プロの知的生産術『調べる技術・書く技術』 

調べる技術・書く技術

  • 著者:野村 進
  • 出版社:講談社
  • 発売日:2016/3/18

本書を一言で

ノンフィクション作品の情報取集・書き方指南書

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本著の目的は、著者と先人のノンフィクション作家たちが蓄積してきた経験と技術を一般の読者に伝授すること。言ってしまえば、ノンフィクションを書くためのノウハウ本だ。

初心者の文章で、記事の内容が薄っぺらくなってしまう一番の原因は資料不足だ。
集めた資料をどれだけ削れるかによって作品の出来が左右される。

本書はそういった文章を書く際のテーマ決定、資料収集、取材、執筆など出版に至るまでを経験を踏まえて教えてくれる。

それも、ただのノウハウ本だけではない。文章を書くことで得られる喜びも教えてくれる。
インタビューの依頼にはじまり、相手に失礼のない言動や仕草など、会社のレポートでも役立つ知識が満載だ。

本書からも学べることが多そうだ。

チャップリンのステッキ

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これから何かを書こうとするとき、ちょっと手が止まってしまうのは、あらゆるテーマが既に書き尽くされているのではないのかと思えてくる。

だが、そんなことはない。もはや書き尽くされたかに思えるテーマでも、まったく新しい輝きを放つ可能性があるからだ。

本書の中に「チャップリンのステッキ」という例え話が出てくる。

チャップリンの笑いは喜劇映画に革命をもたらしたと言われるが、道具立てはすべて使い古されたものばかりであった。有名な山高帽にしても、誇張したメーキャップや付け髭にしても、だぶだぶのズボンにしても、それにあのドタ靴だって、従来の喜劇でお馴染みの代物に過ぎなかった。だが、チャップリンが違っていたところが、ひとつだけある。それは、ステッキを取り入れたことだ。あの一本のステッキこそ、山高帽や付け髭やドタ靴に統一感を与え、いままで見たこともないコメディアンが出現したと観客に印象づけたというのである。

テーマを決めるときには、この「チャップリンのステッキ」を見つけさえすればよい。
ステッキは別にチャップリンが発明したものではない。前から普通にある道具だ。その使い方に独自性を持たせることで、チャップリンの個性が生まれた。

つまり、すでに言い尽くされた思われるテーマでも、視点や切り口を変えることで新たなオリジナリティが生まれるということ。そのために自分の根っこを突き詰めておくことが大事になりうる。

ただ、突き詰めると言っても、じっと考え込んでいればいい、というわけではなさそうだ。

机上であれこれ思い悩んでばかりいて、いつまで経っても動き出さないのが一番まずい。とにかく動いてみること。考えるのは、それからでも遅くない。

まさに「走りながら考える」ということだ。

文章を書くときに行き詰まってしまったら、テーマの視点や切り口を見直してみよう。

調べる技術・書く技術

  • 著者:野村 進
  • 出版社:講談社
  • 発売日:2016/3/18

モデルプロフィール

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(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

タバオ

大学受験に失敗し、1年浪人するも不合格。コンビニ、土方、ヒーローショウ、環境調査隊、家電量販店のアルバイトを経験するが、やがてはニートにまで落ちる。だが、失うものがないからこそ、開き直れる! 高卒だっていいじゃない。ニートだったからって何なのさ! よく読むのは、歴史小説と漫画。好きな歴史小説『播磨灘物語』、漫画『NHKにようこそ!』。