女の敵は女か男か『彼女の嫌いな彼女』

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彼女の嫌いな彼女

  • 著者:唯川恵
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2008/10

相手の本音を見極める

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無表情で笑顔のLINEのスタンプを押すことができる現代では、相手の本音を見極めるのが難しい。
嫌いな相手でも平気でお世辞と愛想笑いを贈ることができる。
好きでもない人に「好きだ」とささやくことができる。
目の前の人の言葉は嘘か? 本音か?
スマホで何でも調べられる時代だけど、人の気持ちだけはいくら検索したってわからない。

今回、紹介する唯川恵さんの『彼女の嫌いな彼女』は、本音をうまく隠して駆け引きをする男と女の物語だ。

恋に勝つには駆け引きが必須!?

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元カレと不倫をしている35歳の瑞子と、結婚に踏み切るには不安な恋人がいる23歳の千絵。
瑞子と千絵が結婚のタイムリミットに焦っている時、二人が所属している第二販売部に結婚相手の条件にぴったりな冴木が現れる。
「冴木と結婚できれば、人生一発逆転ができる!」
周りにはわからないように、冴木を巡る女の駆け引き合戦が水面下で繰り広げられていく。
結婚相手の条件にぴったりな冴木は瑞子と千絵以外のOLからも、もちろん人気だ。
特に同じ部署の新入社員・小田ゆかりの存在が物語をさらにリアリティ溢れるものにしている。

冴木行彦の目に千絵が無能に見えるように、瑞子が寛大な大人の女として映るように考えている。先輩OLにいじめられている可愛そうな私、なんてもので、冴木の興味と同情を引こうなんて手を使われては大損だ。(瑞子)

悪口を言えば、自分の価値が下がる。そんなことをエチケットマニュアルで読んだことがある。千絵は誉め言葉を加えながら、小田ゆかりの信用をなくさせようとした。(千絵)

自分が悪者にならないようなうまい言い回し、けっして口には出さない打算……。
女性なら思わず「あるある!」とうなずいてしまう赤裸々な本音が詰まっている。

女社会は戦場なんです……。

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世の女性は大変だ。
煙たい先輩、調子と要領だけいい後輩。
周りはいつだって敵だらけ。
メイクに、服装に、メンタルまで!それらをフル装備して、家から一歩でれば常に戦闘態勢でいなければならない。
表面ではニコニコしながら腹の中では「隣の女より美しく幸せになりたい」と願っている。

『彼女の嫌いな彼女』で瑞子と千絵が駆け引きを仕掛ける相手は冴木だけではない。
時には女同士、今関係を持っている男にも仕掛ける。
さらに、駆け引きしているのは瑞子と千絵だけではない。
冴木も結婚に焦る二人に対してうまく駆け引きしているのだ。
駆け引きというとずる賢いイメージがあるが、そうではない。
瑞子も千絵も冴木も自分の幸せをつかむために必死なのだ。

恋も仕事も手に入れたい!!
女性の社会進出がどうのこうのと言っても、所詮は女性にとって勝ち組の人生を送るには幸せな結婚が必須条件。
この間まで女子会という名の愚痴会で盛り上がっていた友だちは次々に結婚していき、気がつけばひとりぼっち。
バリバリのキャリアウーマンになったって結婚していなければ、
「寂しさを仕事で紛らわせたオールドミス」「かわいそうな人」
と不名誉なレッテルを貼られ、ロッカールームで後輩たちに馬鹿にされ「ああはなりたくない」と笑われてしまう。

恋愛相手≠結婚相手

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そして、結婚が遅れればその分、スペックが高い人を求めてしまう。
わかっている。スペック高い人結婚したからって幸せになれるとは限らないってことくらい。
結婚するのはスペックではなくその人自身だ。
わかっていながら「周りから羨ましいと思われるスペックを持つ人と結婚して、遅れた分を取り返したい」という欲求には勝てない。
瑞子も千絵も欲しがっていたのは「冴木」ではなく、「エリート社員と結婚して周りに羨ましがられる自分」という未来だった。
『彼女の嫌いな彼女』では、そんな歳を重ねてしまったからこそ芽生えたプライドと戦う結婚適齢期の女たちのリアルが描かれている。

巧妙な駆け引きの裏に隠された本音。
最後に微笑むのは、瑞子か千絵かそれとも冴木か……?

<こんなお悩みを解決!>

  1. 「ライバルが手強い!」
    →冴木に瑞子が大人の魅力で迫り、千恵が若さで迫ったように人にはそれぞれ自分だけの魅力があります。
    ライバルと同じ戦法で挑んで勝てないと思うなら、別の戦法で勝負してみてはいかがでしょう?
  2. 「恋したいけど、いい人がいない!」
    →ってカフェで女友だちと話していませんか?
    「いい人」と出会っている人は、その時間に男友だちと会ってるんです。
    今からでも男友だちに「飲みに行こう」とLINEを送って!
    待っているだけでは恋は始まりません。
    女性だって積極的にいかなきゃいけない時代なんです。

<合わせて読みたい>


東京タラレバ娘(1) (KC KISS)
著者:東村アキコ
出版社:講談社
発売日:2014/9/12
「痩せたら……」「キレイになれば……」
なんてタラレバ話ばかりしていませんか??

彼女の嫌いな彼女

  • 著者:唯川恵
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2008/10

モデルプロフィール

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  • 名前:坂口莉果子
  • 生年月日:1996/12/24
  • 出身地:香港
  • 職種:慶應義塾大学
  • 受賞歴:2012年ミス・ティーンジャパン初代GP、ミス日本関東代表2014
  • 一言:清く正しく美しく
  • Facebook:坂口莉果子
  • Twitter:@rikakosakaguchi

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

石橋 愛加

5人兄弟の末っ子に生まれ、親兄弟にべたべたに甘やかされて育った生粋のゆとりGirl。「恋がしたい!」が口グセなくせにいつも女友だちとつるんでいるので、浮いた話はない。仕方なく少女マンガや恋愛小説で自家発電して、なんとか今日を生きている。好きなマンガは『シュガーズ』いつかあんな恋ができると信じている。