ジョコビッチが食を通じて教えてくれる、オープンマインドと自問自答の重要性

inoue_top

ジョコビッチの生まれ変わる食事

  • 著者:ノバク・ジョコビッチ
  • 出版社:三五館
  • 発売日:2015/3/21

前回は野球のことを取り上げたが、僕は12年近くテニスもやっていた。

近年、日本のテニスブームは、大きく分けて二回あったといえる。

一つは、現実離れした必殺技を数々繰り出す漫画『テニスの王子様』の流行。

ツイストサーブ(顔に向かって跳ね上がるサーブ)は実際に打てるものだが、気合でボールをコートの外に押し出す技はさすがにできないだろう。たぶん。

もう一つは、錦織圭の活躍によるものだ。

五輪では日本選手96年ぶりのメダルを獲得。

俊敏性の高さを軸にして、パワーのある選手を打ち負かしていく姿は快感だった。

錦織は素晴らしい選手だが、それでも上にはまだまだ怪物のような選手がいる。

長年トップに君臨し続けていたのは、ラファエル・ナダル(錦織の3位決定戦の相手)とロジャー・フェデラーという二人の選手だった。

圧倒的なパワーで押すナダル、それとは対照的に、技術に長けとにかくミスをしないフェデラー。

この2トップ時代に終止符を打ったのが、今回紹介する書籍の著者である、ノバク・ジョコビッチだ。

ジョコビッチを変えた食事

inoue1

2トップを打ち負かす以前から、ジョコビッチは全てのショットにおいて技術が高く、ゲームメイクにも秀でていた。

しかし、以前の彼は大一番のかかった試合で原因不明の発作により倒れてしまうことが多くあった。

想像してほしい。

誰にも負けないほど努力しているのに、自分にもわからない原因で結果が出せないジレンマ。

そんなジョコビッチを救ったのが、同郷の医学博士の存在だった。

端的に言えば、グルテンフリーの食事に切り替えることで彼はベストパフォーマンスを常に発揮できるようになった。

これは、グルテンを含むパンや麺類などを摂らないことを指す。

なんでも、人類の20%はグルテン不耐症、つまりはグルテンを消化できない体であるという。

ジョコビッチもグルテン不耐症であったことから、グルテンフリーの食事に切り替えることによって、劇的な体の変化を起こすことができたのだという。

詳細は本書の中身に譲るとして、ここでは別の文脈からジョコビッチの変化を取り上げたい。

それは、「トップ選手のオープンマインド」だ。

オープンマインドの重要性

inoue4

本書によれば、ジョコビッチを救った医学博士はたまたまテニスの試合を見ていた。

その試合でジョコビッチが倒れたのを見て、グルテンに原因があると判断。

クロアチアで行われた大会中にジョコビッチの下を訪れたところから、グルテンフリーの食事に切り替えたという。

どうだろうか。

まずもって、「テレビで見ただけでわかるの?」と疑うだろうし、「小麦って……。俺めっちゃピザ好きなんだけど」(ジョコビッチの実家はピザ屋だった)となったかもしれない。

しかし、ここで「いったん話を聞いてみよう」となったから、今のジョコビッチがあるのだ。

彼はこれを「オープンマインド」だという。

ジョコビッチの出身はセルビア。

昔はユーゴスラビア連邦といった。

旧ユーゴスラビアは内戦が長く続き、国は大いに傷ついた。

ジョコビッチも幼少期、空爆によって防空壕暮らしを余儀なくされた。

そして、セルビアは決してテニスの強豪国でもない。

そんな中でテニスプレイヤーになるためには、広く知見を集め、前例のないことにチャレンジしていくしかなかったのだ。

情報を受け入れた後、判断するのは自分自身

inoue3

人の話をまずは聞いてみよう、と受け入れるジョコビッチ。

しかし、あなた自身の決断をする最高権威はあなただ、とも説く。

事実彼は、「私は何かを指示しているわけではない」と書中で述べている。

願いは、読者が柔軟な心で様々な方法を試し、自らの身体と対話することだ。

これまでに証明された情報と、新しい情報。

特に新しい情報を試してみて、身体と対話するのは自分だと彼は言う。

そして、自分に起こった出来事に関連する問いを自らに投げかけ、客観的に答える作業を行うことで、自分を知ることができる。

そうして知った自分にとって、最も有益、効果的な情報を選べば良い。

本書は食という切り口からジョコビッチの人生を紐解いた自伝だ。

食はプロアスリートに限らず、どんな人にとっても命の源になる。

何を食べるか、どう食べるかという問題は、自らが食を知り、何を食べるか選択することに等しい。

本書が単なるダイエット本に見えるとしたら、それはあまりに勿体ない。

食を通じて、トッププレイヤーの思考をのぞいてみよう。

こんなお悩みを解決!

  1. 新しい考え方を受け入れることの重要性は分かっている。だけど、実行するのは難しい。
    →まずは話だけでも聞いてみよう。そして、ちょっとだけ試してみよう。合わなかったら辞めれば良い。
  2. 色々な情報が溢れすぎて、どう判断すればよいかわからない。
    →これまでの常識をうのみにするのはやめよう。証明された情報と新しい情報を精査することが重要だ。自分に客観的な問いを投げかけ、自分を知ることも効果的だ。

ジョコビッチの生まれ変わる食事

  • 著者:ノバク・ジョコビッチ
  • 出版社:三五館
  • 発売日:2015/3/21

モデルプロフィール

inoue_profile
  • 名前:井上瞳
  • 生年月日:1995/2/10
  • 出身地:福岡県
  • 職業:フリーモデル
  • 趣味・一言:DIY
  • 最近の悩み:身長がのびないこと
  • Twitter:@h1t0mi2mum
  • Instagram:@h1t0mi2mum

(カメラマン:伊藤広将)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

庭野蹴

同級生に同級生と見られない老け顔(両親譲り)眼鏡(父親譲り)の男性。お母さん方の井戸端会議によく顔を出しつつ、平和な青春時代を過ごす。 血のにじむような努力(とカロリー過多な食事)の末、早稲田大学に入学。授業に来なくなる友人を尻目にいそいそ学問に励む。結果、ちゃっかり論文で入賞したことも。また、(若さゆえ)関係各所に噛みつきながらフリーペーパーの制作もしていた。現在は社会人。