結婚すると「100年の恋」も醒めてしまうのはなぜか?

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夫婦脳

  • 著者:黒川 伊保子
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2010/11/29

 

まずは「家族」の始まりともいえる、夫婦について考えてみよう。

結婚にも、様々な形があることは、近年かなり認知されてきた。
昨年末に話題になったドラマでは「契約婚」や「事実婚」といった言葉が登場した。
こういう言葉を聞くたび、夫婦とカップルの違いはどこにあるのだろうと思う。

一個人の意見で恐縮だが、それは相手に対する責任の重さにあるのではないだろうか。
それこそ、「100年の恋が醒め」ても。

「もうあなたへの恋は醒めた。あなたに熱を上げていた私がどうかしていました。もう金輪際会うことはないでしょう、さようなら。」
が許されるのはカップルであって、夫婦の場合は(たとえ事実婚であっても)そうはいかない、はずだ。

なぜ100年の恋だと思った、あの激情は、こうも醒めてしまったのか。
今回取り上げる『夫婦脳:夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか』によれば、
「『激しく愛し合った二人』ほど、人間相性は最悪」らしい。

愛は、必ず醒める

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著者の黒川伊保子は、メーカーでAI研究に携わったのち、言葉と脳、性別と脳に関する知見を活かした独自の知見から経営コンサルティングを行っている。

「男女の脳は違う。けれど、夫婦の脳はもっと違う。」で始まる本書では、性別だけでなく夫婦の違いにまで踏み込んで、夫婦間に発生する諸問題へのアドバイスを紹介している。

まず、100年の恋が醒める、すなわちドキドキしなくなるのはなぜだろう。
著者は7年周期で夫婦の危機が訪れる、という。

人間の骨髄液は7年周期で徐々に入れ替わり、それにともなって生体システムも徐々に変化していく。
最初は相手の匂いにドキドキしていても、7年も経てば慣れてしまう。
そこで「私はこの人が好きではないのではないか」と愛情が揺らいでしまうのだ、という。

ドキドキが醒めてしまうのは、身体のシステム上、仕方がないということなのだ。

そうとなれば、後はそういった危機を迎える際にどのように行動するかが重要、ということである。

夫婦の行動の違いを理解する

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さて、愛情が深い仲である(もしくはあった)ほど人間相性が最悪なのはなぜだろう。
それは、人の動物的な本能にある、という。

種の保存のためには遺伝子的な多様性が重要である、とは聞いたことがあるかもしれない。

たとえば遠くで銃声のような音が聞こえたとき、一方は駆け出し、一方はしゃがむというように、正反対の行動ができたほうが、どちらかが生き残る可能性が高まる。

人を好きになるとき、相手の体臭(いわゆるフェロモン)から相手の遺伝子を嗅ぎ取り、自分とは違う遺伝子を持っていれば好きになる、というのが動物学的な考え方だ。

行動の型が違うということは、自分とは真反対の行動をされるということでもある。

・私は寒がりなのに、夫は暑がり
・夫は几帳面だけど、私は細かいことは気にしない
など相手の行動にイライラしてしまう覚えはないだろうか。

これは、脳科学的に、すなわち生まれた時から備わっているから仕方ないものなのだ。
男女、そして夫婦の脳科学的な違いを理解できるだけでも、相手へのイライラ度はかなり軽減されるのではないだろうか。

こうなれば後は、相手の不可解な行動も脳科学的に解読すればいい。
たとえば妻の話が取り留めもないのは、女性の方が右脳と左脳の連携が早く、思ったことがすぐ口に出るから。
相手と共感することが女性の生き残る術だから、愛する夫とも共感したいのだ、と思えばだいぶ可愛く思えてくる。

夫が妻の突拍子もない行動にイライラするのは、男性の脳が変化に弱く、いつもと違う状況に慣れていないから。
男性は空間認識能力に長けている、とはよく言われる話だが、それは抽象的な概念の話でも同じで、すぐに話の大枠を掴むことができる。その分、大枠がわからず、先の見えない話には弱いのだ。

と、こんな形で、
・夫はなぜ急にぼーっとするのか
・夫はなぜ目の前にある物を見つけられないのか
・妻はなぜ主語がない話をするのか
等々のあるある話も華麗に解決してくれる。

本書はエッセイの形を取っており、単なる読み物としても十分楽しめるはずだ。
「あるある!」と笑いつつ、明日からの夫婦関係がちょっと良くなる。そんな著作だと思う。

こんなお悩みを解決

すっかり夫・妻にドキドキしなくなりました。これって、本当は好きじゃなかったということ?
⇒ある程度年が経てば、相手がいる環境に慣れてしまうのは生体上、仕方がないこと。そういった危機を乗り越えるために、男女の違い、夫婦の違いを引き起こす脳科学的な理由(=先天的に備わっているもの)を理解しておこう。

夫婦脳

  • 著者:黒川 伊保子
  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2010/11/29

モデルプロフィール

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  • 名前:柳川ゆい
  • 生年月日:1995/6/17
  • 出身地:広島県
  • 職業:学生
  • 趣味:アイドル鑑賞
  • Twitter:@0617yngw
  • Instagram:liuchuanjie17

(カメラマン:伊藤広将)

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

庭野蹴

同級生に同級生と見られない老け顔(両親譲り)眼鏡(父親譲り)の男性。お母さん方の井戸端会議によく顔を出しつつ、平和な青春時代を過ごす。 血のにじむような努力(とカロリー過多な食事)の末、早稲田大学に入学。授業に来なくなる友人を尻目にいそいそ学問に励む。結果、ちゃっかり論文で入賞したことも。また、(若さゆえ)関係各所に噛みつきながらフリーペーパーの制作もしていた。現在は社会人。