状態や利用者の性格に応じて、必要な調整を自動的にしてくれる。このプロジェクトが80%達成された段階で、同じ規模のほかの会社が同じ特徴を備えた靴を販売していることがわかった。その靴はプロジェクトを勧めている靴より機能的だし値段も安い。
さて、質問。あなたはプロジェクト達成に必要な残りの20%を投資しますか?

この場合、あなたはどうするだろう。
この質問に対し、85%の人が投資を続けると答えている。しかし、イエスと答えた人は絶対に社長になってはいけない。
なぜなら、ライバル会社の製品に一ミリも買っているところがなく、しかも値段が高いというものに、さらに2億円投資をしようとしているからだ。実業家であったら、この判断だけで後世まで非難されてしまうだろう。

しかし、なぜ勝てる見込みのない製品にまだ投資したいと考えるのか?
この心理は一般的に、「コンコルドの誤謬」と呼ばれている。

すでに10億円も突っ込んでいるのだから、後には引けない。たとえ不利益になっても、プロジェクトを完遂させるべきだといった心理が働くのだ。
ギャンブルで破産者が多いのもコンコルドの誤謬によるものが多い。パチンコでハズレの台と分かっていながらすでに突っ込んだ金の分だけ儲けようと、ズルズル金を注ぎ込んでしまう。

利益を最優先で考えた場合、絶対に手を引くべきなのに。
この本の帯には「『心の法則』があなたのビジネスを面白くする!」と書いてあるが、まさにその通り。他にも、「アンカリング効果」「ピーク・エンドの法則」など、興味深い心理効果が盛り沢山だ。

 

経済は感情で動く

  • 著者:マッテオ・モッテルリーニ
  • 出版社:紀伊國屋書店
  • 発売日:2008/4/17

モデルプロフィール

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  • 名前:キチョハナカンシャ なな
  • 生年月日:1995/12/24
  • 出身地:福岡県
  • 職業:キチョハナカンシャ
  • 趣味/一言:ミュージカル鑑賞/ツイッターにのってます
  • 最近の悩み:寒さに弱い
  • Twitter:@kichohana_nana

(カメラマン:村井優一郎)

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本to美女選書

WRITERこの記事を書いた人

小幡 道啓

累計2億円以上の借金王の元に生まれ、怒号と罵声が飛び交う家庭で育ったアウトローだが、底ぬけにポジティブ。飲み会でも「父親が行方不明です」と不謹慎なネタを言ってはスベっている。Amazon Kindle販売員時代には年間NO.1売上を達成。現在は、「逆境でのユーモア」をモットーに本to美女編集部編集長。