『FinTech』 フィンテックとは何か

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決定版 FinTech

  • 著者:加藤 洋輝,桜井 駿
  • 出版社:東洋経済新報社
  • 発売日:2016/5/13

 

「フィンテック」という単語を近頃耳にする機会が増えたという人も多いのではないか。新たな概念やテクノロジーが次々と生まれる現代においても、私たちの生活への影響力が大きいと予想されることから注目されているのが「フィンテック」だ。
本書は「フィンテック」とは何なのか、そしてどのような影響を私たちの生活に及ぼすのかを平易な表現で解説した一冊となっている。

フィンテックとは何か

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冒頭から繰り返し書かれている「フィンテック」とはそもそも何なのか?「フィンテック(FinTech)」とは、金融(ファイナンス=Finance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語だ。「フィンテック」は、IT技術を駆使した新しい金融サービスやシステム、およびそれらを提供するスタートアップ企業を指して使われる。銀行や証券会社が中心だった従来の金融業界に対してフィンテックが大きな変革をもたらしている。フィンテックは巷でよく耳にするこれからの将来で起こりうる出来事の不確かな予測などではなく、現在進行形で起こっている革命の1つなのだ。
フィンテックについて解説した本書から、フィンテックが切り開く金融サービスとそれが私たちに与える影響についてご紹介しよう。

フィンテックが切り開く新しい金融サービス

フィンテックが切り開く金融サービスは大きく分けて7つ存在する。既存の金融サービスを発展させた6つの領域と1つの全く新しい領域である。
まず既存の金融サービスを発展させた6つの領域についてであるが、実は既存の金融サービスには規制分野と規制外分野の2つに分けられる。規制分野には、「融資」「決済」「送金」「投資」の4つが分類される。規制外分野には「情報管理」「業務支援」の2つが分類される。以上の6つに「仮想通貨」を加えた7つの領域がフィンテックが対象としている金融サービスである。
7つそれぞれについて簡単に紹介しよう。

「融資」
貸し出しを受ける人の信用度によって融資の可否やその金額が定められている。既存の金融サービスでは信用力の低い人や、信用の元となるデータの存在しない若い人が融資を受けられないことがあった。フィンテック企業はこうした状況をSNSやEC購買履歴などの従来の金融サービスでは利用されていなかった情報を活用することで独自の信用判断を行い、今まで金融サービスを受けられなかった層にサービスを提供することで大きな利益を生み出している。
代表的な企業としては、Lending Clubが挙げられる。

「決済」
クレジットカード決済は厳しい審査を経た個人に対して、専用のカードリーダーを導入した店舗が行ってきた。フィンテック企業は審査をオンラインで簡単にできるようにし、スマートフォンなのどの端末を利用することで専用のリーダーがなくとも決済が可能になり、支払いまでの期間を短縮化することで成功を収めた。購入から決済までの一連の流れをシームレスにすることでさらに大きな利益を上げる可能性が示唆されている。
Squareがゴールドマンサックスなどから投資を受け、サービスを展開している。

「送金」
既存の金融機関を利用すると平均して5%の送金手数料がかかってしまう。フィンテック企業は送金したい人同士をマッチングすることで送金手数料を引き下げることに成功した。例えば、アメリカからイギリスに送金したい人とイギリスからアメリカに送金したい人をマッチングすることで、2つの海外送金を2つの国内送金に変更し、手数料を引き下げることを可能にしている。
ロンドンに本社を置くTransferWiseが2015年5月に国際送金額5億ポンド、日本円にして約950億円を超える規模のサービスを提供している。

「投資」
投資戦略は従来証券会社の提供するサービスを利用することで決定している人が大多数であった。フィンテック企業は収集した情報と投資家から収集した情報をもとに自動で投資先の内訳を決める「ロボアドバイザー」機能を実装することで、既存の投資戦略サービスよりも正確かつ安価なサービスを提供することを可能にした。
Motif Investingを利用することでオンライン上で投資アドバイスを受けることができる。

