『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』と一緒に、嫌いな自分を変えてみよう。

あなたには「嫌いな自分」はいるだろうか。
「弱い自分」でも、「変えたい自分」でも何でもいい。

それを変えたい、と人は思う。
いわば、「変わった自分」を未来に見据える。

そんな時、何かに勇気をもらいたいと人は思う。
独力で変わろうとするのは、ずいぶんハードルの高い課題だからだ。

たとえば、弱かった主人公が冒険を経て強くなっていく物語に勇気をもらう。
でもどこか、絵空事として見ている自分もいるのではないだろうか。
だからこそ、この本を勧めたい。

自分を嫌いな勇者の卵とともに、自分を変える旅に出よう。

ファンタジー、だけど。

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本書は独特の形式で構成される。

内容自体は、ファンタジー小説そのものだ。

自分に極端なほど自信のない少年「キラ」。
彼は海のように真っ青な髪と目を持っていた。

その奇異な見た目のせいで様々なものを失った、と考えているキラは、自分を嫌いに思っていた。
この髪色さえなければ、大好きなパパを失わずに済んだ、ママに苦労もかけなかった、と。

そんなある日、彼は不思議な話を耳にする。
なんでも願いが叶うというお宝(聖櫃(アーク))が、彼の住む神奈川県は葉山に眠っているというのだ。

夢中で走り出したキラは、スポーツもルックスも抜群な同級生の「リク」と遭遇する。
リクには見えないものが見えたキラは、唯一の友達ともいえる犬の「とんび」と一緒に、不思議なカエルの石に飲み込まれた。

その先で出会った不思議なカエルの「老師」に導かれ、彼らは現実世界を闇で支配しようとする「タマス」と戦いつつ、お宝を目指す。

そして冒険の中で、彼らはたくましく成長していく……。

と、ここまで聞けば従来あった冒険ファンタジー小説と変わらないかもしれない。

しかし、本書の特徴は、老師の導きがファンタジーの世界から離れてしまった大人たちの心にも染み入ってくることにある。
いわば、自己啓発小説とでもいうべきだろうか。
たとえば、道中ではぐれてしまったキラを心配するリクに老師はこう告げる。
「『怖れ』からの心配は、キラのネガティブな現実をつくる助けになってる」

物語中の言葉だが、私は現実世界とリンクする部分があると感じた。

現実にも、年長者が若者に対し、良かれと思って、先回りしてアドバイスをすることがある。
それは自分が経験した失敗や怖れを、親切心から指摘しているのだろう。

しかし、それはアドバイスされた側にとっては、ただネガティブな現実(予想)をつくるための材料にしかなっていないのかもしれない、と気づかされた。

 黒い感情さえも、自分だと認める

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キラの自己嫌悪は、読んでいるこちらまで辛くなってしまう。

自分の他の人とは違う見た目のせいで、両親に迷惑をかけてしまった。
目立たないように頑張っていたのに、ちょっとした失敗が原因でいじめられるようになってしまった。

起こったことのすべてを、自分のせいだと抱え込んでいる。
そしてそんな経験から、臆病で、弱虫な自分を愛せない。

読み進めるうちに、思うはずだ。
キラの気持ちも、少しは分かると。
嫉妬、寂しさ、怒り、怖れ、哀しみ。
そうした負の感情を心の中に生み出してしまうのは、多少の差こそあれ、誰にだってあることだ。

これまでになかった感情を爆発させるキラに老師はこう諭す。
「どんな自分も素晴らしい」

まず、感情を否定しないことから始めよ、と老師は教えを授けた。

自分で扱うには重すぎる黒い感情を心に浮かべた時、こう思う。
自分はこんなこと思う人間じゃ本当はないんだ、と。

同時にこうも思うかもしれない。
こんなことを思うなんて、自分はなんて嫌な奴なんだ、と。

そんな黒い自分でさえ、全肯定するのだと老師は伝える。

どんな自分だって、自分。
分かっているはずなのに、否定したくなるのはもはや人の性なのかもしれない。
しかし、そんな自分を認め、褒められたとき、人は更に飛躍できる。

そう、キラが同じく成長したように。

 弱虫でネガティブな「勇者」だからこそ、勇気をもらえる。

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キラは人間の弱みすべてを凝縮したような存在だ。
平凡な主人公はよくいるが、ここまでマイナスからのスタートを強いられる主人公はそう多くないだろう。
だからこそ、本書では彼の成長に感情移入することができる。
そして不思議なことに、彼ができたなら自分もできるのではという勇気をもらうことができる。

何とか自分を変えたい。
でも、巷に流行る自己啓発本のイケイケな雰囲気には、なんだかついていけない……。

そんな人でもきっと大丈夫。
誰だって、なりたい自分(見据えた未来)へと変わる力を持っているのだから。

 今日のポイント

  • 自分の嫌いな部分を多く持つ主人公「キラ」と一緒に強くなる気持ちで読むことができる。
  • 嫌いな自分を、まずは認める。
  • 本書ではそんな負の感情も自分の糧に変えていく術が身に着く。

臆病な僕でも勇者になれた七つの教え

  • 著者:旺季志ずか
  • 出版日:2015/12/7
  • 出版社:サンマーク出版

モデルプロフィール

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  • 名前:高橋 あかり
  • 生年月日:1991/07/15
  • 出身地:東京都
  • 職業:OL
  • 受賞歴:ミス青山コンテスト2012準グランプリ
  • 趣味・一言:ヴァイオリン弾けます!
  • Twitter:@akari_miss6

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Myコーデ

WRITERこの記事を書いた人

庭野蹴

同級生に同級生と見られない老け顔(両親譲り)眼鏡(父親譲り)の男性。お母さん方の井戸端会議によく顔を出しつつ、平和な青春時代を過ごす。 血のにじむような努力(とカロリー過多な食事)の末、早稲田大学に入学。授業に来なくなる友人を尻目にいそいそ学問に励む。結果、ちゃっかり論文で入賞したことも。また、(若さゆえ)関係各所に噛みつきながらフリーペーパーの制作もしていた。現在は社会人。