『変わり続ける』が断言する、見据えるべき未来は「45歳の黄金期」?!

ソニーで文系出身者初の事業部長、14人抜きでの社長抜擢を経験し、70代後半になってなお精力的に活動する著者はかく語る。

「45歳が人生の黄金期である」

本連載は「未来を見据える」をテーマにしているが、本書において見据えるべき未来はもう決められている。

この人生黄金期において、人生の分かれ道になること。
それが「リポジションを図れるか」だという。

変わり続けることで「なりたくない自分」を回避できる?!

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上記の根拠となるのが、ノーベル賞を受賞した江崎玲於奈氏による、あるグラフだ。

それによれば、分別心とクリエイティブマインドがちょうど良い具合に釣り合うのが、45歳ごろなのだ。
実際に江崎氏も48歳でノーベル賞を受賞した。
また、著者が文系出身者初の事業部長になったのも、42歳だった。
ここで、分別心とは言い換えれば経験。
経験ばかりが大きくなっては、ただの口うるさい社員になってしまうという。

そして、分別心には対照的な存在がある。
それが「クリエイティブマインド」、すなわち「才能」だ。
もっとも、クリエイティブマインドは、年齢とともに右肩下がりになってしまう。
経験は年を取ればいやでも増えていく。
このバランスが崩れると、「ただの口うるさい年配社員」が出来上がることになる。
これではとても明るい未来とは言えない(むしろ最もなりたくない姿ではないだろうか)。

クリエイティブマインドを磨かなければならない環境に身を置く

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こんな迎えたくもない未来を阻止するために必要なのが「リポジション」だ。
リポジションとは、自分が置かれている環境を意識的に変えること。
更に、自ら自己に塗ったレッテルを剥がす行為でもある。
こうして環境を変えれば、ゼロからクリエイティブマインドを発揮せざるを得ないから、右肩下がりも止まる。
むしろ、常にクリエイティブマインドは更新されていくのだ。
著者がこのように感じるのは、自身の社会人生活が大きくかかわっているという。

既存路線を打ち破り、事業部長や社長になった著者は、さぞ順風満帆な人生を歩んできたのだろうと誤解しがちだ。

しかし、実際は多くの異動を経験。
中には本社のスタッフが行かないような部署も含まれていた。
傍から見れば左遷、と言ってもおかしくなかったかもしれない。

その状況に、著者は決して文句を言わなかった。
むしろそのような経験が、リポジションを厭わない気質を作ってくれたとさえ言っている。
置かれた状況に応じて柔軟に対応した結果が、今の自由人たる筆者なのだ。

変わり続ける前の下準備

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そうはいっても「変えるようなほど、自分のポジションなんて見つかってない」という読者もいるかもしれない。

実際に「自分はどこにいるのか」は昔以上に分からない時代になっている。
人々のキャラ化、と言われるようにその場その場で自分を演じ分けるような風潮もある。

ただでさえ若者は迷いやすいのに、社会的な背景がそれに拍車をかけているかもしれない。
そこで筆者はこう言う。
「自分にはまだ眠っている才能がある。この仮説を立てて、徹底的に、あらゆることを試してみなさい」

筆者はドイツ語とフランス語を同時に学び、フランス語の方が自分に合っていると見抜いた。

一般的に語学ができない、と思うときに試した言語はたいてい英語ともう一か国語くらいだろう。
そうではなく、スペイン語、アラビア語など、他の言語だって試してみるべきだ、と筆者は言っているのだ。

「選択肢の数だけ可能性がある」とも、筆者は語る。

リポジションせず、一つの選択肢にとどまっているうちに、経験ばかりが肥大化するだけでなく、自らの可能性も絶ってしまう。

明るい未来を迎えるためには、常に自らをリポジションしなくてはならないのだ。

一読すると、リポジションは社会人生活において陥りがちな出来事を回避するための有効な策だとわかる。
いわゆる「老害」社員になってしまうこと。
楽しく働けないこと。
自分に自信を持てないこと。

これらすべての問題は、リポジションにより解決できる。
本書は主には30~50代のビジネスパーソン向けに書かれているが、「若いうちに知っていれば」と歯ぎしりする人もきっと多いことだろう。

本著を読むだけでも、あなたの何かは必ず変わる。
そして、リポジションをどのように継続すればよいのか。
それは、ぜひ本書を読んで確かめてほしい。

 今日のポイント

  • 黄金期に向けて才能を磨くためには、自らを変え続けることが必要。
  • 黄金期までに迎える様々な環境の変化は、自分を成長させてくれる追い風ととらえよう。
  • 自分に期待しよう。「まだ才能が発揮できていない」と思うなら、別の分野にも目を向けてみよう。実はまだ、適性のある分野を見つけられていないだけかもしれない。

変わり続ける―――人生のリポジショニング戦略

  • 著者:出井 伸之
  • 出版日:2015/12/4
  • 出版社:ダイヤモンド社

モデルプロフィール

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  • 名前:中川安奈
  • 生年月日:1993/10/22
  • 出身地:東京都
  • 職業:慶應義塾大学
  • 受賞歴:ミス慶應コンテスト2015 特別賞
  • 趣味・一言:JAZZダンスと相撲観戦
  • Twitter:@no5_MK2015 /Instagram:41annie212201

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WRITERこの記事を書いた人

庭野蹴

同級生に同級生と見られない老け顔(両親譲り)眼鏡(父親譲り)の男性。お母さん方の井戸端会議によく顔を出しつつ、平和な青春時代を過ごす。 血のにじむような努力(とカロリー過多な食事)の末、早稲田大学に入学。授業に来なくなる友人を尻目にいそいそ学問に励む。結果、ちゃっかり論文で入賞したことも。また、(若さゆえ)関係各所に噛みつきながらフリーペーパーの制作もしていた。現在は社会人。