別れの後も恋は続く 『さよならの余熱』

tsurusaki_top

さよならの余熱

  • 著者:加藤千恵
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2010/12/16

 

恋の終わりっていつ?

tsurusaki1

恋人との別れはいつも傷ついて、相手を傷つけて、傷つけたことにまた傷ついて……。
やりきれない辛さがありますよね。
かつては苦しいくらいに大好きで、声を聞くだけで幸せになれたのに、どうして別れが来るのでしょう?

さらに厄介なのは「別れる=恋が終わる」わけではないということ。
すっかり吹っ切れて忘れたと思っていても、電車を待っているときやお風呂に入っているときにふと思い出して切なくなる、といった体験がみなさんも一度はあるのではないのでしょうか。

そう考えると恋の終わりっていつなのでしょう?

今回は、加藤千恵さんの『さよならの余熱』を読んで、恋の終わりについて考えていきたいと思います。

恋はいつも「さよなら」と隣り合わせ

tsurusaki2

『さよならの余熱』は全9話の短編小説。
王道の甘い恋、少し歪んだ恋。いろんな種類の9つの恋が描かれていますが、1つ共通点があります。それはタイトルからもわかるように「さよなら」が近づいている恋ということ。

「さよなら」が近づいていることに気づきながらも、気づかないふりをしている『つまらぬもの』、恋人から一方的に「さよなら」を告げられて戸惑う『タイミング』、片想いをしていた先生が結婚することを知り恋心に「さよなら」をする『チョークを持つ手に』、まだ恋人を想いながらも恋人の心が他に移ったことを悟り自分から「さよなら」切り出す『解散の雨』。どの主人公も“さよならの余熱”に身を焦がしています。

例えば『つまらぬもの』は同棲中の恋人に優しくしたいと思いながら、彼を攻める言葉ばかり言ってしまう、ちょっと天邪鬼な女の子が主人公の恋物語。

tsurusaki3

おやすみを言って眠りにつく寸前や、あるいは目覚めて、おはようと言うときに、ササに優しくいよう、と思う気持ちは嘘じゃない。けれど、実行されずに思っているだけなら、嘘みたいなものかもしれない。

私は恋人と同棲した経験はありませんが、主人公の気持ちが手に取るようにわかります。
今日こそは彼に優しくしたいと心から思っているのに、いざ彼を前にすると自分でもわからないまま可愛くない言葉が口をついてしまう。優しくしたいと思っていることさえうまく相手に伝えることができないもどかしさ。ケンカしたいわけじゃないのにケンカ腰になってしまう自分へのいらだち。その場の空気感さえ、まるで一度見たことのある景色のように頭に広がります。

tsurusaki4

余熱が冷めるまでが恋

また、一読するだけでは気づきにくいですが、実は9つの小説はふとしたところで繋がっています。
共通の知人がいたり、変な格言が書いてある看板が登場したり……。
年齢も立場も全く違う主人公たちが、本人たちも気づかないところで何かを共有している。これは現実でも同じですよね。
そんなリアルさも共感を呼ぶ要因の一つかもしれません。

tsurusaki5

さよならの後、まだ相手を想っている間。
つまり、“さよならの余熱”があるうちは無理に終わらせる必要もないのかもしれません。
自分が納得して余熱が冷めるまで恋は終わらないのですから。

こんなお悩みを解決!

  1. 忘れたいのに忘れられない。
    →別れがつらい時ほど、いっそのこと忘れて楽になりたいと思いますよね。
    そのくせ「自分が忘れないうちは彼も自分のことを忘れないんじゃないか」と思って忘れたくないと思ってしまったり……。
    一度、無理に忘れようとするのをやめてみてはどうでしょう?
    「忘れたい。忘れたい」と思っているうちはまだ彼にこだわっている証拠ですから、忘れるなんで無理。新しい恋や、女子会で気を紛らわせて自然に忘れられるのを待ってみては?
  2. 恋人になれなくても、側にいられればいい。友だちとしてでもいいの……。
    →それは本心ですか?「さよなら」を先送りにするための嘘じゃないですか?「側にいれば、いつか自分に振り向いてもらえるんじゃないか」という淡い期待があるからこそのセリフでしょう。
    一度ちゃんと考えてください。あなたがなりたいのは彼の友だちですか?彼女ですか?適切なタイミングで「さよなら」しないと傷つくのは自分ですよ。

さよならの余熱

  • 著者:加藤千恵
  • 出版社:集英社
  • 発売日:2010/12/16

モデルプロフィール

tsurusaki_profile
  • 名前:鶴崎真純
  • 生年月日:1989/3/20
  • 出身地:広島県
  • 職業:看護師
  • 受賞歴:withgirlsスターメンバー
  • 趣味・一言:ダイビング
  • 最近の悩み:のどがやたら乾く
  • Instagram:0masumin0

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

石橋 愛加

5人兄弟の末っ子に生まれ、親兄弟にべたべたに甘やかされて育った生粋のゆとりGirl。「恋がしたい!」が口グセなくせにいつも女友だちとつるんでいるので、浮いた話はない。仕方なく少女マンガや恋愛小説で自家発電して、なんとか今日を生きている。好きなマンガは『シュガーズ』いつかあんな恋ができると信じている。