失った恋に翻弄される、12カ月がはじまる。『四月になれば彼女は』

四月になれば彼女は

  • 著者:川村 元気
  • 出版社:文藝春秋
  • 発売日:2016/11/4

春。
出逢いと別れの季節。
これからどんな出逢いがあるでしょうか?
もしかしたらその人は、あなたの人生に大きく関わってくる人かもしれません。

本書は、誰かを愛するという気持ちを純粋に追求した
切なくて、けれど何か大切なものに気づかせてくれるような物語です。

春の訪れ

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4月の新歓時期。
伊与田春は重たそうなフィルムカメラを首にかけて、写真部にひょっこりやってきた。
彼女の出身は青森県で、何もない街だそうだ。
それでも彼女は祖父から譲り受けたマニュアルの一眼レフで
自分の世界を撮り続けてきたという。
そんな彼女の写真は、どこか色彩が薄い景色ばかりだった。

数年後、死を予期した春は
世界の美しい景色を回ってシャッターを切り続けた。
自分の生きてきた足跡を残すように、
その瞬間を切り取るように。

そしてかつて誰かを愛した自分に会うために
春は当時の想いを振り返りながら
旅先で見たこと、感じた事を手紙に綴り続ける。

誰かを愛し、愛されたという実感は
その時は明確に認識していなくても
あとになって、ふと振り返った時に感じるものなのかもしれません。

ウユニの春

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大学病院で精神科医として働く藤代は、物事に対する執着心が極めて低く
獣医の妻・弥生との結婚を控えているにも関わらず
「愛する」という感覚を忘れてしまっていた。
通過儀礼のように式の準備を進めていく藤代のもとに
ある1通の手紙が届く。
差出人の名は「伊与田春」。
藤代は大学時代、
写真部で春と出逢い、交際をしていたのだが
ある出来事から2人はすれ違い、接点を絶っていたのだ。
連絡を取るのは実に9年ぶりだった。

春から届く手紙には
旅先で出会った人々や美しい景色、町の様子、
そして、藤代と共有した「愛する」という想いが綴られていた。

「誰かを愛して初めて愛される」

愛することを忘れてしまっていた藤代にとって
その春の言葉は、かつての鮮やかな心情を蘇らせた。

あなたにとって「愛すること」とは
どういうことですか?
どんな時に「愛している」もしくは「愛されている」と感じますか?

伊与田春 という生き方

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この作品の中には春が撮った様々な風景が登場します。
毎日見ていた地元の景色や、旅先の様子、人々の心からの笑顔…
皆さんもアルバムを見返したときに経験ありませんか?
目には見えぬ、その瞬間の空気感が
見返した時に心の中で湧き上がってくる感じを。

春は作中でこう言っています。

「わたしは雨の匂いとか、町の熱気とか、悲しい音楽とか、嬉しそうな声とか、誰かを好きな気持ちとか、そういうものを撮りたい」

“写らないもの”を求めて
確かに自分がそこにいて感じたものを残す。
写真を通じて自分の生きた証を刻んでいく春の生き方に
惹かれる人は少なくないと思います。

本書を読んで
あなたなりの「愛」を見つけてみませんか?

四月になれば彼女は

  • 著者:川村 元気
  • 出版社:文藝春秋
  • 発売日:2016/11/4

モデルプロフィール

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  • 名前:久山晴己
  • 生年月日:1989/12/12
  • 出身地:京都府
  • 職業:タレント
  • 趣味・一言:読書、一人旅、朱印集め
  • 最近の悩み:積ん読が減らない
  • Twitter:@kuyamaharuki
(カメラマン:伊藤広将)

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