伝わる文章書けていますか?『伝わる・揺さぶる!文章を書く』 

伝わる・揺さぶる!文章を書く

  • 著者:山田ズーニー
  • 出版社:PHP新書
  • 発売日:2001/11

本書を一言で

小論文指導のエキスパートが、想いを伝え、相手を動かし、望んだ結果を出すための、役立つ文章術を伝授

前回は書くことの意味、どのように考えれば書きやすいかを学んだ。
今回は、もう少し実践的な部分に踏み込もう。

文章とは何のために書くか。それは自分の「想い」を伝えたいからだ。
LINE、メール、議事録、買い出しのメモなど、どんな小さなメモにも、そこには読み手がいて、目指す結果がある。ではそのような場面で、どうしたら誤解されずに自分の思いを伝え、読み手の気持ちを動かすことができるのだろうか。

機能する文章を目指す

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そもそも、「いい文章」とは何か。「いい文章を書く」とはどういうことか。

例えば、「絵」とひと口に言っても、ピカソが描く芸術性の高い絵画と、「あなたの胃はここが弱っています」と医者が患者への説明のための描く絵は、ゴールがまったく違う。

文章だってそうだ。よく「文章」と一括りにされるが、種類によって、ゴールも、良いか悪いかの基準も、トレーニング方法も違ってくる。

就職活動のエントリーシートの場合、いい文章を書くとは、「企業に採用されること」以外にはないだろう。どんなに文章がうまいと褒められても、結果、採用されなかったら、いい文章を書いたとは言えない。

いい文章とは、つまり、機能する文章。状況に応じてよく働き、望む結果を出すことだ。
著者曰く、機能する文章を書くには、まず、「ゴール」を明確にすること。

就活のエントリーシートのゴールは「採用」だ。
病気のお見舞いの手紙のゴールは、相手が本来持っている「回復力を引き出す」ことだ。

文章のゴールである、最終的に誰に読まれ、どうなることを目指すかに着目すると、驚くほど色々なことが見えてくる。

文章の善し悪しは、目指すゴールによって違う。芸術作品はともかく、私たちが、仕事や日常で書く文章は、考えれば、読み手や目指す結果がはっきりしたものが多い。ゴールから逆算して必要なことを、必要なレベルまでやればいい。

文章を制したいのならば、論点を掴め!

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「論点」とは、文章を貫く問いだ。筆者の問題意識と言ってもいい。よく「独自の切り口」と言われるのが、論点のことで、どのような問題を、どのような角度で扱っているかということを指す。文章の方向も、読み手の興味も論点で決まる。
(独自の切り口が論点? それは視点では。著者のいう「論点」の定義が必要)

つまり、論点は文章の舵なのだ。

だが、「論点」という発想は、日本人には、なかなか馴染みにくいものだ。会話や文章でも論点は省略されることが多く、自分の意見は意識しても、その裏にどんな問題意識を持ったかは、あまり意識しないものだ。

だから、論点という発想を身につけると、文章を書くとき、抜群の効果を発揮してくれる。論点を制する者は文章を制すると言っても過言ではない。

しかし、理解されにくいのが論点だ。
例えば、「日本人」というテーマで、文章を書いてもらうと、そのまま「日本人について」を論点に据えてくる人がいる。これは、テーマであって、論点でない。

「日本人について」というのは、大きな枠のようなものだ。このまま文章を書くと、とてつもなくぼやけた文章になってしまう。
だから、「日本人の特徴と言われてきた集団主義は、崩れてきているのだろうか」というように、独自の論点を絞り込む必要がある。

テーマから論点を絞り込んでいく感覚をうまく表す手本が、雑誌にあった。
雑誌『BRUTUS』、特に齋藤和弘編集長のころのタイトルには、テーマから論点への鮮やかな切り込みが見える。いくつか例を挙げてみよう。

  • テーマ :男性ファッション        
  • タイトル:なぜ、日本男子はカジュアルが下手なのか
        
  • :住まい                 
  • :東京23区に家を建てられますか
        
  • :グルメ                 
  • :人はなぜ、焼肉屋を教えたがるのか
        
  • :ブランド(エルメス)          
  • :3年待ってもケリーバックが欲しい理由
        
  • :自動車                 
  • :毎月10,000台も売れているヴィッツを基準にクルマを選ぶと!?

これぞ、まさに論点だ。独自の良い「問い」が立っている。これらは、雑誌によくある「男性カジュアルウェア特集」「焼肉屋ランキング」「エルメス徹底研究」といった見出しと比較してみよう。こういう見出しは論点がなく、ただの枠組みだということがわかる。

論点を設定した方が、読み手にとって具体的なイメージが湧き、興味をそそるものになっているのは明らかだろう。事実、一時部数が伸び悩んでた『BRUTUS』は、この方法で起死回生を果たしたという。
それだけでなく、これら、5つのタイトルを見ただけで、内容を読まなくても、そこに『BRUTUS』独自のものの見方・センスを感じられないだろうか。独自性の発現に、論点はよく機能する。

ここでテーマと論点の違い、論点を絞り込む感覚がつかめたら充分だ。

もし、常に文章が苦手だと逃げている人がいたら、自分に、曖昧、かつ美しい理想を強いていないだろうか。結果をイメージし、現実の中で、まず結果を出すこと念頭においてみよう。やることは、ずいぶん明確になる。

伝わる・揺さぶる!文章を書く

  • 著者:山田ズーニー
  • 出版社:PHP新書
  • 発売日:2001/11

モデルプロフィール

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  • 名前:Arly
  • 生年月日:1991/4/1
  • 出身地:三重県
  • 職業:モデル
  • 受賞歴:ミス三重大、ミス伊勢志摩
  • 趣味・一言:カラオケ、カメラ、写真、お買い物
  • 最近の悩み:蚊によく喰われる
  • Twitter:@ALICA9141
  • HP▶metyion.wix.com/arly 
  • blog▶http://s.ameblo.jp/metty0401/ 
  • insta▶arly0401

(カメラマン:伊藤広将)

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WRITERこの記事を書いた人

タバオ

大学受験に失敗し、1年浪人するも不合格。コンビニ、土方、ヒーローショウ、環境調査隊、家電量販店のアルバイトを経験するが、やがてはニートにまで落ちる。だが、失うものがないからこそ、開き直れる! 高卒だっていいじゃない。ニートだったからって何なのさ! よく読むのは、歴史小説と漫画。好きな歴史小説『播磨灘物語』、漫画『NHKにようこそ!』。