『コンピューター&テクノロジー解体新書』 魔法の正体

コンピューター&テクノロジー解体新書 ビジュアル版

  • 著者:ロン・ホワイト, Ron White
  • 出版社:SBクリエイティブ
  • 発売日:2015/9/24

1.よくわからないけど便利な道具たち

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パソコンやスマートフォンを一切操作しない日など現代を生きる私たちにはほとんどないだろう。連絡を取ったり、SNSを見て友達の近況を確認したり、買い物をしたり、仕事で使う資料を作ったり、家計簿をつけたり。パソコンやスマートフォンを利用して行なっていることを挙げ始めればきりがないだろう。
日々の生活や仕事は、もはやこうしたツールやテクノロジーがなければ成り立たず、空気や水と同じくらい重要なインフラとして考えることもできるだろう。

日々の生活にとって重要なルールやテクノロジーに対してあなたはどのような印象を抱いているだろうか。
近頃のアプリやウェブサービスは、直感的に理解できるインターフェイスを売りにするものが多く、その仕組みに対して理解する必要は全くと言っていいほどない。このボタンを押せばこう動くだろう、といった感じで操作していくうちに使いこなせるようになり、気づけば日常的に閲覧したり、利用したりするようになるように作られている。

ユーザーとしては使いやすいサービスが増えていることは喜ばしい限りだが、いざ自分がこうしたツールを利用して情報発信を行おうと決意した途端、無知は私たちに牙をむく。

2.明日のプレゼンのデータが全部吹き飛んだ!

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地道にコツコツと積み重ねた努力が上司に認められ、やっと任せてもらえたプロジェクト。口が達者な同期は出世の階段を一段飛ばしで登っていき、それ以外の同僚も各自の専門分野で存在感を発揮している。悔しい思いをしながらも自分に嘘はつかずに真面目にやってきたことがやっと実になる瞬間がやってきたのだ。

一世一代の勝負となる明日のプレゼンのために万全の準備をしてきた。主張の根拠となるデータを集め、理解しやすいグラフを描き、ユーモアを交えた発表の練習も完璧だ。明日が終わればきっと私は社内で認められるに違いない。私を認めてくれた上司の顔も立つことだろう。

緊張と希望に入り混じった高揚感を覚えながら、あなたはプレゼン資料の最後のチェックをしていた。眠気と戦う強い味方であるコーヒーとエナジードリンクを机の傍らに、スライド最後の一枚を確認していた次の瞬間、パソコンの画面が真っ暗になった。
「ん?」
はじめは状況を理解できなかったあなたも次第にことの重大さに気づいていく。

パソコンの電源がつかないじゃない。再起動できない。ってことはコマンドZもできないよね。これもしかして壊れてるの。あれバックアップってとってたっけ。社外秘の資料だからUSBにも移してないじゃん。え、どうしよう、明日の発表までに間に合わない…。やっとつかんだチャンスを棒に振るわけには…。

こんな悲劇はそうそう起こるものではないが、起こらないとも言い切れない。すっかり信用し切っていたパソコンが壊れるなんて思いもしなかったあなたはどうするのだろうか。

便利で快適な日々を約束してくれていたツールに裏切られたように感じる気持ちもよく分かる。
しかし、その仕組みを理解せずにただ信じているうちは、ツールを使っているのではなく、ツールに踊らされているのだと自覚しなければならないだろう。

3.「魔法の箱」

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「高度に発達したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」 ーアーサー・C・クラーク

本書の冒頭に記されたこの言葉に考えさせられることは多くある。
科学やテクノロジーが発展してきた現代においては、知識は様々な領域に細分化されそのすべてに精通することは不可能に近いとも言える。だからと言って理解する努力を放棄してもいいということでは決してない。

太古の昔から人間は、理由は全くわからないが結果をもたらすのに対して様々な感情を抱いてきた。自然現象であれば畏敬の念を抱くことが多かった。そこに独自の解釈で物語を付け加えていたのが神話であり、各地で語り継がれる昔話だったのだろう。

現代では人間は自らが生み出したものでさえ理解できないものが多くなってしまい、人類全体で見て進歩しているとはっきりとは言い難い状況だ。理解できないものに対して物語を与えることすらせず、ただありがたいものとして受け取るならば、それは魔法のように感じられるだろう。

こうした状況を打破するきっかけになるのが本書だ。コンピュータの動作を支える科学やコンピュータの誕生から現在に至るまでの歴史などが美しいイラストとともに記されている。

日々使っている”魔法”の正体を知ること、それ自体が知的好奇心を刺戟するものでもあるが、何か不足の事態が起こった時に慌てることなく対応することも十分な知識があれば可能だろう。

今後テクノロジーが私たちの日常方支えるやり方はますますさりげないものになっていき、そこに存在することすら認識することが難しくなってくるだろう。
そこに存在するものが魔法ではなく、人類の英知の結晶だと胸を張って言えるようにシッカリとした知識を身につけることが大切だろう。

まとめ

  1. 生活の中で利用する身近なテクノロジーに興味を持つこと
  2. 仕組みを理解しようともしないならば、それは”技術”ではなく”魔法”になってしまうこと
  3. テクノロジーに使われる人間になりたくないならば、テクノロジーを理解し使う人間になること

コンピューター&テクノロジー解体新書 ビジュアル版

  • 著者:ロン・ホワイト, Ron White
  • 出版社:SBクリエイティブ
  • 発売日:2015/9/24

モデルプロフィール

samejima_profile
  • 名前:鮫島啓
  • 生年月日:1991/1/24
  • 出身地:東京都
  • 職業:臨床心理士
  • 受賞歴:ABC cooking 読者モデルニコモ3期生
  • 趣味:ピアノ、読書
  • 最近の悩み:自律神経が乱れがち
  • Twitter:@my_samelody
  • Instagram:@k_samelody

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