「情報管理」
従来家計簿は手でノートに記入したり、エクセルにインプットしたりして計算していた。フィンテック企業は家計簿をつける作業をITを利用して自動化した。既存の金融機関と提携することでカードの支払いや銀行の出入金などを自動で計算し、見える化するサービスを提供することで利便性を飛躍的に高めた。
SaveUpの提供するスマートフォンアプリを利用すればお金の管理はずっと楽になるだろう。

「業務支援」
上述した「情報管理」の仕組みを企業に対して提供するのが業務支援だ。既存の金融機関の提供するサービスを受けられなかった企業に対してもIT化によって安価なサービス提供が可能になっている。
東京に本社を置くMerryBizは企業の経理に関する悩みの解決に役立つはずだ。

「仮想通貨」
ビットコインという言葉を聞いたことがある人も多いだろう。既存の金融サービスとは一線を画する仮想通貨に関するサービスは大きな可能性を秘めている。ビットコインの専用アドレスが講座のような役割を果たし、「為替」「送金」「決済」が可能となっている。ビットコインを支える「ブロックチェーン(取引記録)」に関する技術の説明は本書に譲ることにする。
仮想通貨といえばbitcoinが有名だろう。1ビットコインは46,000で取引されている(2016年3月10日時点)。

以上の7つの領域でフィンテックは金融サービスに革命を起こしている。本書ではフィンテックを支えるテクノロジーに関する解説もなされており、サービスを享受するだけでなく提供する側になりたい方の参考にもなるはずだ。

フィンテック時代に求められる2つのリテラシー

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最後にフィンテック時代に身につけるべき2つのリテラシーをご紹介しよう。
2つのリテラシーとは、「金融リテラシー」と「情報リテラシー」だ。

気づいたら損をしていたという事態を回避するために金融リテラシーを身につける必要がある。最低限身につけるべ金融リテラシーは、金融庁を始めとする関係省庁と関係団体の作成する「金融経済教育推進会議」が公表する「金融リテラシーマップ」に項目別、金額別にまとめられているので是非ご覧いただきたい。
個人情報を抜き取られ不利益を被らないようにするために「情報リテラシー」を身につける必要がある。便利さを利用した悪徳業者に騙されないようにするために常に注意を払わねばならない。

これまで特殊な業界と認識されていた金融業界がテクノロジーによって多くの企業が参入できるようになり、より良いサービスをユーザーが享受することが可能になってきている。こうした変化にいち早く対応し、より良い人生を実現する手段として活用するために本書は大いに役立つことだろう。

まとめ

  1. 変わらない世界に失望している
    日々進歩するテクノロジーは、特殊だと思われていた金融業界の垣根を越えることも可能にした。従来では考えられなかった変革の種はあなたのすぐそばにあるのかもしれない。
  2. 新しいものに対する恐怖心や不信感を拭えない
    新しい物事の仕組みを理解することは、それがもたらす恩恵に授かるだけでなく、新たなアイデアを生み出す際の役にも立つ。新しいものに対する正しい知識を持つことが明日のあなたの生活をより豊かにする。
  3. 自分の生活をより良いものにしてくれる何かを待っているばかりでどう行動すればいいかわからない
    物事には必ずメリット・デメリットが存在するので、日々自らのリテラシーを高める努力をしていく必要がある。一見して自分にとって良い話でも、悪意ある他人の仕掛けた罠かもしれない。常にアンテナを広くはっておくべきだ。

決定版 FinTech

  • 著者:加藤 洋輝,桜井 駿
  • 出版社:東洋経済新報社
  • 発売日:2016/5/13

モデルプロフィール

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  • 名前:永井美生
  • 生年月日:1992/10/17
  • 出身地:千葉県鴨川市
  • 職業:女優
  • 受賞歴:2016年度大学の教材DVD、『恋人募集中』、『写真集:散歩ガール永井美生梅ケ丘編』その他CM再現VTRで活動中
  • 趣味:天然石のアクセサリー作る
  • 最近の悩み:悩みがすぐでてこないところ
  • Twitter:@mimimimioo10

(カメラマン・Rimi Sakamoto/個人サイト・http://www.rimisakamoto.net/

 

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