『将の器 参謀の器』であなたの優れた才覚が分かる

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アメリカの不動産王ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙に候補者として名を連ねているのは記憶に新しい。大統領は、一国を担う重大な責任を伴った「リーダー」である。それでは、「リーダー」とはどのような姿が理想的なのだろうか。あるいは、何をすれば「リーダー」になり得るのだろうか。

今回扱う『将の器 参謀の器』は、歴史を題材に現在に通じる組織と人間の問題を浮かびあがらせる手法で童門冬二氏によって手掛けられた。

本書では主に歴史上の人物にまつわるエピソードと共に、リーダー(将)と補佐(参謀)の理想的姿が書かれている。時代は変わろうとも、組織や各役職に必要な要素は変わらない。

-こんな人に読んで欲しい-

  • 複数の部下を持つ上司
  • 人事課に所属している人
  • 上司を理解したい部下

<将>部下の適正を見抜くこと

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戦国武将の中でも、武田信玄は人育ての名人と言われていた。

彼の方針で面白いものがある。それは、「100点満点の人間を採用するな」というものである。人間には必ず欠点があるからこそ必ず見どころがあるのだという。100人中99人に褒められる人がいるなら、それは軽薄な者か、小利口な者か、腹黒い者とまで言い切る。普通は皆から好かれる人を優れた者と判断しそうであるが、欠点を持つ者にある魅力を見つけ育てる考えは見習うべき器の大きさだ。

また別のエピソードでは、武田信玄が小心者の部下を奮い立たせることに成功した事例もある。合戦に行くのを恐れた岩間という部下は、周りの者から役立たずの小心者として扱われていた。しかし、武田は岩間こそ活躍できる職を任せた。岩間の神経の行きとどきに感心していた武田は、館の留守役と監視役を岩間に任命した。

すると、今まで小心者だった岩間は力を発揮して大いに活躍したという。役立たずと判断される人にもそれぞれ活躍できる分野があり、適任を割り振れるのはリーダーの人を見る目があってこそである。必要がなくなったらすぐに首を切るのではなく、その人の真の適正分野見抜く力は見習いたいものだ。

<参謀>部下に考えさせること

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木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)は、織田信長の部下になって間もなく、台風で壊れた城の塀を直すよう命じられた。そこで藤吉郎は100人近くいる働き手に向かって、自分たちで組分けをするように命じた。

また、共通の目的として信長のためだけでなく、子どもや妻を敵から守るために塀の修理が必要なのだと認識させた。さらに藤吉郎は差し入れに酒を贈り、一番早く取り組んだチームに信長からの褒美をあげる約束で、ますます彼らを奮い立たせた。結果的に、彼らはくじ引きでチームを決め一日で塀を直すことに成功した。

働き手が労働に対してどのようなモチベーションをもって取り組んでいるかは、常に重要となる。

自分は何のためにこの仕事をしているか、自分のやった仕事がどれだけ組織や社会に役立ったか、それに対し組織はどう評価してくれたかである。もしも、これらに働き手が気付かないうちに上から仕事を命じたら、やる気を失い働き手自ら考えることもしなくなることを頭に置くべきだ。

<名将と名参謀>

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享保の改革を推進した8代将軍徳川吉宗は、元禄時代のバブル景気が崩壊した直後に徳川幕府の財政をどう再建するかという壁にぶち当たった。次々と新しい手法で改革を進めていた中でも、目安箱の設置は有名な出来事だろう。市民の生の声を匿名で投函させ、それを政治の改善点として活かすのである。一つ一つ、吉宗たちが気を悪くしそうな意見でも笑顔で受け止めたという。

吉宗の意向が決まったら、次は彼の部下である大岡越前守忠相が実際に行動に移した。江戸の市民の心を癒して欲しいという意見が来たら、飛鳥山や小金井に桜を植えた。また身よりのない老人のための収容施設を作って欲しいと言われたら、小石川に養成所を設けた。

つまり吉宗にとっての改革は単なる減量経営だけでなく、様変わりした状況下における客の新しいニーズに応えることを重視したものだ。改革すべきところを的確に判断し、信頼できる最低限の家臣たちに実行させた参謀。そして将が判断したニーズと意図を汲み取り速やかに実行した参謀。どちらかでも欠けていれば実現し得なかった大きな改革が、この時代から既に存在していたと言える。

徳川家康、武田信玄、加藤清正などの名将に加え豊臣秀吉、西郷隆盛などの名参謀が本書に名を連ねている。良き組織を作るために、リーダーとその部下と働き手はそれぞれ自分の役割を自覚しなければならない。上記でも述べたが、何のためにこの仕事をしているか、やった仕事がどれだけ組織や社会に役立ったか、それに対し組織はどう評価してくれたかを組織全員が理解を深める必要があるのだ。

組織がうまく回ってないと感じたら、部下を育てる立場の人は将たる器を特に意識し、部下は組織へいかにして貢献しているか全員が見直す必要があるだろう。どの時代においても、組織を作るのは、それぞれの役回りへの理解と実行力なのだ。

組織に所属し、組織や自分のあり方に悩むあなたへ

    • リーダーは、部下の短所を活かし成長させる
    • 中間管理職者はリーダーの要求をくみ取り、働き手に自主性を持たせる
    • 働き手は、自分の仕事に目的と成果を追求する

将の器 参謀の器

  • 著者:童門冬二
  • 出版日:2001/10/01
  • 出版社:青春文庫

モデルプロフィール

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  • 名前:近藤ゆい
  • 生年月日: 1993/12/16
  • 出身地::大阪府
  • 職種:OL
  • 受賞歴: 2014年度ミス清泉コンテスト特別審査員賞/DHC賞
  • 趣味::テニス・スノボー
  • Twitter:@msc2014_yk1

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WRITERこの記事を書いた人

高野 かおり

女子校10年目の大学4年生。ツボが浅く、笑いを堪えることができない。特技はiPhoneの早打ちと独唱と親父ギャグ。iPhoneの早打ちに関して、LINEを迅速に返すのでキモがられることも多々あり。好きな漫画『電撃デイジー』は私の人生におけるバイブル。